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冬を待つテラス

今日はデンマークの片田舎にある Kerteminde(ケルテミンデ)という小さな港町へ散歩に。

スカイブルーに塗られた船が曇り空に映える

ところで、ヨーロッパのまちを歩いたことがある人ならわかるかもしれない。

人々はテラス席に座ることが本当に大好きだ。
多少の風がふいても、ときには雨がふっても、どちらかというとテラス席を好む。そして、テラスがある店を選ぶ。

テラス席がストリートに及んでいることで、それぞれの時間が街並みと風景になっている。
それは日本で育った自分の目線から見れば、お祭りのようなのでまちを歩くのはとても楽しい。彼らがどんな顔をしてなにを食べているのか、歩いているだけで見えるのが面白い。

そして日差しを受ける人々の顔はビタミンにあふれて、なんだかぴちぴちしているようにまで見える。テラスに座って本を読んでいる人なんて、たぶん実際よりも何もかもが“良く”見える。頭よさそう、おしゃれ、きもちよさそう。
屋外ってだけなんだけど。

ところが今日は雨も降って風も冷たく、テラス席はがらんどう。
テラスなんて見向きもせず、中であたたかい飲み物を飲んでいる。

もうまもなく冬がくるのだ。誰もいなくなったテラス席は寂しげで、これがこっちでいう季節が変わる実感なのかも、と勝手に腑に落ちる。

今度は外にストーブを出して、ブランケットを膝にかけながらテラスに座る族もあらわれるはずだけどね。そのころにはクリスマスを待ちわびる灯りでいっぱいになってるのだろうな。


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