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共感できる小説の強さ <創作大賞感想>

私は今年、心臓のカテーテル治療をしました。おかげさまで経過観察中ではありますが前よりも元気なくらいです。
その辺のことはこちらに。
(ほとんど『水車小屋のネネ』の感想のようですが)

心臓の健康のために少しずつ負荷をかけましょう、と医師に言われて、ほんのちょっとですが早朝のウォーキングにジョギングのようなものを織り交ぜています。
「のようなもの」と書いたのは、まだほとんど早足くらいのもので、昨日初めて歩いている人を追い抜いたという程度です。
 始めたときは、すぐに足が重くなり、呼吸が荒くなって立ち止まってしまいました。犬の散歩をしている人が大丈夫かという顔で見ていました。
 笑われているのだろうな。そんな情けないスタートでした。

 それでも数日続ける内に距離が伸びていきます。気がつくと、いつものウォーキングとは、顔に当たる風も足の筋肉の張りも違います。家に戻ると汗をかいています。顔を洗ったときの爽快さ。しばらく忘れていた感覚です。

「胸を張って走れ」 
三浦直子さん

ある日突然フルマラソンの大会に出場することを決めた主婦の話です。
今の私にはど真ん中ストレートの第一話でした。

モヤモヤする毎日をおくる主人公、一念発起するも屈辱的な出来事、いきなりハードすぎる目標設定、夫との賭けに勝てるのか……

「わかるなあ」と共感できる始まりを持つ小説は、もうその時点で祝福されています。

実話を元に書いていらっしゃるようです。文句なく面白い導入です。書かれている内容に無駄がなく、どれかが読者の心の琴線に触れるようになっていると思いました。
釣り針がたくさん垂れている感じと言っても良いです。

私も見事に釣られてしまいました。
どうぞ、1~2話をさらっと読んで見てください。

タイトルもいいですね。私の好きな
「風が強く吹いている」、「一瞬の風になれ」
のように強いです。

そうそう、どこからお仕事小説になるのか、それも楽しみです。


他の方の作品を読むと、気づきがもらえるのはもちろんですが、自分の書いたものを振り返ることができるのも、ありがたいことです。
※これはファンタジーなので、ちょっと共感は難しいかもしれませんが。


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