育てられたように、育ててる

11歳の姪がいる。

実家の初孫で、私にとっても初めての姪。近くに暮らしていたこともあって、6割娘、4割妹みたいな関係だ。

生まれてこのかた、ずっと可愛い。

10年間叔母をしていた私に娘が生まれるにあたって、少し寂しい思いをしてたようだけど、娘のこともとても可愛がってくれている。10歳差の従姉妹、姪が娘を愛でている様子は、見ていて人生のご褒美かなと思うほど、幸せな気持ちになる。

そんな姪と先日実家でごろごろしているとき、顔をなでなでしていたらなんとなしに「可愛いねぇ。眉毛も目も鼻も口もほっぺも、全部可愛いね」と口に出た。小学5年生、すっかりお姉さんになった姪に対しては少し子供っぽい言葉がけのような気がしていたら、案の定姪はふふっと笑って、照れたような、半ば呆れたような口調で「ママも同じこと言う。」と返してきて、笑ってしまった。

姉も、同じこと言ってるのか。

娘と暮らす中で、「これ姉の口調だ…」と思うことはよくあるけど、姉が先の台詞を姪甥にかけていたのを見た記憶はなく、でも言われてみればとても言ってそうだと思った。

そしてこんな直接的な愛情表現の言葉は、元をたどると我々の母が最も言ってそうな言葉だった。私も姉も、同じような言葉を沢山浴びて育ってきた。そのひとつひとつを思い出せるわけではないけど、それは確かに私の中で蓄積されていて、それを今、私は娘や姪に返していっているのだなと思った。

育てたように子は育つ、とか、育てたようには育たない、とか、きっとどちらも一理あるのだろう。母になって一年半、まだ子育ての何たるやを語るほどでもない新米の私は今のところとりあえず、育てられたように育ててるなぁと、感じている。

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