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カナダ留学日記100 突然住処を失う危機!?

その日は突然やってきた。バイトで疲れて寝落ちした私は、YちゃんからのLINEに気づかなかった。明け方、何だか急に目が覚めてLINEを開くと、Yちゃんからのメッセージが目に入った。
「大家さん引っ越すらしいよ」

え??なに???
Yちゃんが大家さんから受け取ったメールのスクショがある。

普通に読みづらくて「ハァ?」となる

意訳すると

長男の高校が変わって、通学時間がものすごく長くなるから、我々は今週新しい家に引っ越す。来月か今月末にその家は売る予定。新しい家主が見つかったら君たちが引き続き住めるように頼んでみるけど保証はできない。

ということだ。
私もYちゃんも唖然である。
というのも、このシェアハウスは大家さんからの要望である「1年以上住んでくれるできる人に貸します」という条件で借りたのだ。そっちから「長く住んでくれることが条件!」と言ってきたのに、3ヶ月もたたないうちに引っ越せだと??
これは釈然としない。ただ、我々は部屋を借りる時に契約書を交わしていない。私が日本にいら間にYちゃんに頼んで家探しをしてもらっていたので、その辺をきちんと話し合っていなかった。よって、大家さんにそっちの落ち度だから補償してよ!ということは言えないのである。
まあトロントのシェアハウスではこういうのはあるあるなので、仕方ない、と割り切るしかない。

が、問題がある。今月末に家を売る可能性があるのか??ということだ。

ちなみにこのメールを受け取ったのは11月18日。今月末に売る、というなら、我々はあと2週間弱で家を出なくてはいけないことになる。

ちなみにこの日は土曜日だ。大家さんの「今週引っ越すつもりだ」の今週は既に終わっている。大家さんたちは既に引っ越していたわけである。直接詳しく確認しようにも、いないのだからしようがない。というか、すでに引っ越してからメールを送ってきたわけである。引っ越すかも〜という話が出た時点で先に教えてもらうことはできなかったのか?謎だらけである。あまりにも常識がない。

ちなみに、Yちゃんの「直接話し合いたい」というメールに大家さんからの返信はしばらくなかった。

しかし、私は「まあこんなもんだろう」と思っていた。最初から丁寧さや正確性は期待していなかったので、オーナーが引っ越すというなら我々もどっか新しいとこ見つけて引っ越すしかないね〜くらいの気持ちであった。「これぞカナダだな」「ついに私の番が来てしまったか…(笑)」(今までにシェアハウスでトラブルになっている日本人の例を知っているので)と若干面白いな…と思っていた。

ただ、Yちゃんはかなり気落ちしていた。この家はYちゃんが探した所だから、ごめんね、と謝られた。いやいやいや!!?むしろ家探し押し付けてごめんね!!!!!と私も心底申し訳なく思った。面白いとか思ってる場合ではない。直ちに家探しをするしかない!2人でEメープルを見て、学校に通える範囲にあるシェアハウスに片っ端から連絡をした。

この時の話は次の記事に書こうと思う。

家探しを始めてしばらくして、大家さんからメールが帰ってきた。「明日の3時に行くからはなしをしよう」とのことだった。私もYちゃんも学校である。というか、そっちの落ち度なんだから、我々の都合の良い日を聞いて、そこに合わせて来いよ!とツッコミたいところだが、ここは日本ではないのである。それだけ。

2人で話し合って、「この日とこの日のこの時間帯が空いています。この中のどれかにしてください。」と返すと、そこからまた返信は無し。

この辺りになると、Yちゃんの大家さんに対する怒りがものすごかった。私はなぜか全然怒りが湧いてこなかったのだが、そのことがすごく申し訳なく思った。Yちゃんが中心となって大家さんとのやりとりをしてくれているので、そこに負担がかかっているから、私よりもストレスがたまるのは当たり前である。せめて家探しは率先してやろう!と思った。

しばらくして大家さんからメールが来た。
「新しく引っ越した先の家にお坊さんが来るから、あなたたちが使っているベッドのマットレスを回収させてくれ。明日の朝に回収にいくから(我々は学校に行ってる)、寝室から出しておいてくれ。代わりのマットレスは置いていくから」ということであった。話し合いの前にマットレス!?と呆れたが、ここは日本ではないのである!!!

ちなみに、その後、大家さんが直接説明に来ることがあった。確か朝の7時ごろだ。連絡もなしに突然である。いや・・・!!前日に言っといて!!!
私は眠っていた。Yちゃんは仕事に行く準備をしていた。
キッチンで誰かが話している声が聞こえて目が覚める。うとうとしていると、その声はYちゃんと大家さんだということに気がつく。Yちゃんの声が果てしなく低い。かなり怒っているのがわかる。慌てて起きて、パジャマのまま話し合いに割り込んだ。

大家さんの話は「家は12月中は売らないから、その間は住んでていい。今回の急な引越しの話は申し訳ない。ただ、息子の高校がどうしても彼に合わなくて、やむをえず転校することにした。私たちが今住んでいる新しい家にもベースメントがあるから、(ここからかなり遠くなるが)そこを貸すこともできる。」というものだった。

子どもが学校でいじめられている?ような雰囲気を受けたので、それなら仕方ないよな…と思った。家族の平和を第一優先にするのは大切なことである。ただ、我々に対する誠意がなさすぎただけなのである。謝ってくれたし、申し訳なさそうにしてくれたし、まあ、いいか…と思った。カナダだし。
怒っても泣いてもどっちにしろ結果が変わるわけじゃないんだから、受け流してこ〜〜〜〜という気持ちだった。

ただ、Yちゃんが真剣に怒っているのに私がヘラヘラしながらオッケーオッケー言うわけにもいかないので、オッケー、アイシー…くらいのテンションにしておいた。

「怒る」というのは大切なことである。自分を守ることである。自分を尊重することである。不当な扱いをされているのに「怒るのが面倒くさいからまあいいや〜」で目を逸らして流してしまう私は、自分にも相手にも誠実ではない。これはよくないなぁと思う。

自分も怒りがあるが、もっと怒っている人がいると逆に冷静になってしまう人間の心理

確か、人間がショックな出来事(告知など)を受け入れる過程を表した「受容の5段階」というものがあった。「否認」「怒り」「取引」「抑うつ」を経て「受容」に至るのだ。我々は「否認」「怒り」「取引」まできたから、次は鬱がやってくるよ〜〜!!頑張って耐えようね〜〜〜!と笑った。


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