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どこかへ旅したときのこと

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たまに旅にでます。
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#エッセイ

秋のはじまり、ポルトの夕暮れ

今日から10月。 旅を振り返ってみたり、日本に帰ったら〇〇を、とか いつかヨーロッパに長期滞在するならどういう風に、とか いろいろぐるぐると考えを巡らせていた。 振り返ると、この旅はよく寝てよく食べてよく歩いて、ヘルシーに楽しんでいる。なんならちゃんと歩いているので普段の生活よりもヘルシーかもしれない…。 「あんたブレイブあるわね!」と何人もの人に言われたが、夜はほとんど出歩いていないし…。このまま帰るまで大きなハプニングありませんように。 そして、すこし俯瞰してみると、

彩雲を見た日

苦味のないグリーンティーで暖をとっていた マンダリンオレンジを食べた手はベタついて 座れるか座れないかほどの小さなバルコニーから 街並みを、空を眺めていた 坂を登って振り返れば光きらめく川、橙色の瓦屋根 ありあまる美しい風景に、美しさが何であるかもわからなくなる 海鳥が羽をつくろっていつまでも煙突にとまっている 鳥たちから見える世界はどんなだろうと想像する 人間のことなんて対して気にもせず、鳥は鳥のことばかり考えているか 実は私のような旅人を視界にいれているのかはわから

わたしたちは違うけれど、同じ

また今日もどこか港町で出かけようかと思っていたけど外はまあまあ強い雨。デンマークは本格的に秋になったもよう。 ということでバスと電車を乗り継いで別の港町へ行くのはやめた。 滞在先のアンがOdense(オーデンセ)のまちなかへ行こう!と誘ってくれたので行くことに。 今回3日間お世話になったアンファミリーは、この夏の3ヶ月を陸前高田の広田で過ごした。なんとニッチな体験だろうか。 アンとトーマス夫妻に、3人の子供。5人家族で広田にやってきて何だかんだと色んなことに参加したみたい

冬を待つテラス

今日はデンマークの片田舎にある Kerteminde(ケルテミンデ)という小さな港町へ散歩に。 ところで、ヨーロッパのまちを歩いたことがある人ならわかるかもしれない。 人々はテラス席に座ることが本当に大好きだ。 多少の風がふいても、ときには雨がふっても、どちらかというとテラス席を好む。そして、テラスがある店を選ぶ。 テラス席がストリートに及んでいることで、それぞれの時間が街並みと風景になっている。 それは日本で育った自分の目線から見れば、お祭りのようなのでまちを歩くのは

そこに橋をかけたなら

デンマークのコペンハーゲンとスウェーデンのマルメ(Malmo)をつなぐ橋、「Öresund Bridge(オースレン・リンク)」。 16kmほどの海峡をつなぐ橋と道路(一部は海底を通るトンネル)で、2000年に完成したそうだ。 橋が完成してから街の様子は大きく変わったという。特にマルメはスウェーデンの南端に近く、ストックホルムまではけっこうな距離があるから、海外への交通網も、色んなものがコペンハーゲンのほうが近いという地理にある。 この橋を渡った通勤をする人が増え、買い物

忘れられない「はじめて」のこと

10代最後の夏だった。 あのときはきっと、強くなりたくて、どこへでも行ける自由がほしかった。 もう、今は戻ることができない、もう二度と経験できないはじめての一人旅の話。 組んだ予定はマレー半島の縦断。シンガポールから北上してマレーシア、タイを旅することにした。なぜだったかはもう忘れてしまったけど、なんとなく縦断とかそういう響きが好きだった。ゲストハウスに泊まって世界を旅する旅人と出会って、楽しくわいわい過ごすことを思い描いていた。 シンガポールは友達と一緒に4人で旅をし