見出し画像

 金縛り。

 私は中学生の頃から35歳の頃まで、目に見えない存在と戦って来ましたが、目に見えない存在の中には、人の霊と、神仏の様な存在もあると感じていました。仏様の様な存在と、自然を司る人の形をしていない、龍の様な壮大な存在です。

 若い頃は、同時に摂食障害と戦っていたので、体重は37Kg、ほぼ毎日ランニングに、24時間食べ物との闘いで生と死の狭間を行き来する生活でしたが、その上、毎晩必ずやってくる金縛りの恐怖で、TVと電気を消して休む事が出来ませんでした。

 
 大阪の寮に入った時も、もれなく金縛りに合っていました。
深夜0時を超えると、目に見えない誰かが部屋に侵入してくるのが解るのです。

 
 部屋を出て逃げても追いかけて来るので、深夜0時を超えると明け方までの数時間、呼吸が止まりそうになったり、脚の方から身体の中身を引っ張り出されそうになる恐怖と格闘しなければいけませんでした。

 金縛りと、身体の中身、多分霊を引っ張り出される感覚は常に同時に起きました。一度だけ、無数の白い長い手が、私の脚の方に伸びて来ているのを見た事があります。

 起きている間目で見える事は無い代わりに、夢の中に亡くなった方が出て来て話をしたり、何かを教えられたりすることが何度かありました。

 神仏が出て来る場合、龍が出て来る場合、最近では生きている方が何かを訴えて来たり、探しに来たりすることもありました。会った事のない人が先に夢の中に出て来て、後に出会う事もあります。

 
 金縛りで一番怖かったのは、若い頃に初めて一人暮らしをした家の生活でした。その家は家であって家でない感覚で、薄い壁に囲まれたプレハブの様な頼りない建物としか思えず、当然の如く毎晩、金縛りに合いました。家の中で冷たい人とすれ違う感覚もありました。ある日の夢で、部屋の中に真っ黒い大きなカラスがドン!と入って来たかと思うと嫌な疲労感で目覚めました。

 「今日は仕事に行きたくないなぁ。。。」という感覚で目覚め、しぶしぶ自転車を漕いでノロノロと路地を運転していると、十字路で一旦停止しなかった車にはねられました。そこから救急車で運ばれて入院。一人暮らしを始めて事故が起きるまで2〜3ヶ月も経っていなかったのではと思います。

 実家も相当金縛りの毎日でしたが、一人暮らしの家の金縛りは半端無く、まるで野宿しているような感覚でした。夜中に、「バシッ!!」という大きな破裂音がして、何事か!と起き、つけっぱなしのTVを見ると飛行機がビルに、突っ込む画像が目に飛び込んで来また。911のテロの時でした。

 一人暮らしは事故後解約しましたが、事故物件と言っても過言では無い位に恐ろしい家でした笑。

 そんな生活が、知人に子猫を貰って連れて帰る35歳のその日の夜まで続いたのでした。それまで私は完全なる犬派で、猫は未知の世界でしたが、子猫という不思議な宇宙みたいな存在を連れて帰った夜、嫌な気配が消えたと思ったら数十年ぶりに金縛りの無い夜を過ごす事が出来たのでした。

 手のひらサイズのこんな小さな子猫に、こんな力があるのか。

 驚きと感動で、猫という生き物に関心が高まり、直ぐに虜になりました。その日の夜を堺に、中学生の頃から、毎晩苦しめられた金縛りと見えない者の気配から解放される事になったのでした。

 夜、電気とTVを消して眠れる生活が出来る様になったのです。

 
 猫と生活することで、私の頭の中のチャンネルも切り替わって行った様に思います。霊についての考え方も恐ろしい物から、当たり前にあるもの、という感覚に替わって行きました。

 存在を意識し過ぎない様になったので、恐ろしい感覚も遠ざかる様になりました。

 ただ、未だ偶に、猫3匹と暮らす様になった今でも金縛りが起きる事があります。長い間人の住まなかった今の中古物件に引っ越して来たばかりの頃です。

 深夜に玄関の鍵をガチャガチャと開け、ドアを開けて入って来る音がしたと思ったら、次女猫🐱のナツが玄関に向かってダッシュして行きました。それから私は金縛りです。勿論、人の姿はありません。

 それも、やがて家の中の掃除と、神棚のお祀りと、3女猫🐱が家に馴染んで行く内に、治まって行きました。四年目(多分笑)の今では金縛りはありません。猫達もウイルス風邪にかかってしまい、生死をさまよいましたが、必死の看病で皆、復活しました。

 
 3匹三様に、この家に来てエネルギーを使わせてしまったと思います。

 私は昔から人が何故苦手なのかなと考えると、恐らく、人間は動物や植物、自然界や建物と違って、思念が多い存在だからだと想います。

 動植物や自然界から受ける感覚は純粋で負の思念がありません。
だから楽なのだと想います。

 癒される、というのはそういう意味だと想います。

 人は、伝わって来るものが複雑で情報量が多いので、受け取るには質量が大きい。だから私は人が苦手なんだなと想います。出来るだけ田舎で猫と暮らすのが一番向いています。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?