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I Don't Understand But I Luv U
ライブ配信中に海外のファンから送られたコメントがそのままタイトルになった、I Don't Understand But I Luv U 。
SEVENTEENの10thミニアルバム「FML」に収録されているパフォーマンスチームの曲だ。
「I Don't Understand But I Luv U」
あなた達が何を話しているか、言葉はわからないけれど大好きだよというその想いは、言語の違う誰かを好きでいるひとにとってはある意味でごくごく自然に胸の中に湧き上がるものではないだろうか。
そんな「特別」とすら気づかず胸の中に抱いていたようなファンの感情がホシくんの胸を強く打ち、こうして一つの曲が世界に生み落とされるまでに至った。
その相互作用の実感、ある種の偶発性や即興性といったものが奇跡のようにパチパチと光を飛ばすのに、その一方でこの曲は間違いなく今までのパフォーマンスチームの楽曲の延長線上にある。
私自身がその線を再び辿りたくて、筆を取った。
当然のことながら私の勝手なそして自由な一つの解釈に過ぎないし、母国語ではない彼らの言葉を私がどれだけ正しく読めているのか責任を負うことはできないけれど、ふたつの言葉を行き交うことによる解釈の振れ幅すらも赦してくれるような曲なので思う存分潜り、泳ぎ回りたいと思う。
月に謡う
Lilili Yabbay、Moonwalkerそして247までの3曲を月三部作として味わったnote。詳しくはリンク先のnoteに書いているけれどおおまかな流れだけ振り返る。
나의 움직임 너의 의미 가득 담아
僕の動きは君の意味を籠め
우리 둘만
僕ら2人だけ
존재할 수 있는 그 시간을 열고
存在することのできるその時を開き
그럴 수 있다면 그래 그럴 수만 있다면
そうできたなら そうすることさえできたなら
나를 그려낼게
僕を描き出そう
13월의 춤
13月の舞
パフォーマンスチームの金字塔とも言えるこの曲。
ホシくんが緊張した面持ちで来年にはLilili Yabbayを超えなきゃいけないと言っていたのが2021年10月1日。
— 밤 (@At_to_IY) September 10, 2022
この覚悟が現れた形がBE THE SUNのパフォーマンスチームのステージなら(きっとそうなんだろうけど)、有言実行で心底かっこいい人たちだなと思う。https://t.co/abicwjiyYn pic.twitter.com/V6ReWIzqDo
彼らに取っても越えるべきものであったこの曲は「ふたりだけの、ここじゃないどこか」の物語の幕開けのようだ。
사계절로 우리 가둘 수 없지
四季の流れすら僕らを引き離せない
내가 그린 선 끝 따라 봄이 와
僕が描いた線は春を導き
너의 눈물 흰 눈이 되어
君の涙が白雪となり
서로 감동의 물결 만들어내
互いに心の波紋を起こそう
全ての時間や自然の摂理から隔絶された2人だけの世界。そこで2人は溶け合い、もはや肉体からも解き放たれて心だけで触れ合うかのように接することができる。
その続編とも呼べる物語が
눈빛 한번 맞춰봐
視線を一度合わせてみて
온 세상이 보인다
世界全てが見えるよ
태양 빛을 머금은 별들은 샹들리에
太陽の光を湛えた星たちはシャンデリア
발 박자 하나둘
ステップ 1、2
신나지 내 맘은
昂揚してるのか僕の心は
이륙하는 비행기
離陸する飛行機
엔진의 소리 Broong broong
エンジン音がBroong broong
MoonWalker、舞台は月面へ。
月に謡う、のnoteの中で私はこの曲のサブタイトルに「月に誘う」と付けた。けれどこの歌における月はあくまで象徴であって、やはりその舞台は「ふたりだけの空間」であるように感じる。
月面だけでなく銀河を、宇宙を散歩するような万能感。ふたりだけの空間だからといって狭い部屋に閉じ篭もるのではなく、ふたりだけだからこそどこまでだっていける。
…と思いきや縋り付くように舞い歌う247
247 너를 찾아도
247君を探し求めても
넌 날 알아보고 인사를 건넬까
君は僕を見つけてくれるのだろうか
우리 둘의 13월의 기억이
僕ら2人だけの13月の思い出は
조금은 남아있긴 할까
少しは残っているのだろうか
무슨 말로 널 그리워해봐도
どんな言葉で君に焦がれても
너로 고픈 내 마음은 채워지지 않아
君に飢えた僕の心は満たされないんだ
247 너의 기억은
247君の記憶
내 삶이 멈출 때까지 끝나지 않아
僕の命尽きるまで終わることはないんだ
ずっと探していた唯一の「君」を身を焦がすほど恋しく思うような歌。
失恋ソングと言ってしまうこともできるけれど、私はやっぱり「僕」と「君」はそもそもまだ逢えていない…現実世界で対面することができていないんじゃないかと感じてしまう。
一度も逢ったことはないはずなくとも「僕」と「君」は13月というここじゃないどこかの時空の中で、確かに逢っていたのだ。
言葉を超え、時を超え、空間を超え
ただ君と僕が最も自由になれる世界。
私はこのnoteをこう締め括った。
私が月三部作にどうしようもなく惹かれる理由のひとつは、「君」にSeventeenさんを、「僕」に自分を代入したときに共感できてしまうからだと思う。
いわゆる世間で言うところの「逢う」には当てはまらないけれど、私に至ってはまだ肉眼でその姿を映すことはできていないけれど、
それでも恋しさに涙を流す日もあったし
舞は舞えずとも詠うことを知ったし
月を見上げれば彼らを想わずにいられなかった。
人生の大事件と呼べる出逢いだった。
たとえ抱きしめることが叶わない出逢いでも
たとえ「君」が「僕」を知らないとしても
それでも確かに出逢って、人生に「君」が登場してくれたことが嬉しくて幸せなのだろうと思う。
Seventeenさん、ホシくん、
私にとっては、あなたたちが「君」だ。
Wave
Your Choiceのなかの一曲としてWaveを咀嚼した部分を抜粋する。
너의 모든 세포들이 더 자유를 원해
君の全身の細胞が もっと自由を求める
자연스러운 Tempo로
自然なTempoで
시야 닫힌 도시 사이에서
視野が閉ざされた都市の中
전부 일그러뜨려 널 깨워가
すべてを歪めて君を目覚めさせる
パフォーマンスと不可分なメッセージなのだろう。
歌詞の繰り返しがほとんどで読む言葉が極端に少ない。
ただ、それこそがこの歌の本質なのではないかなと思っている。
情報に溢れてむしろ色々なものが見えづらくなっている都市の中、一度君の細胞の声に耳を澄ませてみようか。
そんな誘いの曲。
하루 종일만큼 맘의 문 앞에 서서
一日の間だけ心の扉の前に立って
두드려 보는 게 어때
そこを叩いてみたらどうかな
잠시만 도피해 마음의 바다로
少しだけ逃避して心の海へ
難しいことはいい。
今日は言葉も要らない。
けれどきっと君の心は、細胞は、
君自身も知らないような何かを求めている。
僕はそこに目覚めた君を見てみたい。
…そんなメッセージだからこそ、歌詞を極限まで削ぎ落としているんじゃないかと思う。
PANG!
前段に引き続き、Attaccaというアルバムの中でPANG!を咀嚼したnoteの抜粋。
지구의 온도가 올라간다 해서
地球の温度が上がっていっても
내가 터질 일은 없을 거예요
僕が弾けることはないのでしょう
온도계는 파란색을 입어도
温度計が青色を纏っても
내 맘이 줄어드는 일은 없을 거예요
僕の心が降下することはないのでしょう
ニコニコしながら歌っているような上機嫌な歌い出しに大きなボールが弾むようなリズム。
蛍光色の地球儀の上をボールが跳ね回るようなイメージが目に浮かぶ、ポップで不思議でウキウキの世界。
아 따끔해 비 (퓨퓨)
あっ打ちつける雨 (ぴゅっぴゅっ)
도망가 화성 뒤 (슘슘)
逃げろ火星の裏 (しゅんしゅん)
前の「거예요」から「아」へうつるときの声のザラつき具合が少しヤケっぽく、その後の「ぴゅっぴゅっ」という可愛いすぎる擬音語との対比にびっくりしました。
雨は天から降るものなのに大気圏を超えて火星の裏に逃げろだなんて、目が回るくらいコロッと視点とスケール感が変わってしまう、アトラクションのような描写だ。
PANG!では今まであまり聞いたことのないような声の出し方や歌い方を聞くことができて、なんだか「声」もパフォーマンスの一部になったようだった。
(中略)
PANG!では今まで聞いたことのない声色や歌い方、初めてみる系統の表情も沢山あって、そういう意味で「実験」的だと感じた。
ダンスだけではない「パフォーマンス」の手段を色々と模索しているような…とにかく楽しい曲。
辿ってきたもの
月三部作
空間の括り出し、ここじゃないどこか、ふたりだけの13月…そこでは言葉も、時間も、距離も、肉体すらも手放して、出逢えずとも君と会った記憶を辿れる。
Wave
自分の細胞の声に耳を澄ませ、目を覚ましてほしい。そんなリフレインの波へと「君」を誘う。
PANG!
身体を風船に憑依させ、自由になった魂は火星の裏まで飛んでいく。声を歌だけでなくパフォーマンスにまで昇華していく。
そしてその先にある
I Don't Understand But I Luv U。
알잖아 우리 사이엔 말보다 더 중요한 게 있잖아
わかるでしょ僕らの間には言葉よりも重要なものがあるじゃん
ふたりだけの十三月は、私たちの話でもあった。
これまでパフォーマンスチームの曲は神秘的な異世界に連れていってくれるようで、あくまで私は訪問者だと思っていた。
けれど度々登場していた、まだ対面してはいないのにずっと前から出逢っていた「君」は私であり、私たちであった。
大袈裟じゃなく、わざとらしくもなく、
ただ一歩一歩踏みしめてきた道がここに繋がっていた。その道が物語になっていた。
ある意味でどんな伝説よりも壮大な物語だと思う。なぜなら私たち当事者にとっては十三月が本当に存在するのだから。
存在しない時空を、この世界で、私たちに見せてくれたのだから。
I Don't Understand But I Luv U
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