水槽の富栄養化は、水草が枯れる原因になる話。
水草が枯れてコケだけが増えてしまう。その原因は、富栄養化とよばれる現象かもしれません。
アクアリウムを始めると耳にするコトバのひとつ。
漢字を見ると栄養が多いのだから、なんだか良さそうじゃん、と思いますよね。でも水草は枯れるし、コケは増えるのです。
今回は富栄養化した水槽で起きる問題、
この2点について、解説していきます。
富栄養化とは
そもそも富栄養化とは、どんな現象なのか。
一般的には、水中にリン酸や窒素(硝酸塩)などが多い状態のことをいいます。
リン酸や窒素(硝酸塩)は、栄養塩とよばれます。だから栄養塩が多い状態になったときのことを富栄養化というのですよ。
水槽に蓄積していく「残り餌」や「お魚のフン」には、リン酸と窒素(硝酸塩)が含まれています。
リン酸は、餌の食べ残しから発生。窒素(硝酸塩)は、お魚の排泄物がバクテリアによって分解されて、最終的に残ってしまう物質。
お魚が多かったり、餌をあげすぎたりすると、リン酸と窒素(硝酸塩)も増えやすくなります。富栄養化を招きやすくなるのですよ。
富栄養化すると水草が枯れる理由
水草が育つためには、さまざまな栄養素がバランス良く揃っている必要があります。
具体的には、絶対必要な栄養素として、窒素、リン、カリウムの3大要素。ほかには、マグネシウム、カルシウム、鉄分など微量元素も求められます。
ですので、窒素とリン酸ばかりが増えてしまった富栄養化の状態だと水草は枯れてしまうのです。
富栄養化するとコケが増える理由
栄養素がありあまっている状態なので、水草は吸収できません。
あまった栄養素をがぶ飲みするように吸収して、コケが増えていくからです。
水草は三大栄養素から微量元素まで、バランスよく取りこまなければなりません。
コケに関しては、偏った栄養素でも十分に成長ができます。つまり、窒素やリンだけあれば良いのですね。
だから富栄養化すると、コケは勢いよく増えるのに水草は育たないのでした。
まとめ
■富栄養化とは
・水中にリン酸や窒素(硝酸塩)などが多い状態のこと
■富栄養化すると水草が枯れる理由
・水草が育つには、リン酸や窒素(硝酸塩)以外の栄養素がバランスよく必要だからです
■富栄養化するとコケが増える理由
・栄養素がありあまっているから、コケが利用して増えていきます
お魚が多くなってきて、餌の量が増えるとリン酸と窒素(硝酸塩)が増えてしまいます。
食べ残しが出ないように餌の量を調節したり、水換えをしたりして余分な栄養素を排出しましょう。
また、リン酸と窒素が含まれている「水草の肥料」もあります。水草が育たないな、と思ったときに使いがちですが、肥料は入れすぎないように気をつけてください。
富栄養化を招く原因になってしまうからですよ。
この記事が参考になれば幸いです。
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