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「言葉と思いを一致させる」とは、もうウソをつかないと「決める」こと

2年前。

もう金輪際うそをつかない!と決断してすぐ。



とても苦手な職場の女性が退職することになった。

私はとてもうれしかった!

なぜなら彼女は、「かまってちゃん」だったから。


彼女はいつも、会社の不満を私にぶちまけ、大切にされていないことを怒り、私が共感しないと激怒してきていた。


うんざりだった。


今までの人生、私が「断れない病」であることを察知して、「かまってちゃん」が私に寄って来るということがずっと起きていた。

そしてこのどの場所に行っても繰り返す「かまってちゃんとの戦い」に

心の底からうんざりした私は、とうとうそのことに向き合った。


そして、彼女とは「距離を置く!」「かまわない!」と決めて、ずいぶん関わりが薄くなっていた。

その1か月後、なぜか彼女は会社ともめて、感情的に会社を辞めることになった。

彼女の退職を知った時、実は私は走り出してしまいそうなくらい嬉しかった!

訣別を決意して以来、私の中での存在感はかなり薄くなっていたので、いてもいなくてもたいして私の毎日は変わらないが、彼女を見かけた時のざらっとした心の感覚、二の舞にならないように距離を保つ努力は正直大変だった。


無事に退職の日が来た。


挨拶に回る彼女。


その様子を気にする私。


何て言ったらいいんだろう・・・


私のところにやってきた。


「葵さん、私今日でやめるからお菓子どうぞ。」と言う彼女。

固まる私。

自分の決意や、彼女からの攻撃が頭の中を駆け巡る。

そして私は、


なんと



「寂しくなりますね・・・」と言った。



その時、絶望に近い感覚を感じた。

言いようのない気持ち悪さ。

息ができないくらいの喉のつまり。

真っ黒でどろどろしたものが、体の中を走り回っているみたいだった。

その気持ち悪さをかかえたまま、「お世話になりました。」とか、「がんばってくださいね」とか適当なことを言っているうちに終わった。


会話が終わって、ふらふらと自分の椅子に座った。

ただ気持ち悪い。なぜだろう。

最初私はなぜこんなに気持ち悪いのかわからなかった。

なぜこんなに自分をさげすむような気持になるのかわからなかった。

なんで??と自分に聞いてみた。


こたえは、


うそついたからだった。



まったく心にもないことを言ったからだった。

数日前に決めた、「言葉と思いを一致させよう!」という自分との約束を、見事に無意識に破っていた。


寂しいなんてまったく思ってないのに!

走り回りたいくらいに嬉しいのに!

いなくなれ!って何度も願ったのに!

そしてそれが叶ったのに!

叶ってうれしいのに!



私からでてきた言葉は。

「寂しくなりますね・・・」

なぜ私はこんなうそをつくんだろう。

なぜ思ってもないことを言ってしまうんだろう。



これが私のついた最後のうそになった。


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