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[7991文字]ダイヤ1に到達した完全オリジナルの邪神アバター採用型未界域を耳が痛くなるほど解説しました。(追記あり)

マスターデュエルの2022年9月のシーズンにて、邪神アバター入り未界域でダイヤ1に到達することができました。以下の動画は、その解説動画と到達した時の配信になります。

解説動画

配信(ダイヤ1に到達した瞬間は56:41~)

デッキレシピ


メインデッキ
エクストラ

この記事は解説動画では触れられなかった補足を行っていこうと思います。

未界域の基本的な動かし方については長くなるので割愛し、このデッキ特有のカードや動きについて解説したいと思います。もし、未界域についての知識がない方は以下の動画を見てから、この記事を読んでいただけると理解が深まるかと思います。

そもそも、なぜ未界域なのか?(追記あり)


まずは邪神アバターについて軽く説明すると、相手は相手ターンで数えて2ターンの間、魔法・罠を発動できなくなるという効果を召喚時に発動できます。
*12/6追記
先日、ナチュラル・エクストリオを入れた、いわゆるオーソドックスな未界域を回してみましたが、一滴や怪獣などでエクストリオを処理されることがありました。
それに比べるとアバターの方は発動すらさせないので相手ターンの一滴や結界波は怖くないし、召喚時に発動する効果なため、場に残っている必要がなく、怪獣に怯えなくてすむ強さがあると思いました。エクストリオの方がお手軽ですが、制圧力はアバターの方が勝ると思います。

融合やペンデュラムテーマ、罠ビートなどは勝負にすらならない制圧力を持っている反面、3体のモンスターをリリースしなければならないという、激重な召喚条件を持っています。
また、邪神アバターをサーチするカードは存在しないため、仮にリリースのためのモンスターを3体用意しても、手札にいなければ意味がありません。
つまり

  • リリースするためのモンスターを三体展開

  • 手札に邪神アバターを加える

という2つの難しい条件をクリアしなければなりません。そこで、組み合わせようと思ったのが未界域です。

未界域というテーマは相手に嫌われるほど長いソリティアと、デッキのカードを全て引き切れるくらいの大量ドローが可能です。なので、デッキの底の方に邪神アバターが眠っていたとしても手札に加えることもできますし、その上で三体リリースをすることも、そこまで難しくないです。要するにとんでもないパワープレーな訳です。

しかし、未界域と組み合わせるメリットはそれだけではありません。その理由は、ユニオン・キャリアーとゼピュロスにあります。

強すぎるカードは毒にも薬にもなる

まず、2体のモンスターでユニオン・キャリアーをリンク召喚。そして、適当なモンスターに邪神アバターを装備。そして、装備されたアバターを手札に戻して、ゼピュロスを墓地から特殊召喚。これにより、デッキの邪神アバターを手札に加えられる擬似サーチが可能になります。

このコンボを実現するには、展開力があって、ゼピュロスが入れられて、闇属性メインで構成されているテーマでなくてはなりませんが、私の思いつく限りでは未界域だけだと思いました。
*12/6追記
現在ではヴァリアンツでも似たような動きができるようです。

展開のコツ

未界域なので決まった展開ルートはありませんが、大まかな方針はあります。
まず、最初にレベル4モンスターを並べていきます。この時、チェーンの反応がなければ素直にデュガレスを出して、手札を増強していきます。
誘発がある場合はそのまま突っ込むのではなく、なるべくケアをしていきたいです。A・ジェネクス・バードマンやデストルドーが引けているならバロネスを優先的に構えて、誘発を対策します。
バロネスが出せなさそうで、相手のチェーンの反応的に無限抱影っぽかったら、シラユキが引けるまで粘ります。シラユキは、こちらの効果発動にチェーンしてきた無限抱影にチェーンして、対象のモンスターをコストとして除外して対象不在にする事で効果を通すことができます。この時、シラユキを通常召喚してランク4を立てた方が良さそうなら、アバターを諦めて召喚権を使います(こういう時にガッカリされたのか、視聴者が離れたりします)。
このようなケアができなかったり、相手の手札にあるのがうららっぽかった場合は、デュガレスは取っておいて、キングレムリンを出します。ここでうららを誘発を使わせられれば、今後デュガレスなどのアドを稼げる効果を通しやすいですし、使われなかったとしても、ツチノコがサーチできて手札が一枚増やすことができます。そうして展開しているうちに、さっき挙げた誘発ケアができるような手札が揃えば、相手の誘発を腐らせることができます。クリティカルなところには誘発は使わせず、何とかして展開を長引かせて、ケアできる準備をすることを念頭におくと良いと思います。
あとは、貪欲な壺や終わりの始まりを使い手札を増やすなどして、一般的な未界域の展開の通りにやっていけばいいと思います。もし、墓地にゼピュロスがいるならば、先ほどのユニオンキャリアーとのコンボを狙いに行く選択肢もあります。しかし、手札が少ない時にこれをやると、展開が先細ることもあるので、なるべく潤沢な時にした方が良いと思います。もし、このコンボが無理そうなら、とにかくドローしてアバターを弾くことを狙います。
アバターを出した後の展開ですが、バロネスやウーサ、未来龍皇、マスカレーナ、シラユキ等の妨害をなるべく沢山並べていきます。この時、4素材ウーサなどを狙いたくはなりますが、そうするとモンスターを消費しすぎて展開が塩っぱくなります。なので、リンク4が出せそうな時は代わりにスカルデットを出し、手札をしっかり増やします。そうなるとウーサはまず出ませんが、未来龍皇やバロネスといった制圧力の高い他のモンスターでも十分強力すぎる(というか、そっちの方が強いかも?)くらいなので大丈夫です。というかアバターで魔法・罠を使えなくさせた上で、2、3妨害構えられれば十分すぎるくらいですね。
また、完璧な盤面を作って終わりではなく、次の自分のターンに相手のライフを削れるようにするプランも考えることも大切です。邪神アバターは相手のターンで数えて2ターンの間しか封じられないので、もし粘られて効果が切れてしまうと、逆転されてしまう可能性があるので、なるべく短期決戦に持ち込みたいところです。例えば、よくある盤面として、未来龍皇、スカルデット、マスカレーナ、墓地にシラユキがありますが、相手のターンにユニコーンを出して妨害し、そのユニコーンとスカルデットでアクセスを出せば、攻撃力が6300にも上がるため、ほぼ確実にワンキルできます。未界域なので決まった盤面というのは存在しませんが、常にこのモンスターたちで次の自分のターンに8000ライフを削り切れるか?と考えて展開するようにしていました。

各カードの採用理由

フルール・ド・バロネス

未界域にバロネスを入れるのは珍しいかと思いますが、理由は二つあります。
1つは、邪神アバターの代用です。このデッキはアバターのために召喚権を温存しておかなければなりませんが、展開がうまくいかない時は妥協して、他のモンスターに召喚権を使わないといけない時があります。そうなると最終的な盤面はウーサや未来龍皇などのモンスター効果を無効にできるカードは並びますが、魔法・罠に対してはノーガードになってしまいます。烙印や勇者が流行っていたので、魔法を止めれた方が良いだろうと思いバロネスを入れています。
2つ目の理由は誘発ケアです。このデッキはうららや指名者等が入ってないので誘発のケアには工夫が要ります。一般的にはウーサを出してから展開しますが、ウーサは4体のモンスターを消費するので、2体消費で出せるバロネスに比べて、かなりリソースを食います。また、リンク3のキュリオスを経由してから2素材のウーサを出してリソースを稼ぐこともできますが、こういうときは必ずと言っていいほどキュリオスに誘発を使われるので、結果としてただウーサの素材が減っただけになりがちです。
また、仮にウーサを出せたとしても無限抱影はケアできないためバロネスを構えることには、かなりのメリットがあります。無限抱擁は烙印に刺さるからか採用率・枚数共に高かったように感じました。
バロネスの出し方としては、レベル7のネッシー+レベル3チューナー(A・ジェネクス・バードマンやレベルを変化させたデストルドー)でシンクロすることができます。

A・ジェネクス・バードマン

上で書いた通り、バロネスの素材とするために入れました。モンスターを手札に戻して特殊召喚しますが、未界域モンスターは手札に戻ったとしても何回でも特殊召喚できるので、デメリットは少ないと思います。
闇属性であるため、闇の誘惑や終わりの始まりのコストにしたり、キュリオスの素材にできたりします。フィールドから離れると除外されますが、そこはリヴァイエールで帰還させられるので、そこまでデメリットにはなりません。というか、むしろ好都合です。割と適当に入れてみたのですが、案外噛み合っていて、相性が良いと感じました。

未来龍皇ホープ

邪神アバターによって魔法・罠を封殺したら、モンスター効果を無効にできるウーサもならべて、完璧に蓋をしたいところです。しかし、アバターで3体のモンスターをリリースした後に、4体を消費するウーサは出しにくいことが結構あります。そんな時に出すのがこのモンスターです。
モンスター効果を無効にした上でコントロールも奪い、その上で破壊耐性まであるという、一見すると完全無欠に見えるこのモンスターですが、ドラコバッグのようなバウンスや、無限抱影や一滴のような効果無効系の魔法・罠には弱いです。しかし、邪神アバターの効果が適用されている中では、かなり処理がしづらく、未来龍皇+1、2妨害でなんとかなったりします。

ガガガガマジシャン

墓地のキングレムリンやダイガスタ・エメラルを蘇生して、未来龍皇に繋げます。このカードがあることで、未来龍皇がかなり出しやすくなっていると思います。キングレムリンやダイガスタ・エメラルはリンク素材やアバターの生け贄にして、あらかじめ墓地に送っておくのが良いと思います。

ダイガスタ・エメラル

墓地のモンスター3枚をデッキに戻して、1枚ドローできるプチ貪欲な壺みたいな効果です。手札から捨てられてしまった邪神アバターをデッキに戻すために入れています。未来龍皇の素材にもなれるし、手札を増やす効果は未界域と相性がいいですが、貪欲な壺やシラユキ等のコストを減らしてしまうので、そこまで優先的に使うわけではないです。ただ手札を増やすだけなら他にも良いカードは沢山ありますしね。どうしても邪神アバターをデッキに戻したい時なんかに使うと良さそうです。

暗黒界の尖兵ベージ

手札から捨てられると特殊召喚できる暗黒界モンスターです。このデッキの展開の要はランク4なので、そこに繋がりやすくするために入れました。シーズン最終日の前日くらいに滑り込みで入れましたが、よく働いてくれたと思います。場により沢山モンスターが並べば、アバターの生け贄などにもできるので、展開補助として優秀だと思いました。

終わりの始まり

序盤に引いてしまうと腐るからという理由で途中デッキから抜いていたのですが、なんだかんだでカムバックしたカードです。3体リリースして生け贄召喚という重い条件を持った邪神アバターを出すには、とにかく展開を上振れさせなければなりませんが、このカードがそれを可能にしてくれました。実際、3枚ドローできれば何だってできます。あとアバターは三体を生贄にするので、墓地に闇属性が貯まりやすいので、意外とシナジーがあったりしました。
また、残り手札一枚って時に、このカードが引けて九死に一生を得たので、実は安定感の向上にも役立っているんじゃないかと思いました。

採用を見送ったカード

この章では採用を見送ったカードについて書いておきます。なんやかんやで誰かの構築のヒントになりそうな気がしたので。

ヴァレルロード・S・ドラゴン

採用理由はバロネスと一緒です。採用しなかった理由は、意外と使いにくかったからです。
サベージをシンクロするにはレベル4+レベル4のデストルドーしか選択肢がなかったので、出しづらいと思いました。
また、出したい時に意外と墓地にリンクモンスターがいなくて歯痒い思いをしたこともあります。
あとは、後攻で展開する時に、リンクモンスターを装備する効果に妨害を打たれてしまうことも使いにくかったです。バロネスなら出した瞬間に妨害できますが、サベージは1テンポ遅れるので、そこを突かれると痛いです。また、バロネスは破壊効果もあるので、サベージよりも後攻から打開する時に役立ちます。

RR-フォース・ストリクス

ゼピュロスをサーチできるカードです。先ほど説明したユニオンキャリアーとゼピュロスの擬似サーチの再現性を高めるために採用しようかと考えました。ランク4は出しやすいデッキですし、No.じゃないので未来龍皇にもなれるし、闇属性だからキュリオスの素材にも終わりの始まりのコストにもできる。と良いことづくめのように思ったのですが、入れてみても、なんというか、あんまり使わなかったので抜きました。
仮にゼピュロスをサーチしても、未界域の手札を捨てる効果はランダムなため、能動的に墓地に落とせるわけではなく、意図的に望んだ状況まで持っていけないのが歯痒かったですね。暗黒界の取引や手札抹殺などでも捨てられますが、相手の墓地を肥やす上にドローまでさせてしまうので、あまり積極的には行いたくありません。結果、せっかくサーチしたゼピュロスが捨てらず、そのまま展開してると邪神アバターがドローできた…みたいな状況が、まあまあありました。

深淵に潜む者

暗いところで引きこもる陰キャ

よくある未界域デッキには必ず入っていますが、このデッキでは抜きました。先ほども述べましたが、邪神アバターは相手ターンで2ターンの間にしか魔法・罠を封じれないので、その間に速攻で勝負を決めに行きたいです。しかし、このモンスターは攻撃力が1700と貧弱であり、ランク4を出すなら、ガガガガマジシャンから未来龍皇に繋げた方がパワーがあるので不採用にしました。(このカードのために、かなりのパックを剥いたので泣きそうでしたが)
しかし、環境によっては、このカードがめちゃくちゃ効くこともあると思うので、その時は柔軟に入れ替えた方が良いと思います。

終末の騎士

マスターデュエルで10年ぶりに遊戯王に触れて、こいつが制限なことに驚いた

こちらもオーソドックスな未界域には必ず入っていますが邪神アバターと召喚権を取り合うので抜いてしまいました。スカルデットの効果で手札から出したり、リヴァイエールで帰還させることもできるので必ずしも通常召喚で出さなければならないわけでもないですが、その方法も限定的ですし、何となく安定感向上のために採用してません。アンデットシンクロの必須カードだったりするなど、昔からあるカードなので使いたかったんですけどね。

ゴシップ・シャドー

よく見ると風属性。どうみても闇。

誘発ケアとして入れたかったです。また、1ドローできるのも未界域にとっては好都合。レベル3も出しやすいので、かなーり採用したかったのですが、マスターデュエルでは残念ながら禁止になってしまいました。OCGでは生きているので、そちらで使ってみてもいいかも知れません。闇属性なのでキュリオスの素材にできたり、終わりの始まりのコストにもできる、と書こうと思ったら風属性でした。飛影みたいな闇のオーラ出てるんですが...。

未界域調査報告

自分の未界域モンスターとフィールドのモンスターをバウンスできる効果。相手のモンスターを手札に戻せるので、ミラジェイドみたいな厄介なモンスターを処理できます。
また、手札の未界域モンスターが切れた時に使うことで、展開を再スタートすることができます。
墓地でも使える効果があり、手札の未界域を捨て、このカードをデッキに戻して1枚ドローできるのでアドバンテージが稼げます。
と書くと良いことだらけのように聞こえますが、なんかいまいち使いづらくて抜きました。弱いわけではないのですが、このカードを入れるなら別に良いのあるよなって感じです。なんというか器用貧乏みたいなカードでした。

閉ザサレシ世界ノ冥神(サロス=エレス・クルヌギアス)

好き

後攻で強いので入れてました。相手のモンスターをリンク素材にできるのは、かなり使い勝手が良いと思います。チェーンに乗らない除去は防ぎにくいですからね。対象とする効果以外の発動した効果を受けないので、サロスの相手のモンスター効果を無効にできる効果を無効にする効果が効かない(ややこしい)という強さがあります。4体のモンスターを自分の場に並べる必要がありますが、それも未界域では、そんなに難しくないです。また、アクセスの素材にして7300のバケモノができた時もありました。
強いのか弱いのか、よくわからんカードだと思ってましたが、あると便利だと思います。がしかし、枠の都合でこちらも泣く泣く抜きました。

最後に

最後まで見ていただいてありがとうございます。かなり長くなりましたが補足解説は以上です。もし、質問等があれば、noteでもYoutubeでもコメントして頂ければお答えします。
このデッキを使った先月は、烙印と勇者が蔓延るだろうと予想し、だったら邪神アバター出せば相手は魔法使えないし勝ちじゃん、余裕余裕と思っていましたが、蓋を開けてみると、妥協して他のモンスターに召喚権を使わなければならなかってりと、そう簡単に毎回邪神アバターは出せませんでした。かつては環境デッキの一角だった未界域も今ではその鳴りを潜めており、アバターを介護するには若干の役不足感もありました。
また、邪神アバターが出せなかった時のプランBであるバロネスがお手軽で強すぎたので、「あれ?これアバター入れない方が...」という闇の誘惑に駆られそうにもなりました。
でも、なんやかんやで試行錯誤すればダイヤ1くらいに行けたりはします。なので、皆さんも自分の好きなカードを使ってランクマッチに挑んでみてはどうでしょうか。実際にランクマッチを戦っていて思うのが、環境デッキばかりで、ちょっと飽きてしまいます。マスターデュエルがリリースされた最初の方は、変わったデッキでプラチナ1に行ったよう動画がYoutubeで見られたような気がしますが、ダイヤ帯ができ、環境がインフレするにつれて減っていったような印象です。
人の遊び方にケチをつけるつもりはありませんが、よくある環境デッキを使ってダイヤ1に到達することにどれだけの意義があるのか疑問に思うこともあります。別にダイヤ1に行けたからって履歴書に書けるわけじゃないし、女の子にモテるわけでもないと思いますんで。
それよりも頭を捻りながら自分なりのデッキを作るほうが生産的なような気がします。例え勝てなかったとしても、たかがゲームではありますが、その経験は後々意外なところで生きてくるんではないでしょうか。
とまあ、自分の所感をダラダラと書いてしまい申し訳ありません。Youtubeは〇〇連勝した〜デッキみたいな動画を好む単純なバ…安定思考の人が多いと思ったので、こういった一風変わったデッキの真面目な構築の話は、意識が高そうなnoteでしか書けないかなと思って長々と書いた次第です。もっと変わったデッキが増えて、マスターデュエルが面白くなったら良いのになあ。
というわけ本当に最後です。ありがとうございました🙏

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