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只の日本人と日本の稲

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――時間は昼。

――場所は田。

――草薙悠弥は稲を見ていた。

広がる稲、日本の田園風景。

(稲だな)

眼前いっぱいに広がる稲穂。

その広さは海を思わせた。

風に揺れてなびくたくさんの稲穂は波のよう。

(いい光景だ)

珍しい光景ではない。

どこにでもある光景だ。

(それもまた良し)

日本人の生活を支える稲。

稲は食料である。

稲は生活を支えるものである。

稲は多くの元となる。

米、ぬか、わら、もみがら。

様々な用途に使えるのだ。

米は日本の主食。

ぬかは漬物などの発酵材料に使われる。肥料や油にも使われる。

わらは、飼料や肥料。たわらやぞうり、紙など幅広く使われる。

もみがらは、充填材、燃料などにも使われる。

稲は米!! 米最高。

米最高ではあるが、稲は米の他にも様々な形で使われるのだ。

日本の生活を支える稲。

そう思うと、この稲の風景がより潤って見える気がした。

昔からある光景、新しさはないが。

(それもまた良し)

海のように広がる稲穂の光景が、自然と連綿と続くその営みが、良いと改めて思った。

風揺れる

生を支える

稲穂波

風のように、草薙は太陽へ向けて歩き出した。


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