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国を超えて・・良いとこどり育児

スペイン人と日本人の血を受け継ぐ赤ちゃんを、ドイツで育てている。生まれる前、お腹にいる時から、彼は3カ国の社会や文化に揉まれてきた。

例えば、妊婦の私は、スペイン人の義母に「生ハムが食べられなくて辛い!」と愚痴をこぼしたことがあった。(妊娠中に生ハムを食べると、トキソプラズマ症という感染症にかかる恐れがあるため。)

そんな、世の中の妊婦さん、ほぼ全員が経験するであろう、食べられなくて辛い問題。それに対し、義母は私は、息子(私の夫)を妊娠してた時、生ハム、バクバク食べてたけどねえ。」と言い放った。

そんな義母から生まれてきた夫は、肉食で、魚介類が好きではない。魚介類の美味しい料理がたくさんあるスペインで生まれ育ったのに。義母が妊婦の時に生ハムをバクバク食べてたから、肉食になってしまったのだろうか?

★★★

話が逸れたが、つまり、妊娠中に、国が違えば、同じ妊婦でも過ごし方が違ってくるように思う。聞いた話によると、フランスでは、妊娠中でも1杯くらいならグラスワインを飲んでも咎められないらしい。さすが、ワインの国の妊婦さん達だ。

とはいえ、ビールの国ドイツの妊婦さんには、ビールを飲んでいる人はいなかったので、本当に、国それぞれなのだと思う。

3カ国の文化・慣習を取り入れた妊婦生活のもと、お腹で育ってきた息子。育児が始まって、自然と私は、3カ国の育児方法の良いところを取り入れてきた。

例えば、ドイツでは、赤ちゃんを毎日沐浴させる習慣がない。助産婦さんには、沐浴させるのは週1回、あとは体を拭いてあげるだけでいいから。と言われた。

息子が下界に出てくる前は、「週1回の沐浴だけなんて可哀想すぎる!毎日沐浴させてあげるんだ!」と意気込んでいた私。

しかし、生まれてからというものの、毎日が大変すぎて、お風呂に入れてあげる夕方には、私はもうヘトヘト。毎日、ベビーバスとはいえ、お湯をはって、沐浴させるのはたいへんすぎる!!と早々と根をあげた。

結局、流石に週に1回まではいかないが、1日おきに沐浴させている。日本流育児では「沐浴は毎日」なので、日本流育児をしていたら、後ろめたい気持ちになっていたと思う。でも、ドイツ流育児「沐浴は週1」を知っていたから、1日おきに沐浴させてあげているなんて、「頑張ってるじゃん、自分」と思えている。

★★★

離乳食の場合もそうだ。離乳食を始めるにあたって、日本・ドイツ・スペインの離乳食の情報を調べていた。

日本では、離乳食を手作りして冷凍保存しておく、という方法を取っている人が結構多かったのに対し、ドイツやスペインの離乳食では、市販品を使うのが主流だ。

ここでも、日本流の育児をしてると、大変なことになると思った私は、ドイツ・スペイン流にならい、市販品を最大限活用することになる。

★★★

国をまたいだ、良いとこどり育児というのは、肩肘を張りすぎない育児とも言える。一つの方法にこだわってしまうと、ただでさえ大変な育児が、さらに大変になってしまう。

私の場合、色々な国の育児方法に触れることができるため、良いところ、つまり、楽な方法を選べている。

日本で日本流の育児をしているお父さん・お母さんにも、その育児の慣習は、大変で労力を必要とするけれども、世界的にみたら、他にもっと楽できる方法もあるよーってことを知ってほしいな、と思う。

沐浴を毎日させなくても、離乳食を手作りしなくても、赤ちゃんはちゃんと育っていく、はずだから。


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