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「カワイイ」を真面目に考えてみた

こんにちは。
今回は、「カワイイ」を真面目に考えてみます。
なぜ、人は可愛いに惹かれるのか、日本の「カワイイ文化」などを考えます。


1.カワイイを実験心理学で考える

「カワイイ」を説明するのは難しい。
動物や赤ちゃんだけでなく、服装やインテリア、お菓子などにも使われ、なんとなくウキウキ、楽しい感じがする。
しかし、「かわいい」とは何か、「かわいい」と何が良いのかを説明するのは難しい。

動物行動学者のコンラート・ローレンツは、1943年に発表した論文の中で、人間はある種の身体形状をかわいいと感じる生得的な傾向を持っていると提唱した。
身体に比べて頭が大きい、おでこが広くて前に突き出ている、顔の下半分に大きな目が付いているといった特徴があると、それが生き物であってもなくても、いとおしく感じられるというのである。
この仕組みはベビースキーマ(赤ちゃん図式)と呼ばれる。

日本語の「かわいい」は、ファッションやお菓子など、ベビースキーマとは関係ないものに対しても使われる。
また、「ブサイク(不細工)」と「かわいい」がくっついた「ブサかわいい」のような不思議な複合語も使われている。
ベビースキーマ説には当てはまらない多様な「かわいい」をどうやって説明すればよいだろうか。

日本人の大学生を対象とした実証研究を通じて、以下のことが分かった。

  • 「かわいい」は「幼い」とは異なる概念であること

  • 養育や保護というよりも、対象に近づいてそばにいたいという気持ち(接近動機づけ)と結びついていること

「かわいい」が日本でこれほど普及していることには、理由があるはずである。
人間の行動は、なにかしら報酬がないかぎり、継続しないからである。
これまでに発表された実験心理学の研究によれば、かわいいものに接すると、以下のようなさまざまな心理状態や行動が引き起こされることが分かった。

  • 注意を引きつけられる

  • 長く見つめたくなる

  • 丁寧に行動するようになる

  • 細部に注目するようになる

  • 握りしめたくなる

  • 擬人化するようになる

  • 世話をしたくなる

  • 手助けをしたくなる

  • 頼みを断らなくなる

  • 自分に甘くなる

  • 癒やされる

笑顔を誘う、近づきたくなるといった「かわいい」の特性は、社会のいろいろな場面で応用できる。
例えば、日本の工事現場に行くと、かわいい動物の形をしたバリケードや、作業員のキャラクターが深々とお辞儀をしている掲示物があり、心が和む。また、さまざまな企業や官公庁が、「ゆるキャラ」と呼ばれる独自のマスコットキャラクターを創作し、利用者との距離を縮めようとして真摯(しんし)に取り組んでいる。
このような試みは、これまで経験的に行われてきたが、上記した「かわいい」感情の効用として科学的に裏づけることもできるだろう。

「かわいい」は、快であり、接近動機づけを伴い、社会的交流を促進する感情である。
日本には、そのような感情を社会的に受容し、価値を認める風土があったために、世界に先駆けて「かわいい」文化が誕生し発展したのだろう。

さまざまな価値観が共存するグローバル社会では、社会的交流を求めるポジティブ感情である「かわいい」の意義がさらに注目されることになるだろう。
日本語の「かわいい」は感情であるが、英語の「cute/cuteness」は対象の属性を表している。
「かわいい」は感じるものだが、「cute」は知覚するものである。
「cute」にはベビースキーマのような正解があるが、「かわいい」には正解がない。
ある対象を「かわいい」と感じるかどうかは、その対象と自分との関係性によって変わる。
だから、人それぞれであり、状況によっても異なる。
「かわいい」は自分で発見するものであり、他者に押しつけられるものではない。
そのため、世界のさまざま地域の人たちが自分たちの「かわいい」を発見することを見守っていけばよいのである。

2.日本の「Kawaii(かわいい)」という文化

日本の「Kawaii(かわいい)」という文化は、世界的に注目されており、マーケティングの分野でも重要な役割を果たしていると考えられます。
実際、Kawaiiは幸福と深く関わっており、世界的に幸福が重要視されている今、このコンセプトは持続的なビジネスに効果的である。

「Kawaii」がもたらす幸福感と世界的な影響力

日本にはKawaii文化が深く根付いており、街中ではKawaiiキャラクターや商品パッケージ、広告デザインなどをよく見かけます。
多くの人が、Kawaiiものに囲まれることで癒やしを感じ、心が和らぐ経験をしているのではないでしょうか。
PwCコンサルティングによると、Kawaiiという感情を持つ人ほど幸福度が高い傾向があるといいます。
さらに、Kawaiiという言葉は海外でも認知されており、日本語と同じ発音・スペルで使用され、世界共通の日本語として使用されています。
政府による外国人の意識調査では、アニメやファッション、キャラクターなどに見られるKawaii文化が、特にアジアの人々にとって日本の魅力であることが明らかになっています。

また、Kawaii文化は、アメリカの歌手レディー・ガガやマライア・キャリーなどのハードコアなファンを持つハローキティが牽引しており、Kawaiiの象徴として海外でも非常に人気があります。

このように、世界的に注目を集めるKawaiiは、日本のマーケティング分野でも重要な働きをするとみられます。

Kawaiiキャラクターの魅力とマーケティング活用方法

Kawaiiを活用したマーケティングにおいては、一般的にキャラクターが活用されます。
キャラクターは、商品やサービスの魅力を訴求するために用いられ、特にKawaiiキャラクターは、親しみやすく、消費者の心を引きつけます。
ハローキティやマイメロディ、ドラえもん、ポケモンなどは、広く知られたKawaiiキャラクターの代表例です。

東洋大学の長島教授によると、キャラクターを使ったマーケティング手法
9種類あるとされています。

1.アニメ『ONE PIECE』のルフィや『ポケットモンスター』のピカチュウなど、キャラクターそのものを売るコンテンツビジネス

2.ENEOSのエネゴリくんや家庭教師のトライさんなど、企業のブランド構築としてキャラクターを作り、商品を売る

3.ハローキティやリラックマなど、商品にキャラクターをつけて、キャラクターグッズとして売る

4.ご当地キティなど、キャラクターの利用権利を他社に売るライセンスビジネス

5.ディズニーキャラクターのついたペットボトル飲料やティッシュペーパーなど、キャラクターのイラストがついたパッケージで商品を売る

6.熊本県のPRキャラクター「くまモン」など、キャラクターで地域おこし

7.共創マーケティングやねこあつめなど、消費者がキャラクターを育て、それを利用して商品を売る

8.擬人化やイケメン化など、すでに存在するものをキャラクターにする

9.AIを利用した接客において、キャラクターを設定して話しかけてもらう

キャラクターを選ぶ際には、ターゲットや商品・サービスの特徴に合わせて、適切なキャラクターを選ぶ必要があります。
また、キャラクターの使用は、ブランドや企業のイメージに影響を与えることもあるので、その点も考慮すべき事柄です。

キャラクターを活用したマーケティング戦略のメリット

キャラクターを使ったマーケティングには、「認知度の向上」と「ブランド価値の向上」という、おもな2つの効果があります。

認知度向上と集客・販売促進効果

有名なキャラクターを使用すると、商品やサービスに注目を集め、興味を引きます。
商品が地味な場合でも、キャラクターの人気を活かして競合商品との差別化を図り、商品の認知度を高められます。

さらに、キャラクターに熱狂的なファンや大きなファンコミュニティがある場合は、コラボ商品がファンのコレクションに加わったり、SNSを通じて話題になって拡散されることで、集客や販売促進に大きな効果を発揮できます。

ブランディング効果

キャラクターは、親しみやすさやかわいらしさなど、商品やサービスのポジティブなイメージを植え付けるために活用できます。
キャラクターへの興味や愛着を持たせることで、商品・企業・広告に好感を持ちやすくできます。

また、企業が開発したオリジナルキャラクターの場合、世間に認知され、好感を持たれる存在に成長すると、企業の顔として強力なPR武器となります。企業キャラクターの親しみやすさは、企業への親近感を醸成し、ブランディングにも有効です。

大人も支持するキャラクター人気

「大人の好きなキャラクターに関する調査」によると、1位は「スヌーピー」で30.2%であり、女性からの支持が高く、なかでも60代女性からの支持率が最も高い結果となりました。
2位は「ミッキーマウス」で27.1%、3位は「くまのプーさん」で26.2%でした。

また、今回の調査では、キャラクターに対する期待も明らかになりました。調査によれば、1位は「かわいい」60.3%、2位は「癒し」48.0%、3位は「リラックス」26.1%という結果になりました。

顧客の多様化に対応する新たな戦略

現代においては、顧客の価値観や購買行動が多様化しているため、販売促進やブランディングに成功することは容易ではありません。
しかし、今後も必要とされるマーケティング手法として、Kawaiiキャラクターを活用したメッセージを用いて企業のファンを獲得し、販促を実現することが挙げられます。
企業のブランドイメージを単に機能性や品質で表現するだけではなく、Kawaiiキャラクターを取り入れることで、商品やサービスに対する感情的な結びつきを生み出せます。
そのため、Kawaiiキャラクターをビジネスに活かす方法を理解し、マーケティングにおいて有効に利用することは、今後の競争力強化につながると考えられます。

3.Kawaiiの代名詞キティちゃん

キティちゃんの人気の秘密とは?

なぜここまでキティちゃんが人気になるのでしょうか。
アメリカのブランディングの専門家、ドーリー・クラークは「彼女は冷静かつ無表情なので、人々はあらゆる感情を彼女に当てはめることができる」と話します。

また、ハーバード大学の日本学の客員教授で、キティちゃんを研究してきたクリスティーン・ヤノ氏は「キティちゃんには大人が子供時代を思い返すような懐かしさがある」と分析します。
続けて、「キティちゃんは非常にスマートで、美的に心地良いデザインです。それが人々に、彼女らが望むキティちゃんの表情を考えさせることがでる」と言っています。
「キティちゃんというキャラクターの『Kawaii』という部分、つまり日本の「かわいい」という文化が、少女たちを強力なファンへと発展させ、1970年代から80年代にかけての一大勢力に育て上げました」。

キティちゃんには口が描かれていない。だからこそ、人々はキティちゃんに様々な感情を入れることができ、それがキティちゃんの最大の魅力の一つとなっているのです。

米国での成功のカギは「デザインのアジャスト」

海外のライセンス事業で着目すべき点は、デザインなどに関して、パートナーに大きな裁量権を与えているということにあります。
実は、作り手やファンのニーズに合わせて、各マーケットでは独自のデザインを展開していきました。

これは従来のキャラクタービジネスを考える上で、非常に珍しいケースです。
なぜなら、国内外の人気キャラクターは、第三者による使用が厳しく規定されているからです。
そのような状況の下、形や質感も大きく変えて原型を留めないような状態のキティちゃんを数多く生み出し、既成概念を壊して行きました。

しかし、決してライセンシーに自由に商品を作らせているわけではなく、そのクオリティのチェックには厳しく目を光らせています。
数十回のクオリティチェックが行われてから初めて、ライセンス商品の承認がおりる。
クオリティ維持のため、ひとつの商品を作り上げるまでに長い時間を必要としているようです。

今や「Kawaii」の代名詞となったキティちゃん。
米国での人気の理由は「親しみやすさ」ではないでしょうか。
口が描かれていないことで、見ている人が自由に表情を想像ができ、嬉しい時も悲しい時も人々の気持ちに寄り添うことができる。
また、海外マーケットの拡大をするための戦略の一つであった「強力な流通網」を利用して、町のスーパーマーケットなどでもキティちゃんの様々な商品を購入ができるようになりました。
その上、現地のニーズに合わせたデザインで商品が作られているので、米国の人々にとっての「親しみやすさ」があることも、キティちゃんが愛される理由の一つではないでしょうか。


4.動物がカワイイ理由

どうして、動物は可愛いと感じるのでしょうか?
それは、見た目と容姿。
「ベビースキーマ」という要素。

特徴としては、
「丸みを帯びた体形」「大きな頭」「手足が短い」などの特徴はベビースキーマ(赤ちゃん図式、ベビーシェマとも)と名付けられ、ネコや、動物の子どもにも共通の特徴として知られる。

相手に危機感を与えず、生き延びる術でもあると言われている。
元々、敵同士だったが動物と仲良く生きたい。

<まとめ>
今回は、「カワイイ」を調べて、まとめました。
興味本位で調べました。
「カワイイは、最強」だと言われていますが、本当に最強だと思いました。
「リラックス、癒し」の効果もありそうなので、良さそうです。

今回の記事の成長は、「目次」を作れた事。
あと、まとめた物を集めたら文章量が多かったです。

ここまで読んでくださり、ありがとうございます。


参考リンク


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