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【#001】十三機兵防衛圏【ゲーム備忘録】

十三機兵防衛圏

短評
のめりこむようにゲームする感覚を子供の頃ぶりに引き起こされた。
シナリオとゲーム設計が巧妙で、もっと知りたい、もっと理解したいと思う間にゲームをクリアし、クリア後にアーカイブパートを読み込んでようやく全容を理解できた。
読む、考えるなどでプレイ自体の負荷強度は大きいが、圧倒的な満足感は忘れられない。

ジャンルはジュヴナイル群像劇本格SFアドベンチャー。
1945年、1965年、1985年、2005年、2025年の5つの年代に住む13人の高校生たちが、地球にやってくる外敵に抗うため機兵に乗って戦う。
なぜ外敵はやってくるのか?なぜ少年少女は戦うのか?謎が謎を呼ぶ展開の中で、少年少女らが下す決断を見届ける。

システムとしては、ノベルアドベンチャーパートとロボットバトルシミュレーションの2つのパートから成るのが特徴。

アドベンチャーパートでは、13人のキャラクターの物語を平行して読み進めていくオムニバス形式がとられている(428-封鎖された渋谷で- に類似)。あるキャラクターは1985年に生きる平凡な高校生、あるキャラクターは1945年に生きる、祖国のために戦争を生きる高校生、あるキャラクターは2025年に生きる、記憶喪失ながら謎の組織から逃げ続ける高校生...
バックグラウンドが違いすぎる物語は、そのつながりを感じられないながらも一つ一つにのめりこんでいく。
そうして幾人かのストーリーを読み進めていくとロックがかかり、強制的にロボットバトルシミュレーションパートを進めることを余儀なくされる。もっとストーリー読みたいのに。

…と思いながらしぶしぶ始めたシミュレーションパートでは、なんと別々の物語を生きていたはずのキャラクターたちが集結し、「機兵」というロボットに乗って外敵と戦う。
「なんでこいつとこいつが仲良いの?」
「なんでこいつ戦ってんの?」
「なんで当たり前のようにロボット動かしてんの???」
ストーリーのネタバレをするかのように共闘する13人を見て、その未来へとつながる物語を読みにアドベンチャーパートへ戻る...

とまあ、なんともよくできたゲームデザインで、するするとゲームが進行していく。
「13人も出てきて、そんなに舞台が複雑で、誰が誰だかわかんないよ!」となってしまうことも見越してか、第三のパート”アーカイブパート”では、それまで明らかになった登場人物の情報や、人物ごとの出来事一覧、また登場した単語のTipsなど、ありとあらゆるデータがまとめられており、攻略サイトなどに頼らずとも再理解できる。
ゲームとして完結しており、これ以上ない満足感を得られた。

このゲームにはまりすぎた結果、設定資料集などを初めて買ってしまった。「これが...お布施...」

そんなゲーム。

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