わたしのスタイル
「皆さんは、感情はどこに現れると思いますか?」
中学生時代、剣道部の大会とか練習試合とかの
主催者か協賛かなんかよくわかんない人達の
ありがた〜いお話タイムの内のひとり。
若そうな男の人がそう言った。
別段、生徒たちからの答えを必要とする場ではなかったので
「僕は、手のひらに現れると思います」
話はそう続いたが、
そのあとどんな話をしていたかはもう覚えていない。そういう考え方もあるのか、と14〜15歳の私がぼんやり思った
ただ、20年近く経った今でもその言葉がふと頭をよぎる瞬間がある
それは決まって写真を撮っている時なのである
劇団に所属してそろそろ1年と4ヶ月
公演の写真を撮らせてもらう機会が増えてきた
自分のセンスと感性に任せてシャッターを切る、のだけど
その時に
「感情は手のひらに現れる」という言葉が頭を過ぎるのだ
舞台の写真だから、全体や表情が大切なのはもちろんだけど
その手や腕や足…
体の一部に込められた感情を切り取る
感情が宿るのは手のひらだけじゃないけど、
私の写真のスタイルを確立させているのは
紛れもなく私の中学生時代、あの場で話していた男の人なのだなぁとぼんやり思うのでした。
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