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どこかへ旅したときのこと

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たまに旅にでます。
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#旅エッセイ

サントリーニ島の小さな本屋さん

「小さな本屋さん」という心地の良い響き。 店先に掲げられる「猫の貸出、5ユーロ」の斬新さ。 ぎっしりと本が並べられた掘っ立て小屋。 サントリーニ島にある「Atlantis Books」が可愛かったよ。 店内中、言葉であふれていてそのひとつひとつ読んでいるだけでもなんだかじんわり。 日本から遠く離れた場所でも見慣れた名作たちが並んでいて、こないだ読んだ「老人と海」もあったっけ。 古書も売っているようで、装丁とかを見てるだけで楽しかった。 デジタル化で失われつつあるけど「装丁

忘れられない「はじめて」のこと

10代最後の夏だった。 あのときはきっと、強くなりたくて、どこへでも行ける自由がほしかった。 もう、今は戻ることができない、もう二度と経験できないはじめての一人旅の話。 組んだ予定はマレー半島の縦断。シンガポールから北上してマレーシア、タイを旅することにした。なぜだったかはもう忘れてしまったけど、なんとなく縦断とかそういう響きが好きだった。ゲストハウスに泊まって世界を旅する旅人と出会って、楽しくわいわい過ごすことを思い描いていた。 シンガポールは友達と一緒に4人で旅をし