データで見るここまでのオリックス・バファローズ 〜5月編〜
はじめに
プロ野球のレギュラーシーズンも約4割を消化してきましたが、オリックスは未だに調子が上がってきません。
直近の試合は引き分けですが走塁死が目立つもどかしい試合でしたし、それまでは3連敗。点が入らないため気持ちのいい試合がなかなか見られず、僕も気分が上がってきません。MLBの贔屓球団パイレーツも同じく貧打で苦しんているし……
でも一応、最終戦まで縺れた優勝争いを制した2022年も今の時期までは不調でした。当時の状況は以下の表の通り。
この年は首位と最大11.5ゲーム差離されたものの、当時首位の楽天は5月中旬以降少しずつ貯金を溶かしてゆき、一方オリックスは夏場以降調子を上げて最終戦でソフトバンクを差し切りました。今年も同じような展開になってほしいものです。ソフトバンクが大失速する前提という他力本願ですが
今年と2022年で共通することとして、春の打撃成績が振るわないことが挙げられます。2022年は最終的にはチームとしてリーグ平均を上回る打撃成績を残しましたが、3~5月だけは平均以下の成績に留まっています。そして今期に関しては、ファンであれば成績を見なくともあまり打てていないことは感じていると思います。
では、具体的にどれくらいの成績になっているのか。今回も各種成績からオリックスの現状を見ていきましょう。成績の出典は以下のサイトから。
1.02の有料部分でしか見られないデータについては、それを見て僕が判断したことは書きますが具体的な内容は極力ぼやかすというスタンスでやっていきます。みんなも月1,000円払って各種セイバーメトリクス指標をチェックしてみよう!2,000円出せば二軍成績も見られるよ!(宣伝)
投手
投手はここまで非常によく頑張っていると言えます。主要指標はどれを取っても優秀です。
tRAについては以下の引用をご覧ください。DELTAではtRAを投手WARの算出に用いています。
最初のポストは半月ほど前の情報ですが、飛びぬけて高いWARを記録していることがわかります。また、後のポストからも分かるように現在も良いペースでWARを積み上げており、試合単位のペースでは山本がいた去年を上回る勢いです。先発はもちろんのこと、ブルペンも悪くない数字を残せています。
問題は宮城の離脱です。宮城は現在野手含めチームトップのWAR1.6を残しています。
離脱期間がどのくらいになるかは分かりませんが、WARリーダーの離脱はチームにとってかなりの痛手となるのは間違いないでしょう。先日復帰登板を果たした山岡や山下、椋木、齋藤らがいかに早く調子を上げられるかがカギになりそうです。
野手
投手と違ってこちらは問題だらけと言わざるを得ません。
はい、チームとしてリプレイスメントレベルです。もちろんちゃんとプラスを稼いでいる選手はいますが、いくらなんでもこれは寂しすぎます。ちなみに現在はより悪化して、マイナスに突入しております。
ちなみに野手のチームWARがマイナスのままシーズンを終えた例は存在します。ですからこれが下振れであるとは断言できません。下手したらこのまま行きます。本当に頑張ってください。
野手WARは打撃、走塁、守備によって構成されますが、今年はこの全てが低調です。走れないし守れないのは三連覇中からのいつものこととして、近年は少なくともリーグ平均ほどはあった打撃が振るわないのは首脳陣も誤算だったのではないかと思います。
さて、ここからはポジションごとに区切って見ていきます。
捕手
このチームの一番の強み……になるはずだったポジション。
ポジション関係なく強打者と言える森に捕手としてはそれなりに打てる若月の二人で、去年は他球団と比べて大きなアドバンテージだった捕手ですが、今年はその二人が絶不調。
森は5月に入ってから成績を大きく上げている(OPS.944)ので、これを維持してもらいたいところ。外野や指名打者出場の時に比べて捕手で出場している時の成績が落ちるのが気になりますが……
一塁手
ほとんどの試合を頓宮とセデーニョが担当しています。
セデーニョは初めは好調だったものの5月に入ってから当たりが止まっていて心配です。OPSも.800を切りましたし、そろそろ調子を戻してほしいところ。
頓宮は開幕直後は不調だったもののその後打ち始め、4月終了時の時点でOPS.726と現在の打低環境では優秀な成績でした。しかし5月に入ってからのOPSは.328とまた絶不調期に入っています。一塁のメイン二人が双方不調という厳しい状況です。
また、頓宮は守備でも結果を残せていません。去年は平均以上の水準で一塁を守れていましたが、今年は大きく成績を落としています。もちろんまだ守備イニング数も多くないので偏った結果なのかもしれませんから、打撃も含めてここからの巻き返しに期待しています……と思ったら抹消されましたね。ファームでしっかり調整して早く戻ってきてもらいたいものです。
二塁手
西野が非常に優秀なパフォーマンスを見せている一方、同じくらいの出場数のゴンザレスは全く数字が上がってきません。
西野は離脱するまではOPS.877と調子の上がらない打線の中で気を吐いていました。離脱後はOPS.444とあまり打てていませんが、直近の試合では2本のヒットを放ちましたしここからまた打ちまくってもらいたいところです。
ゴンザレスは開幕からずっと打てていないため特に言うことがないというか……とにかくせめて去年並みには打ってもらわないと厳しいです。守備に関しては去年より良化傾向ですが現状の打撃では到底プラスを作れないので巻き返してほしい。
三塁手
去年に続いて宗が大半のイニングを担っています。しかし去年から成績はずっと低迷しています。
特に守備に関しては、初めてゴールデングラブ賞を獲った2021年は素晴らしかったものの、翌年からは一貫して良い成績を残せていません。そして今年は現状キャリアワーストペースのUZRとなってしまっています。
それでも打撃でプラスを作れていた2022年までは良かったのですが、去年からは打撃面もリーグ平均を下回るパフォーマンスに留まっています。
2年間結果が良くなく今年も今のところ低調な守備が今季これからいきなり改善するとは正直思い難いですし、打つ方でも結果が残せていない以上は、宗の復活の他にも彼を脅かす選手の台頭を願いたいところです。早く太田が安定して打てるようにならないかな?
遊撃手
紅林が攻守に堅実に結果を残しています。
これまでの彼は決して守備でプラスを作れる選手ではありませんでしたが、今年は今のところ良い守備を見せています。打撃面でもキャリアハイペースの出塁率、OPSを残していますし、今年の打低環境でこの成績は素晴らしいです。多少BABIPが高めなのが気になりますが……
ともかくここに関しては成績で不満は全くないので、とにかく紅林が怪我しないように願うばかりです。
外野手
ちょっと力尽き気味なのでまとめます。
西川はもう何も言えません。打ち出すのを待つしかないでしょう。変えるとしたら、個人的には先ほどの画像にあるように少ない守備機会で既にUZR2.2を残している渡部遼人に期待しています。彼の年度別の守備指標を見れば分かりますが、もはや守備力に関しては疑いの余地はないと思うので、何とか打てるようになってほしい。
福田はここまで出塁率.394と素晴らしい成績。昨年の不調からよくここまで上げてきたなと思います。5月は少しペースダウンしていますが、それでもリーグ平均以上の成績は残しています。このままセンターに定着してもらいたいです。
中川は離脱こそありましたが今年も打撃では一定の成績は残せています。正直彼は去年からあまりセンターの守備指標は良くないので、このままライトに定着してくれれば堅実に結果を残してくれるのではないでしょうか。
まとめ
ここまで主力野手がスタートダッシュに失敗するとは思いませんでしたが、ファンとしてはここから2022年の再現を願うしかありません。森は復調していますし、西川や頓宮なども早く本来の姿を取り戻してもらいたいものです。
それではまた次の記事で!たぶんオールスターブレイクの時期になります!