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くたくたになっていた1年半の話をします

おひさしぶりです! 
革小物ブランドÀ la main-アラマン-です☺︎

重々しいタイトルですが、コロナ禍になってからのわたしたちの話をするので、気軽に目を通してください^^

これからという時にコロナ禍の大打撃

私たちは大学を卒業して1年ほど経ち、たまに東京に向かって出店をしたり、オーダーメイド品をお作りしたりしながら、必死に頑張っていました。

そんな2020年はじめにちょろちょろ「コロナ」というワードを聞くようになり、まあ海外の話だろうけど、日本に広がったら嫌だな〜くらいに思っていました。

それがあれよあれよと広がって、こんなことになってしまいましたね。
2020年3月に予定していた結婚式を中止し、革の海外からの輸入がストップしてしまい、出店が軒並みなくなり、かなり気持ちが落ち込んでいました。

本当にみんな、よく頑張ってきましたよねえ。
もうすぐ終わるでしょって思いながら、気づいたらこんな長期戦になってしまいましたね。

この約1年半くらい、みんなしんどかったんんじゃないかなーと思います。

生活が激変、なかなか上手くいかない副業

コロナの影響を大きく受けて、前の記事で夫がソファの会社でお仕事をさせてもらうことになったことをお伝えしました。
家具作りは革仕事と同じところも、違うからこそ面白いところもあるようで、一生懸命がんばってくれています^^

自営業者から正社員になり生活は一変。
会社が副業をOKしてくれているので、夫はアラマンの仕事を副業として続けていましたが、慣れない新生活の中でこれまで通りアラマンの仕事をやっていくことは難しく、もどかしさを毎日感じているようでした。

そして、わたしは2020年末に妊娠が分かり、つわりや心身の不調からアラマンの仕事に力を注ぎ込むことができず、やりたい気持ちもあるのにアラマンの仕事から遠ざかっていく不甲斐なさを感じていました。

夫婦ふたり揃ってアラマンの仕事が全然うまくできず、ふたりでぶつかることも。新しい仕事に恵まれ、子供を授かってしあわせなはずなのに、なんだかふたりとも上手くいかない空回りを繰り返していました。

とてもとても思い悩んでいたことがあります

コロナ禍で落ち込んでいたこともあり、わたしは一時期、革から目を背けていたことがあります。

みなさんは、少し前にヴィーガンブームが来ていたことをご存知でしょうか?いろんなお店が動物性食品を使わない商品を展開し、ほぼ毎日テレビでも取り上げられていました。

ここからは私の考えすぎかもしれません。
しかも、私は妊娠中だったのでメンタルが不安定だったことも関係があると思います。なので、「ああ、そんなことを思ったこともあったのね!」くらいで読んでいただけると嬉しいです。

毎日のようにヴィーガン食品が取り上げられているのを見ました(妊娠中ひまでテレビを見たりネットを見ていることが多かった)。
食用の動物を育てることで引き起こされる環境汚染を減らすことが主な目的だそうで、私はそのことを全然知りませんでした。

環境を守るために少しでも行動できるのはいいなと思って、実際に我が家もソイミート料理をしてみたこともありました。

SDGsに関心があったこともあって、ヴィーガンについて調べているうちに出てきたのが「動物がかわいそう」の声。
この声の多くに、食品はもちろん革製品も含まれていたでしょう。

「検索魔」という言葉がありますが、そこからの私はまさにそれ。

動物がかわいそう、肉やレザーを扱うなんてひどい、といった声が多く見られて、中には、ひとでなしだ悪魔だ、とか、もっとひどい書き込みも見つけました。

そこでネットから離れればよかったんですよね。そうわかっているんですが、ぼんやりと見続けてしまい、たくさんのレザーに関する批判の声を見つけ、思い悩みました。

一般的に多く使用されている革は、食用牛の副産物です。
しかし、批判の声を理解することはできます。

なぜなら、気持ちはわかるからです。
ハラコと呼ばれる子牛のレザーがあります。柔らかさときめ細やかさが人気で多くのブランドで使用されており、死産したり出産前に命を落としてしまった子牛の皮が使われることが多いですが、わたしたちは一切使用しないと決めています。その理由のひとつに「かわいそうと感じるから」があります。

そうなんですよ、わかるんですよ。動物性のものを見て、かわいそうだと思う気持ちが。
だから、レザーにNOを唱える人たちのことを否定しないぞと思いました。

じゃあ、どうする?

ずっとずっとずっと「私たちは悪人なのか?」「革製品の文化は無くなるべきなのか?」とぐるぐる考え、わからなくなり、混乱し、考えることを放棄して、ふとした時に思い出してまた悩みました。

その頃から、夫婦で革小物のブランドをやっていますと胸を張って言えなくなりました。この人はどう思うだろう、命を侮辱していると思うのだろうか、ひどい人たちだと内心思っているんじゃないかってことばかり気になりました。

革のお仕事の話をもらっても上手く対応できないこともあり、本当に申し訳ない気持ちでいっぱいでした。情けなかったです。

ポリシーを持つということ

だからなんだと言われてしまうかもしれませんが、オーダーメイドの製品をお渡ししたときに「生きててよかった」と言ってもらえたことがあります。
そうやって喜んでもらえて本当に本当に嬉しかったです。

そして、大量生産大量消費にNOを唱えたくて、オーダーメイドにこだわっています。メンテナンスもお受けして、長く愛用できるものをお届けしたいと考えています。

無駄にしないよう必要以上の在庫を持たないようにしています。また、ファスナーなどの金属はその部分から壊れやすいため、金属はなるべく少なく作れるようにデザインしています。

ほとんどの革に取り入れられている金属を使ったなめし方法は、革が産業廃棄物になる上に廃棄時に二酸化炭素を排出するため、わたしたちは植物由来の材料を使ったなめし方法を経た革を使っています。

今回、思い悩んでみて、すごく考えるきっかけになって、わたしたちはわたしたちなりのポリシーをもっているのだと気づきました。
みんながみんな、自分のポリシーをもっているっていいことですよね。

わたしたちは自分たちの仕事に誇りを持ちたいです。

わたしも夫も不器用で難しいことはあまり上手くできないのですが、長く愛用できるサステナブルな製品をつくり、材料のルーツをしっかり知って、この立場だから伝えられることを発信して、大切にしたいことを忘れずに、これからも誠実に革仕事をしていこうと思います。

くたくただけど、しあわせに過ごしています

そんなこんなでコロナ禍の間、気持ちが落ちることも多くありました。
それでも、今年7月に娘が産まれ、もうかわいくて仕方なくて、毎日しあわせに過ごしています。

革を扱っていく上で、いつか娘に命の話をする時がくるでしょう。
そのときは、娘の意思も尊重しながら、しっかり話し合えたらと思います。

思った以上にコロナが長引いていい加減疲れちゃいますよねえ。
嫌な気持ちになることもしんどいこともあると思いますが、ご自愛していきましょう^^

わたしたちもこれから、気を引き締め直して革仕事をしていくので、今後もどうぞよろしくお願いいたします!


それでは、また(^O^)



À la main-アラマン-







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