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今週末、X-Pro1が届く

OLYMPUS OM-D EM10 mark3を手放した

カメラで写真を撮る楽しさを存分に教えてくれたOM-D EM10 mark3。わたしが自分のお金で購入したはじめてのカメラだった。
手放すに至った心境は別の記事にしたためているので割愛するけれど、とにかく切ない別れを経て、わたしは新しいカメラを購入するに至ったのだ。

富士フイルムの、X-Pro1。
それが、今週末に届く。
FinePix X100と並び、Xシリーズの元祖とも言うべく機種で、発売年は2012年。はやくも8年が経過している。
以前訪れた北村写真機店のスタッフさんも、「今買う旨みは少ない」と仰っていた。
当時はフラッグシップ機として発売されたていたものの、現在ではエントリーモデルにすらスペック的には完敗している。

でもわたしは、このカメラがどうしても欲しかった。
その理由を、記してみようと思う。

X-Proシリーズに憧れていた

もともと富士フイルムの色表現に憧れがあったことから、買い換えるなら富士フイルムのカメラにしようというのは決めていた。

その中でも、もともとレンジファインダータイプのフィルムカメラを複数愛用していることもあり、X-Proシリーズのルックスには心惹かれるものがあった。
X100シリーズも検討したけれど、最終的にはオールドレンズを付け替えて楽しみたいという理由でX-Proシリーズを購入することに決めた。
Pro1かPro2かで少し悩んだけれど、最終的に1を選んだ。

X-Pro1のデザインが好きなんだ

1も2も3もデザインは似ている。
特に、正面からのルックスはかなり似ているといって差し支えないと思う。
AF補助光窓の形状やグリップの形状など細かい違いはあれど、わたしが最も気になったのは軍艦部の「FUJINON LENS SYSTEM」ロゴの有無!
なぜ、2世代以降の機種からはあのロゴを消してしまったんだろう。スペース的な問題だろうか、残念だ。
ともかく、X-Pro1のデザインはそれ自体で非常に完成されていると思う。

あくまでカメラは写真を撮る道具だと思っているので、見た目だけに拘っているわけではない。けれど、やはり毎日持ち歩くものであるがゆえに、手に馴染み気分の上がるデザインであることは大切なファクターだ。

自分の撮影スタイルにはX-Pro1で十分すぎた

突然だけれど、わたしは幼い頃より目が悪い。
暗いところで本ばかり貪り読む子供だったのと、両親の遺伝もあるだろう。近年は近視に加え乱視にもなり、ますます視界がぼやけていった。
もちろんそのままでは生活に支障が出るので普段は眼鏡なりコンタクトなりしている。ただ、近年はあえて度数を上げ過ぎず、ちょっと目を細めないと見えづらいくらいに留めて使用するようにしている。
頻繁に眼科や眼鏡屋に行くのが面倒というのもあるけれど、とにもかくにも「見えすぎる世界は居心地が悪い」のだ。

遠くまでビシッとくっきり見える世界は鮮明で綺麗だけれど、情報量が多すぎて疲れてしまう。
自分が見たいものさえ見えていれば、その他は滲んでいるくらいで丁度いいと感じる。

最近のデジカメは押し並べてどれも画質が素晴らしい。
モニターを見ると、肉眼では見えていない、気付いていないものまでくっきりはっきり写っていてはじめは驚いた。

高画素・高解像度のカメラの方がクロップ・現像耐性も高く、作品撮りには適しているのだろうとわかりつつ、写真で自己表現したいわたしにとっては自分の目の代わりとなってくれる写りすぎないカメラが欲しかった。
とはいえX-Pro1は1630万画素、以前用いていたEM10と同等の画素数であり、これでも必要十分以上によく写ってくれるカメラであることは確実。2000万画素を超えるPro2やPro3に至ってはオーバースペックすぎて持て余してしまうこと必至だ。

これからはPro1と、そして手持ちのオールドレンズたちといっしょに自分なりの世界の表現を試みたい。

Xシリーズの原点を味わってみたかった

とはいえ、やはりX-Pro1は8年も前の機種であり、今買うには手放しで勧められない点も多い。
ファームアップで多少改善したらしいものの操作性はモッサリしていているようだし、AFの精度が低く動きものの撮影は苦手。
ファインダーや液晶の画質も良いとは言えない。

その点、Pro1からの正統進化を果たしたと言われたPro2は大きく評価されたし、今でも愛用している人がたくさんいらっしゃると思う。
Pro3は非常に尖った進化をしたので合わない人も多そうだし、Proシリーズの中で1番広く勧めやすいのはダントツPro2だろう。

ただ、Pro2があんなに愛されるカメラになったのは、Pro1があったからこそだと感じたのだ。
みんな、時に扱いづらさを感じながらもPro1に惚れ込み、使い倒して、そしてその結果順当に進化したPro2への歓喜があった。

わたしも、不自由をも楽しみながら、純粋に写真を撮る喜びに向き合ってみたいと思った。そうすることで、より自分の目や精神性を反映した作品を撮れるようになるのではないかと感じたから。

不自由を楽しみたいのならフィルムカメラでいいのでは?

とは自分でも少し思った。
実際フィルムカメラも数台持っているし、それらでの撮影はとても楽しい。
けれど、今の自分が写真の腕を上げるためにはやはりデジタルカメラが必須だと感じた。

フィルムで撮ると、失敗した写真でも「それっぽく」見えちゃうのだ。特に今はオールドレンズやフィルムカメラで撮影した「エモい」写真が流行なのもあって、自分の許容度が上がっている気がする。
ピントが合っていなくても、露出オーバーして光飛びしていても、なんだかそれっぽく見えてしまう。

それに、やはりその場で写真を確認できないのは痛い。
デジタルカメラであれば、その場で写真を確認し、失敗していたら再び条件や色味を調整して再チャレンジできる。その繰り返しで、きっと写真の腕が上がっていくのだと思う。

Pro-1を使い込み、マニュアルで思うままの写真を自在に吐き出せるようになれば、フィルムカメラも、それからPro-3ももっともっと自由に楽しめるようになると思う。

X-Pro1は安い

本当は新品が欲しかったけれど、さすがに8年前の機種。見つけられなかった。中古の良品を選んだが、価格はボディのみで50,000円ほど。並品なら3-4万円で手に入る。
私の場合はEM10を買い取り価格アップ中に下取りに出したので、15,000円ほどで購入出来てしまった。安い。
妥協して安いものを買うと結果的に「安物買いの銭失い」になりがちなので避けているけれど、本心で欲しいものが安く手に入るのは素直に嬉しい。

今週末が待ち遠しい

今はただ、はやく触りたい。
撮りに行きたい。そんなワクワク感でいっぱい。
悩んで色々考えて選んだ新しい相棒と、写真撮影にのめり込める日々が待ち遠しい。

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