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混ざると美味しい。音楽の坩堝アメリカVOL.2

混ざると美味しい。音楽の坩堝アメリカVOL.2
■アフリカの黒人はリズムを伝える。
アフタービートの強烈なリズム、それとブルース、スリーコードのセブンスの和音の連続。
音楽的にはドミナント進行と云われて、通常なら簡単な曲で4つコードがあったら1つがセブンスです。
そして、そのセブンス(属7)は4つのコードの最後にあり、終止形では最初のコードに戻ります。
一番、エネルギーのあるコードで強いアンギュレーションは必ず展開を求めます。
そうしないと人間の心は平静を取り戻せないのです。
所がこのブルース16小節が3個のコードでセブンスの強進行でガンガン行くのです。これを早く弾けばロックンロールです。
南部の黒人がギター1本ででブルースを弾く、一日中飽きずに弾くのですからアドリブは物凄い数です。
音楽と音について触れます。
ギターでブルースはE7、A7、B7の展開が多いのですが、ギターの倍音成分が多いのは1/2(E)と1/3(B)と1/4(A)の倍音です。ブルースこの気持ちの良い響きは脳内麻薬を分泌します。

現在の多くのミュージシャンが参加するロックコンサートで最後にアンコールで弾く事が多い。
理由はキーを決めれば、後は全員、アドリブで遊び回しが出来るからです。
このブルースに、リズムがくっついて、リズム&ブルースになり、メンフィスを中心にダンスミュージックとして1960年頃から流行します。黒人の活躍、殆ど一人舞台の音楽です。
1900年頃デキシーランドJAZZもブラスとホンキートンクピアノ&バンジョーと独特な構成で底抜けに明るい。
後にロックの中にブラスを加えるのはこの辺りから・・。
まさに、黒人音楽との融合です。

■カリブ海の音楽
独特な明るさを持った、音楽ですが、代表的なのはキューバ音楽。キューバンボ-イズに代表されるカリプソなどのダンスミュージック。メロディーも切々と美しいものがあります。メキシコと似ている事が多いのはスペイン語圏で音楽が伝わり易かった。
それと、明るいカリブの中で異色な存在はジャマイカ、人種というよりこの人、ボブマーレーが率いた。ボブマーレー&ウェーラーズ、その強烈なプロテストソングは民衆を動かし政治を動かした音楽、レゲエです。独特のリズムとビート、強烈に暗い詩はロックの中に輝いている。

さて、まだ様々な人種の持ち込んだ音楽が混ざっていないんです。
移住し建国して200年やっと異種の文化がぶつかって、音楽が混じりあい、人種も交じり合い。

ロックが混ざるのは、いや、それよりも1950年~60年ポップスがロックになっていく、ジェリールイスとかエルビスプレスリーにBBキング。

でもロックはやっぱり、ビートルズです。
エレキギター2本ベースにドラム。でもイギリスです。いや違うんです。
ビートルズがブルースに多大な影響を受けるんです。
そして、ローリングストーンズ、キンクス、ラビンスプーンフルありゃ!又してもイギリスです。
そしてエリッククラプトン、うわー!またイギリス。ブルースの神様のようなクラプトンです。
でも殆どの活動はアメリカです。

此れには訳が在ると、私は考えています。
イギリス人は素直に音楽の素晴らしいことを認める。
アメリカ人は人種を差別しているから、ブルースやJAZZの黒人音楽を認めようとしない。だから、ビートルズやストーンズやクラプトンや多くのミュージシャンがやり始めた時、乗り遅れた。
同じようにブライアン・アダムスダイアナ・クラール、セリ―ヌ・ディオン、等も意外な事に米国での評価は低い。これはアメリカ人がカナダ人を蔑視しているからと言われている。
逆に言えば、黒人やプエルトリコやカナダを蔑視するのはアメリカ人にコンプレックスがあると言う事です。
人種差別をしている事でアフロの黒人たちが持つ素晴らしさを見失ってしまう。

イギリスがブルースに染まっていた頃、アメリカはビーチボーイズ!です。そうは言っても、アメリカは西海岸ビーチボーイズは最高です。
ロックもコーラスもブルースも、素晴らしいセンスです。

そして、この音楽を支えたのはシンガーソングライターの活躍です。

ビーチボーイズのブライアン・ウイルソン、やリンダロンシュタット、ジャクソンブラウン、アサイラムレーベルの面々!イーグルス、ボブ・ディラン、ブルースス・プリング・スティーンキャロルキング、ジェイムス・テーラー、エリック・カッツ、レナード・コーエン、ライ・クーダー。

数え上げたら切がありません。それらの人たちの曲に脈々と語り継がれるようなメロディー、リズム、和音。血の中に流れ始めた遺伝子の流れです。

カントリー&ウエスタンその聖地のようなテネシー州ナッシュビル。
ここが今一番素晴らしい音楽の発信地です。スタジオも最高です。
アメリカで一番は世界で一番です。ミュージシャンも集まっている。
元々はカントリーのメッカです。
有名なグランドオルオープリー(=毎週土曜の夜に開かれる)カントリーミュージックのコンサートで全米にナマの放送がある。
一週間遅れで日本でもFEN(極東放送)で聴くことが出来て、僕は高校生の頃から聞いていた。今僕らは、幸せな時代に生きていると思います。世界中の様々な音楽を聴けます。
しかし好きな音楽は何処から来るのでしょうか?魂を揺り動かすものは何なのか?
心引かれる音の響きは、なぜ悲しかったり、楽しかったり、不安になったりするのか、不思議です。
私達の遺伝子の中に、私達の通常3%しか使われない脳の中に魂の響きが有るのかな~なんて考えます。
音の響きは音楽は自分の魂の響き、そのものなんじゃないのかな~なんて・・・。

生まれたばかりの赤ん坊、腐ったミルクは飲まないそうです。
誰がいつ教えたのか・・・。

世界中の人々が音楽を聞くと、ほぼ同じ感情を抱く。
怒り、悲しみ、苦しみ、楽しみ、その音は何処から来るのか?

いったん終了。

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