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カナダ留学日記82 ジムで考えたこと

なんと私が通っているカレッジには、ジムがある。しかも学生は無料で使える。
日本にいた頃、確か一瞬だけジムに通ったことがある。新装オープンのジムが1ヶ月無料体験サービスをやっていたので、1ヶ月だけ通って1ヶ月後にきっちり辞めたのだった。私がジムでできることは、ランニングマシーンでハムスターみたいにひたすら走るだけである。それかスイミング。筋トレ用のマシーンはほとんど使ったことがない。使い方がわからないし、使い方がわからないでオロオロしているところを他の利用者に見られたくないからである。
そういう訳で、私はジムがそんなに好きではない。

今でこそなんでもやってみよう!のスタンスで生きている私だが、「使い方がわからない」という壁にはものすごく弱い。

子供の頃。私はスイミングスクールに通っていた。確か小学1年生だ。私は自転車で通っていた。レッスンを終えてロビーに出ると、大体お迎えにきた親が「がんばったね〜」と子供にジュースやらアイスやらを買ってあげている光景が目に入る。私は食いしん坊なのでこれがとても羨ましかった。ある日、親に、今度のレッスンの後にジュースを買いたいからお金をくれと頼んで100円をもらった。小学1年生にとっては大金である。次の週、濡れた髪をタオルに包んで、ワクワクしながら自販機にお金を入れた。受け取り口に紙コップが落ちてきた。私はそれを手に取る。あれ?中身が入ってないな。どうやってジュースを入れるんだ?直後、機械音が聞こえ、ものすごい勢いでジュースが先ほど紙コップが置いてあった場所目掛けて注がれた。紙コップは私が持っているので、当然全てのジュースはそのまま流れ去った。私は唖然とした。何が起きたのかわからなくて、もう一度紙コップを元の位置に戻した。もちろん何も起こらなかった。私の手に空っぽの紙コップだけが残った。中身が注がれるまで待ってなければいけなかったのだ。今なら当然わかる。初めて使う機械でも、使い方を推測できる。でも当時の私には「初めて使う機械」のことはわからなかったのだ。昔から「鈍臭い」と言われてきたが、まさにそれである。他の人に見られてなかったことが幸いだ。見られていたらすごく恥ずかしかっただろう。
この時の「失敗」の記憶が今でも私を苦しめる。
いつも「初めてのこと」に対する恐怖を抱いて生きてきた。
何かを始めようとするとき、真っ先に「失敗」が浮かぶ。
「失敗するくらいなら、やらない」がモットーだった。
どうしてもやらなきゃいけないことだけ根性でなんとかしてきた。
そうやってたら「生きてても張り合いがない」人生になってしまったので、今はもうちょっと「やりたい」と思ったことに挑戦するようになった。

コンビニで、コーヒーやらフラペチーノみたいなのを飲むやつ。いつも美味しそうだな、いいな、と思っていた。でもあれは自分でマシーンを操作したり、店員さんからもらったコインを使ったりしなくてはいけない。せっかく商品を買ったのに、マシーンの使い方がわからなくて無駄にしてしまったらやだな・・・その無様な姿を他のお客さんに見られたらやだな・・・という思いが邪魔をして、私は長年「飲まない」という選択をしてきた。
2023年7月。今年の夏だ。記念すべき瞬間である。私はリゾートバイト先に併設していたコンビニで、初めてマシーンを使って飲むタイプのフラペチーノを買った。店員さんに「どうやって飲めばいいんですか?」が聞けた。店員さんがマシーンを操作して、やり方を教えてくれた。フラペチーノはとても美味しかった。私の中で大きな一歩であった。
どうしてもっと早く人に頼らなかったのだろうか。



時は流れて先週の月曜日。授業を終えた私は家に帰ろうとした。するとクラスメイトのTちゃんがこれからジムに行くという。

私「ジムって学生は無料で使えるんだっけ」
Tちゃん「そうだよ!設備もすごく良いよ!」
私「いいなあ!でも登録がめんどくさそうだな〜」
Tちゃん「一緒に行こうよ!教えてあげるよ」
私「でも着替えなくて…」
Tちゃん「アンビちゃん、ポロシャツにストレッチ生地のズボンじゃん。それでいけるよ。」

Tちゃんに感謝である。私はTちゃんのヘルプの元、無事に会員登録を終えてフリージムの開始を始めた。
ストレッチをし、とりあえずランニングマシーンを使った。それしか使い方がわからなかったので。でも、体を動かすと、すごく気分がよかった。

帰宅後、YOUTUBEでジムのマシーンの使い方の動画を見た。カナダのマシーンとは規格が違うものもあったが、大体同じ感じだった。

翌日、1人でジムに行き、動画の使い方を思い出しながらマシーンを試してみた。簡単に使えるマシーンもあれば、動かし方が全くわからないマシーンもあった。
でも、やってみただけ進歩であった。

また次の日。
講義が終わった後、Tちゃんに「今度、マシーンの使い方を教えてほしい」とお願いした。Tちゃんは快諾してくれて、翌日、2人で待ち合わせをしてジムに行った。Tちゃんがすごく丁寧に教えてくれて、初めてジムで筋トレができた。
改めて、「人に聞ける」って生きてく上で大切な資質だなと思う。
ジムで運動していると色々なことが頭をよぎる。

前置きが長くなりすぎてしまったが、そもそも「カレッジに無料のジムがついている」ということがすごい!ということが書きたかったのだ。日本にもそういうカレッジがあるのだろうか?それともカナダはジム文化が盛んだからだろうか?そういえば、カナダで出会った人の多くがジムに定期的に通っていた。語学学校の先生、生徒、イベントで出会った友達・・・
友達のLさんは新しいコンド(マンションみたいなの)に引っ越したが、設備として特定の階にジムと室内プールが備え付けられているので毎日運動ができるそうだ。せっかく私もジムを利用できる環境にいるのだから、使わない手はないな…と思ってできるだけ通うようにしている。
「せっかく高い授業料払ってるんだから」のスタンスで、カレッジ内のサービスを使いまくって元を取ろう!!ということで、できるだけいろんなことを利用しようと思う。

ところで、ジムではロッカーが利用できるのだが、鍵がついていない。みんなよく普通に荷物を置いて行けるな〜と思ったら、個人で持ち込んだ南京錠を使ってロックしている人もいた。というわけで私もお馴染みのDollaramaで鍵を買ってきた。2つで2ドルの小さくて安い鍵もあったのだが、なんか心配で1つ4ドルのものを購入した。翌日はその鍵を使ってロッカーを施錠することができ、安心してジムでのトレーニングに集中できた。

次の週。講義を終えてジムに行ったのだが・・・
なんと鍵が見当たらない。「絶対ここに入れた」のに!?と探しまくったが見つからない。
(ちなみに帰宅後も見つからず、1回しか使ってないのに・・・とガッカリしたのだが、今さっきこの記事を書いている途中に発見した。やはり、「絶対ここに入れた」場所にあった。なんなんだ!???なぜ見落とした!?私の目は信用できない。)

仕方ないのでその日はロッカーを施錠せず、トレーニングに向かった。
しかし、どうにも集中できない。
「もしも中にあるIpadを持って行かれてしまったら・・・」「流石にここのカレッジに来る人がロッカー荒らしをするわけないよな・・・」「しかし、保証はない・・・・」「盗難にあったら完全に私の落ち度になるし・・・」「きっと後悔するだろう・・・」「そういえば、リゾバしてた時の更衣室のロッカーで盗難事件があったよな・・・」
結局私は30分ほどでジムを切り上げ、帰宅することにした。
急いでロッカーに向かうと・・・・!!!!


なんと!

私の隣のロッカー!!!空きっぱなし!!!すごい!!!!なんてガサツ!!!!!!!びっくりして思わず写真を撮ってしまった。これ、私が盗みを働こうと思ったら普通に持ち去れるよな〜〜〜危ないな〜〜〜〜!!もしかして監視カメラでもついてるのか・・・?
私よりもガサツにロッカーを使ってる人もいるんだなあ・・・・・とちょっと和んだ。


とりあえず、鍵も見つかったし、明日も授業と授業の間が3時間くらいあるので、ジムで運動してこようと思う。

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