赤ちゃん用オープンカー
乳児である息子との毎日の日課。それは、30分の散歩だ。
まだ喋ることができない0歳児の息子と24時間ずっと家にいるのは息がつまりそうになるし、息子に何より外の新鮮な空気に触れて欲しいと思って。
余談だが、現在の住居のエレベーターは、何故か2階部分が起点なので、2階に住む私は、毎日外出の度にベビーカーを折りたたみ、階段を使って上げ下げしている。今まで一度も定期的にジムに通ったことはない私。毎日ベビーカー上げ下げで筋トレ中である。
まだ6ヶ月になっていない息子。散歩中は、いつも横になってベビーカーの天井を見ている。どのくらい、外の風景が見えているのだろうか。
ベビーカーに乗っていた頃の記憶は私にはもうすでにないので、ベビーカーからどんな風景が見えるのかはわからないのだけれど。
新生児用ベビーカーは、赤ちゃんに直射日光が当たらないように覆いかぶさるようにして屋根が設計されているので、中からは、あまり外が見えないのではないか。
そう思って、ちょっと冒険してみることにした。
日陰になっている道路で、日よけ閉めて、ベビーカーを全開に。オープンカーで、屋根を開放するのと同じように、だ。
一気にベビーカーから見える風景が広がり、息子は顔を左右にふり、キョロキョロ周りを見渡している。目には、輝きが灯った。少女漫画に出てくる登場人物の目のように、もうキラッキラだ。
彼の目には、外の世界がどのように映っているのだろう。何を見て感じているのだろう。彼の表情を見ているだけで、もう私はお腹いっぱい。この彼の顔で、私のベビーカー上げ下げ筋トレの労力は一気に報われた。
ベビーカーの屋根を開ければ、ベビーカーは一気にオープンカーに早変わりする。赤ちゃんに、より広い世界を見てもらうには最高の(乳母)車だ。
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