引き篭もりがぶっつけ本番でフルマラソン走ってみた話
ぶっつけ本番でもいけるのでは?
家に引き籠り、パソコンと向き合って1ヶ月が経過した頃。私はふと思いました。
「今の状態でフルマラソン走ったらどうなるんだろう?」
「フルマラソンの後の温泉気持ちよさそうじゃね?」
ただの好奇心だったのです。その先で地獄を見ることも知らずに...
当時の私は春休み中の大学生。元々はアクティブに外に出たり運動したりする人間です。ですが、ひょんなことから小説が書きたくなり、引き篭もり始めてしまいました。そのまま1ヶ月が経過しようとしていたある日のこと。
思い立って2日後に、フルマラソンを走ることになりました。
10キロ以上を走ったのは、人生で一度だけ。それも10年前のこと。そんな状態でどうして走ろうと思ったのか?
結論は究極のマッチポンプを体感したかった。
私は元々、山登り後の温泉が大好きでした。極限まで疲れた後の温泉はどんだけ気持ちがいいのか。本当にそれだけです。そのため、ちょうど温泉がゴールになるコースを選定して走ることになりました。ルートを詳細に語ると家バレしてしまうので(もう引っ越していますが)ゴールだけ。
ゴールは神奈川県の相模湖にある「相模湖温泉うるり」
西東京を横断して山梨寸前まで向かおうというルートを走ることに。西東京は山と坂が多いので少し不安でしたが仕方がありません。
走るまでは楽観的に捉えていたので、ワクワクしながら眠りにつくことに。当日は小雨が降り頻るあいにくの空模様。最低限の着替えをナップザックに詰めて、走り始めました。
果たして完走できるのでしょうか。
いざ42.195キロ(43キロ)
〜10キロは正直余裕でした。
この日のために音楽プレイリストを仕込んでいたので、好きな曲に元気をもらいながら走りました。気づけば10キロが経過。
「これ余裕じゃね?」
最初はね笑。あっという間の4分の1でしたので、そう思ってしまうのです。
15キロ〜から...
「あれ? 腿と膝が痛いぞ?」
徐々に足に痛みが生じ始めます。この先は未開の地であり、体もびっくりしたのでしょう。ペースも遅くなってしまい、一時間換算で稼いだ距離が11キロ→8キロに減ってしまいました。
この辺りから予定が狂ってきます。
20キロ〜になると...
「あれ? 全く足が動かない」
完全に筋繊維が破壊されている事が伝わってきます。全く足が動かなくなり、一時間で5キロしか稼げなくなりました。
足の感覚が消え、ただ無意識に足を動かしました。しかも、徐々に山間に突入していくため坂が多い。温泉に近づいているはずなのに、ゴールが遠のいている感覚がしました。
30キロ〜42.195キロ
この辺からゴールが脳裏に浮かび上がってきます。なんとペースは元に戻り、一時間で8キロまで回復しました。これには自分でも驚いていたのですが、最後の7.8キロは完全に力尽きて一時間で4キロペース。ほぼ歩きです。
何度も立ち止まろうとしました。でも、ここまで来ると意固地になってしまい、数ミリでもいいから足を進めました。
最後の2キロは完全に足が死んでしまい、徒歩となりましたが、無事にゴール
目標の六時間ギリを達成して、大満足のフルマラソンとなりました。
走ってみた結果と感想
結論:最低でも20キロは一度走っておきましょう。
正直20キロを越えると、疲労度や体の痛みはほとんど一緒。一度くらい20キロを走っておくといいと思います。私のように本当にぶっつけだと足が死にます。
また、ゴール後は、足が上がらなくなってペンギン歩きになってしまいました。どんなにきつくても進み続けることは重要だと思います。立ち止まったら最後。そう思っておいた方がいいかも。
【体の事後経過】
・筋肉痛は1週間もかからずにとれた。案外なんとかなる。
・足裏の皮がボロボロになる。2か月経っても、後遺症があった。
・体が熱くて、眠たいのに目が開く。
特に足の裏は気を付けてください。私の場合は雨のせいかもしれませんが。
【究極のマッチポンプは?】
温泉は最高でした。人生で一番長く湯舟に浸かっていました。ただ、達成感はあったものの、足が痛すぎて…。幸せを感じたかと言われれば「うーん」という回答になってしまいますね。
マッチポンプは適度なものに。
これも今回学んだ教訓です。
今回の経験は、私の思い出に刻まれました。「これよりきついことはない」と糧にして人生を歩もうと思います。ありがとうございました。
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