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【読書記録】福田萌子さん「なりたい自分」になるシンプルなルール」

福田萌子さんを知ったのは、おそらく多くの人と同じくバチェロレッテジャパンの予告だった。
もともとバチェラーシリーズの大ファンだった私は、日本で初めてのバチェロレッテの制作を楽しみにしつつも、どんな風になるのか懐疑的だった。

始まってみるとそんな心配は杞憂で、天真爛漫でパワフルな萌子さんの人柄に魅了され、萌子さんと17人の男性の旅を時には涙しながら見守った。

バチェラーを観ていると、いつもは選ばれる側で推しができていたけれど(ちなみにシーズン1の推しは松永ゆり子さん、2は岡田茉里乃さん、小口那奈子さん、3は高田汐美さん、4は休井美郷さん)

バチェロレッテ1での推しはぶっちぎりで萌子さんだった。
さながらカウンセラーのような男性との対峙シーンは勉強になる点も多かった。

そんな萌子さんが本を出されるということで、読むしかないなと思って手に取った。

この本では題名の通り、「なりたい自分」になるためのルール12個が章タイトルになっている。一部を紹介すると

  • まず自分のことを知り尽くす

  • ありのままの自分を認める

  • 自分の機嫌を取る

  • 毎日のルーティンが心を安定させる

などなど。

全体を通して、萌子さんは努力によって「なりたい自分」に近づいていったんだなぁというところが新鮮だった。萌子さんは元から萌子さんなんだと思っていた。

いわゆる"実家が太い"中で愛されて生まれ育って、そこが自己肯定感の源で、性格のまっすぐさの根源で、到底自分が後天的に得られないものだなぁと羨ましく思っていた。

でも実際は、彼女も10代、20代前半のころは女子グループにありがちな悪口に悩んだり、モラハラっぽいパートナーに心酔したこともあったということを知った。

悩んで、悩んで考えた過去があるからこそ、私が魅了された深みのある対話が出来るんだなということに気が付いた。

(とはいえ、日々生きることに必死な人も多い世の中、「なりたい自分」について考えられることがもうすでに恵まれているということ、裕福なバックグラウンドも多分に彼女の人格形成に影響していると思うけれど。)

特に私の心に残った一節は、所属していたモデル事務所の社長から「ハングリー精神が足りない!」と叱責されて「ハングリー精神がない私はダメ人間だ」と思い詰めてしまった10代のころの萌子さんに彼女のお父様が掛けた言葉。

「ハングリー精神は、今日、食べるにはどうすればいいか、悩まざるを得ないような境遇から生まれる精神の強さです。萌子ちゃんには、そういう経験はないでしょう?それなのにハングリー精神云々と言うのは、本当に厳しい環境にいる人に対して失礼ですよ。」

福田萌子「「なりたい自分」になるルール」Rule7 挫折を自分の「出発点」にする より

1つのコミュニティに属していると、そこの価値観に合わない=ダメと思い込んでしまうことは往々にしてあると思う。

わたしが新卒で入社した会社はいわゆる体育会系ブラック企業だった。
どちらかと器用貧乏でイマイチやる気がないように見られてしまうわたしは、苦労人だった(自分で言ってた)同期と比べられて「もっと頑張れ」と言われていた。

なんであの子みたいに必死にできないんだろう、いや私なりに必死にやってるのに何で伝わらないんだろうと当時の私はとても辛かった。

でも"ハングリー精神"はすべての人が持っていないといけないわけではないし、そこで求められる特性がないからと言って「ダメ」なわけではない。ありのままの自分の良さがある。そんなことを新卒の私に伝えてあげたいなと思った。

私も萌子さんと同じく10代20代のころに比べると考えも変わって大分生きやすくなってきたと思うけれど、「なりたい自分」ってどんな自分なのか考えてそこに近づいて行けたらなと思った。


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