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INFJ+HSP観察記② 考えて考えて考えて泣く それでも

昨日、長女であるNanの唇にヘルペスができた。

マルチタスクを苦手とする彼女だが、悩める思春期、やむを得ず一度にたくさんのことを考えなくてはいけない時がある。

Nanちゃんについては、こちら。

「もうね、分かってんのよ、これがでる時は」

Nanは達観した様子でそう言い放ち、これから電車に乗るというのに唇に白い軟膏をこんもりと塗った。

「え? そのまま行くの?」

「うん、結構人って他人の顔は見てないんだよ。」

(HSPじゃないんかい!)と心の中でつっこみながら、今日は元気で帰宅できるといいと願い、見送った。


彼女はとにかく考える。

過去はどこまでも遡り、目の前の事象は穴があくほど掘り下げ、見えない未来を不安で満たし、考えまくる。

しょうもない(失礼)案件から、飢餓や貧富の差など地球規模の難題まで、彼女にとってはどれも一生懸命考えなくてはいけないことらしい。

彼女にとって、生きることは考えること。

「もっと気楽にいきなよ~」なんて励ましは宇宙語くらい響かない。とにかくずーーっと考えているので、デフォルトでも空き容量は0に近い。

それなのに最近は就活をはじめとして、いつも以上にあれやこれやあるらしく、思考が溢れる。
ついでに涙も溢れてくる。


誰だって思考する。
たくさん考えるのは何も特別なことじゃない。

でも彼女については「そんなに考えることはないよ~」と、一笑できない切実さがある。

考えない、という選択肢はない(できない)。
じゃあ、どうするか。

それがこれ。(本人提供)

中段に注目。行動と思考が分刻みになっている

テーマごとに「どの時点で何分思考するのか」決めてしまうという驚異のスケジューリング。4時起床が普通に見えてくる。

わが娘ながら、ちょっとひく。


一方で思考のテーマが(珍しく)一つに絞られた時は、能力も集約され、すごいパワーを発揮する。それが個人の努力で実行でき、裏切らない結果がでるとなるとなおさら。勉強はそのひとつ。

中高一貫校に馴染めず、付属の大学にどうしても進みたくなかったNan。
指定校推薦がかかった学内選考では、気が狂うかと思うほど勉強していた。とある休日、部屋を覗くと涙を流しながら教科書を音読していた。

結果、追随の生徒をそんなに離す必要はないですよー、という成績で第一志望校への切符を手にした。

最近出没したメモがこれ。(本人提供)

下から2番目が狂気的
やらない時は作らないって、どういうことよ・・

週末は12時間以上机に向かっていたと思う。
私に「勉強しなさい!」と言う機会は1度も訪れなかった。


「Nanちゃんは頭の中がお花畑なのよね。」

これは最近彼女がバイト先の店長に言われた言葉らしい。私は超ビックリした。

思考で溢れている頭の中は、お花畑にはなり得ない。

しかしもっとビックリしたのは、Nanがこの言葉の意図することに気づいていない点だった。
説明すると、
「あっ、そういうこと? エエーッ⁉︎」ときた。

母も「エエーッ」なんですけど。
君は敏感なんじゃないのか・・

変なところで鈍感なんだよな、Nanちゃん。

ちなみにこの店長は意地悪でもなんでもない。
Nanがその特性を隠しいつもニコニコしているので、能天気に見えるだけで。


さきほど、Nanちゃんが笑いながらリビングに戻ってきた。

「ママ見て~。今日の恰好、スティーブ・ジョブスみたい笑」

見ると、黒いタートルネックに深緑のチノパン。

ジョブス氏は、余計な選択に考える時間を割かなくて済むように、食べる物と着る物のスタイルを決めていたと聞いたことがある。

その方法もある、と一瞬思ったが、
Nanちゃんは別に効率的に生きたいわけではないんだよね。


ケラケラ笑っているのをみると、今日は良い日だったのかな、と思う。

でも、きっとまた1人部屋に戻ると
考えて 考えて 考えて
時々めそめそしたりする。

本日のファッションから、社会的不平等の話まで、私は専ら聞きまくる。


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