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【オススメゆに映画まとめ】#3 ネバーランド/ソニはご機嫌ななめ/ジョゼと虎と魚たち /mommy/エンドレス・ポエトリー【あらすじ・レビュー】

✐第三週目まとめ

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オススメ映画5作品のまとめ
基本情報・あらすじ・レビュー


ネバーランド(2004)

監督 マーク・フォースター
100分
イギリス


あらすじ

ジェームズ・バリが、「ピーター・パン」のモデルとなった少年と出会い、その物語を完成させるまでを描いた、実話に基づく感動の人間ドラマ。
ロンドンの劇場で劇作家のジェームズ・バリ(ジョニー・デップ)は新作の『リトル・メアリー』の初日を迎えていた。しかし、観客の反応は芳しくなく、翌日の新聞でも、酷評されてしまう。失意の中で日課の散歩に出かけるジェームズ・バリはそこで無邪気に遊んでいる子供を目にする。

レビュー

まだ観てない方は是非観てください。
「ピーターパン」の見方が広がります。
ただの犬のシーンで泣きます。

観たことあるよって方は、また思い出しませんか。

くまのプーさんもそうですけど、たった1人のために作ったものって、オンリーワンってナンバーワンになるんですね。

「優しいお兄さん」が「可哀想な家族」のために一肌脱いでハッピー。おしまい。

じゃないから、
ポスターにもなっている「ベンチのシーン」で爆泣きするんですけども…。

爆泣きとかね、感動とか、紹介で言うべきではないと思うのですが、もうこの際言いますと、ちょっと泣きたいわって方はこれを観て下さい…。もれなく信じる心とかもついてきます。
それほどに良いのです…。

少年のために「ピーターパン」という物語を作るこの劇作家も、ただの優しいお兄さんなわけではなく、この時代では、むしろロクデナシだったのかも知れません

良い行いをした素晴らしい正義の人だというには少し、この男も少年すぎる
ネバーランドの住人なんだなと思いました。
それを「男らしい」というのも、
自分勝手だというのも、
だからこそ作家、芸術家なのだというのも、
間違いではないんですよね。

見返りや損得勘定はなく、ただただ行った行動だった、というのがとても優しいことだったと思います。(定言命法)(言い過ぎ)

そんなスランプ男の成功秘話はこんなにも優しく、切なく、やるせなかったのか!ピーターパン!という映画。


filmarks
https://filmarks.com/movies/20524


ソニはご機嫌ななめ(2013)

監督 ホン・サンス
88分
韓国


あらすじ

大学卒業後、アメリカ留学を決意したソニ(チョン・ユミ)は、チェ・ドンヒョン教授(キム・サンジュン)に推薦状を書いてもらうため大学を訪れる。その帰り道、元恋人ムンス(イ・ソンギュン)と偶然出会った彼女は一緒に酒を飲むが、ムンスはソニに対して募らせてきた気持ちをさらけ出す。後日、ソニは大学へ推薦状を受け取りに行くものの、その内容に首をかしげる。

レビュー

私が初めて劇場で観たホン・サンス作品です。

謎のズームや、鬼の長回し
初めはビックリしますけど、
それを遥かに上回るセリフの面白さとキャラの情緒不安定があります。

情緒不安定というには仰々しいですね。
換言すると、羨ましいほどの感情の起伏

好きになる、怒る、泣く、笑う、疑問に思う理由等など、それらは人それぞれ。
ホン・サンス作品のキャラクター達は皆自由過ぎると言うか、ハイパー素直すぎます。
思ったことを思った時に言う
(もちろんそんなのばっかりでは無いです!)

要するにめっちゃ人間なんです
めっちゃ人間やってる。
そこに憧れるので私はホン・サンス作品が大好きです。

ソニのマドンナ感がとっても良い
男はみんな気になってしょうがない、虜にしちゃう感じは、そういう正直ならところからくるんじゃなかろうか…とも思ったり。
好きって言ってたのに5分後には飽きてる、それも本当のこと。
ソニのまわりの3人の男達はそういうのに振り回されたり、されなかったりするわけですね。

ろくでもない男達の口説き文句や会話も最高です!割とリアルでふふふってなります。

なんだか憎めない4人の可愛い3種類のデートロケ映画。

初ホン・サンスにオススメです。


filmarks
https://filmarks.com/movies/58482


ジョゼと虎と魚たち(2003)

監督 犬童一心
116分
日本


あらすじ

ふとしたキッカケで恋に落ちたごく普通の大学生と不思議な雰囲気を持つ脚の不自由な少女、そんな2人の恋の行方を大阪を舞台にキメ細やかな心理描写と美しい映像で綴る。大学生の恒夫は、ある朝、近所で噂になっている老婆が押す乳母車と遭遇する。そして、彼が乳母車の中を覗くと、そこには包丁を持った少女がいた。脚が不自由でまったく歩けない彼女は、老婆に乳母車を押してもらい好きな散歩をしていたのだ。これがきっかけで彼女と交流を始めた恒夫は、彼女の不思議な魅力に次第に惹かれていくのだが…。

レビュー

彼氏ってなんだろうとか、恋愛ってなんだろうとか、好きってなんだろう…涙とか思っていた高校生の時に観たのと、大人になって観たのじゃもう全く見方が変わってしまった幻の映画です。

普通の自分が、どこかのタイミングで「今自分は特別な普通じゃない切り取られた時間にいる」ってなる瞬間があるんですけど。
普通の大学生の、その瞬間の映画なんじゃないかと思っています。

恋愛につまづいた時に観るのがオススメです。

好き同士と愛し合うって違う…って突きつけられます。

この作品の誰の気持ちも私はあんまり分からないんですけど、途中までなら分かるな、一緒に行けるなぁって思ってるうちに、映画は終わってしまってます。
それは主人公と同じような体験な気もします。

もう何がいいって
主題歌くるりの『ハイウェイ』です。

こういう人達は苦手です。もう二度と観たくないって毎回思いながら再生してます。ほんでボロ泣きしてます。

「結婚?あほかそんなもんあるわけないがな」

ジョゼはずっとおしまいまで分かっている、というところの悲しさには耐えかねます。


filmarks
https://filmarks.com/movies/29199


mommy(2014)

監督 グザヴィエ・ドラン
138分
カナダ


あらすじ

ギリギリの生活を送るシングルマザーのダイアン(アンヌ・ドルヴァル)は、15歳のスティーヴ(アントワーヌ・オリヴィエ・ピロン)と二人で生活している。彼女は最近矯正施設から退所したばかりの注意欠陥多動性障害の息子の扱いに手を焼いていた。やがて母子は隣の家に住む、今は休職中の高校教師カイラ(スザンヌ・クレマン)と親しくなっていき……。

レビュー

画角が1:1っていうのが話題になった今作。
設定も映像も色々と夢っぽい。
一言に天才…。ひー。

も、もうやめて怖い観たくない!
怒らないで、暴力振るわないで、喧嘩しないで!
って思うのに、その怖いとまで思うスティーブの力強さを表す映像がまぁ観やすいほどの美しさ
観ちゃうよね。遅れてダメージを受けます。

マミー!ずっと一緒にいようよ!
2人は2人で完璧でしょー!
僕がマミーを守ってあげる!
絶対に裏切っちゃだめだよ!
愛してるんだから!

そんな超絶息子のスティーブ。
一方マミーのダイアンは、いわゆる「母親」では無かったんだろうなと思います。

子どもを持ったからといって、女みんなが「母性」という幻の性質を自然に手に入れるわけではありません。みんな初心者で、なんとか手を焼いて、我が子を愛しく思うだけです。それは母性ではなく、ただの愛。

母性って言葉私嫌いなんでこれはこの作品とは関係ないです、すいません。
子ども持ったことないし知らないですけど。(おい)

まぁそんな、すごいバランスの親子の間を取り持つかのようなハイパーバランサーのカイラがあらわれます。

この3人のやり取りがとっても良いです。
それぞれの立場からそれぞれの何種類もの愛の表現があります。

血が繋がってるから無限に無償の愛を与えられるわけではないですし、血が繋がっていないからといって無償の愛を与えられないわけでもない。

それらの選択を、
誰も正解も不正解も言えない。
ただ考え続けることは大切だなと思いました。

オアシスのWonderwallがかかってスティーブが手を広げた瞬間に画角も1:1から拡がっていくシーンはもうなんか…最高としかいいようがないというか…楽しい…

音楽も年代が若いから私たちの映画の時代きた!ってなるのも興奮ポイントです。


filmarks
https://filmarks.com/movies/58355


エンドレス・ポエトリー(2016)

監督 アレハンドロ・ホドロフスキー
128分
フランス/チリ

あらすじ

アレハンドロ(アダン・ホドロフスキー)は故郷トコピージャを離れ、家族と共にチリの首都サンティアゴに移り住む。まだ若い彼は自分に自信が持てず、息子を支配しようとする両親との関係に苦悩しながら進むべき道を模索していた。ある日、アレハンドロは従兄リカルドの案内で芸術家姉妹の家を訪問し、さまざまな芸術家たちと接する。

レビュー

映画を操るロックスターおじいちゃん。

最初から最後まで、デフォルメのセンスが抜群で、何この映画訳わかんない私には無理でしたってならないで観続けられるのに、ちょっと何考えてるか分からないのに、共感してしまうという謎の体験ができます。意味がわかりませんが意味わかってる人はアレハンドロおじいちゃんしかいないと思います。

とてつもない、血管切れるんじゃー!ってくらいのエネルギーが永遠に噴出され続けているのに、なぜか疲れませんのは、割と真っ当なことや寄り添ってくれることや、直接的な応援メッセージが入っているからだと思います。

主人公が出会っていくキャラクターの流れがめちゃくちゃ観やすい
親からの自立、女性との初めての恋、親友との出会い、別れ、喧嘩、パーティ、人々と出会い、影響しあい、学び、私たちは成長していきますが、この主人公も全く同じ。
演出の仕方は物凄いですが、きっとこれは私たちの人生と同じ
しかも都度都度アレハンドロおじいちゃんからの応援メッセージ付き
元気になるしかない映画です。

握手じゃなくて、ハグをして、赦して、大きくなりましょう。みんな頑張ろう。


filmarks
https://filmarks.com/movies/61435


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秋乃ゆに

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