月に嘯く
心が大きく揺れるとき
感情が水飛沫のようにまとまりなく弾け飛ぶ。
自分の小さな心の器が、これほど愛(と呼びたい想い)でいっぱいになるとは思いもしなかった。
その心の動きを、感情の理由を、想いの源を、
具に記録したいと思うのだけれど、うまくできない。
大切な貴方に綺麗な言葉を捧げたいのに
それもうまくできない。
きっと、歌を詠むのはこんな時なのだろう。
溢れて溢れて整えられない感情に居場所を作る。
貴方のために歌を。
貴方を想う私のために歌を。
この心に依代を。
月に嘯く
月燈 夜の帳を切り裂いて
君の舞台の幕をあげよう
たとえばね 君が嘘吐きだとしても
最後に見るのはその顔がいい
ゆりかごは呪いでしたと言ったなら
君は哀しく笑うでしょうか
昼下がり紅茶の水面に 星ひとつ
微睡む瞼に また星ひとつ
蟲の声 涙の匂い 夜明け前
君の踊りで世界を見たい
“壊して”や“救って”の脆い飴玉を
コロコロ呑み込みまた呑み込まれ
君が君で在ってくれる そのことが
重たい霧を斬り裂く祝福
目に見える壁への恐れは殺してさ
見えない糸を握り直そう
君の手が空を切ったなら水平線
弧を描いたら闇夜でも虹
きっとまた こうして夜が更けていく
けれど必ず 君を見つける
短い歌
31字の小部屋の中に、ああでもないこうでもないと
必死で言葉を選んでいく。
私が貴方と共にした時間を想えば、31字などいかほどの質量をもとうか。
でも300字も3000字も30000字も、どうせいくら書いたって何の足しにもなりはしない。
この気持ちを言葉なんかで表せてたまるものか。
だからいっそ、31字の外側は、その余白は
貴方の心で埋めてください。
私の姿は貴方の瞳に映ったことがないし
私の声が貴方に届いたこともない。
最も遠く、それなのに最も近く、
だだっ広い余白の海に小舟をぽつり
最も孤独な、短い歌を愛おしい貴方に。
追伸
ホシくんの誕生日にも言ったけれど、ホシくんはずっと冷たい風が吹き抜けていた私の隣の空席に、ある日突然座ってくれたようなひとです。
貴方が愛を教えてくれたとか、私の人生を変えたとか、そんなドラマチックなことは言いたくない。
けれど貴方と出逢ってから、私の日々は貴方一色に染まりました。
星は高く遠くにあるから、どこにいても見つけられる。
こんなに遠くから光を届けてくれる貴方は、一体どれだけの熱量で燃え続けているのでしょうか。
大切な、大切な綺羅星。私の夜空の一等星。
そして貴方が姿を見せてくれる限り止まることのない流星群。
貴方を見つけた幸福以上に、貴方を見つけてから歩かせてもらっている、貴方と貴方の大切な人たちが支え続けてきたこの花道が奇跡。
いつも有難う。大好きです。
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