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コロナにつける薬vol.5 鬼滅

アドベント的に毎日書くはずだったんですが、公演日はやはり文章を書いているひまがありませんね。今日は、昨日の分を合わせて二つ書こうかな。

最近巷ではやるもの、と言えば…
あれですよね。鬼の出てくる話。桃太郎じゃないですよ。

わたしはホイホイ流行に乗っていくタイプでもないんですが、流行っているものに関してはその理由を知りたくなる方です。なので、まずはNetflix(『全裸監督』を見るために登録したままになっていたw)でアニメをチェックしてみました。ついでに進撃の巨人のアニメも全部見ました。関係ないけど。

ふむふむ。なるほど少年漫画の王道。強大な敵、それと戦うために強くなることを願う主人公、キャラ立ちした仲間たち。面白くあっという間に観てしまった。売れる理由はよくわかった。で、そうかアニメの続編はまだ出ていないのか、では漫画を読むか、それとも続編が映画で制作されるという前代未聞の試みを楽しみに待つか、というところで、結局後者を選択した。

公開二日目にすごい数字を叩き出して、どの映画館も複数のスクリーンで『無限列車編』を上映している、という状況。そして聞こえてくるのは「号泣した」「嗚咽した」という涙の報告ばかり。なんだこの騒ぎは…そんなにすごいんかい!と、川崎のホテル縁道を予約して、子どもとふたり稽古の後に観に行くという万全の体制を整えた。

シンプルに伝えよう。
私は泣かなかった。映画館では。煉獄さんの言葉の数々は確かにいい。でもなんだろう。それほど私の魂は掴まれない。これはおそらく、普段から私はわりと煉獄よりの考え方をする人間だからなんだろうと思う(主人公側に心を寄せてこの作品を観ているならば、ラストシーンで涙腺がやられるのは必定だ)。
ただし最終的には泣いた。これを観てしまったからだ。

まだ聴いていない人がいるなら、聴いてほしい。
なんなら、鬼にも滅にも刃にも一ミリも興味がない人も、これは聴くべし。もー、なんだこれ!!!!!!

LiSAさんの歌う鬼滅の刃主題歌『紅蓮華』はあちこちで流れていて、何度も耳にしたことがあったけれども、パワフルかつ甘い、恵まれたボイスの持ち主だな、くらいの認識だったのだ。だが、この動画を観ていろいろぶっとんだ。そして号泣していた。嗚咽していた。そうか、今のエンターテインメントというのはこうやってすべてがMixされて出来上がっているのだ。映画『鬼滅の刃 無限列車編』の主題歌『炎』の歌としての完成度、それを体現しきる歌い手・LiSA、何度聴いてもサブイボが全身に立つ。

アニメの主題歌がその作品の世界観を決定づけるパターンは、エヴァの例を見れば今に始まったことではないが、昨今のこの動画メディア全盛期、これほど効果的に楽曲をプレゼンすることができることに慄くしかない。劇場でこの歌を聞いたときの二百倍、この動画と音楽は皮膚を侵して心をつかむ。

そして、物語を思い出す。あの月の晩に戦っていた炎の剣士と、その背中を見つめ続けた主人公。今は弱くても、いつか追いつきたいと願った強い人が魂を燃やし尽くして死んでいくのを目の当たりにした夜のこと。うむ。それを念頭にもう一度この音楽を聴くと…はい。泣けますね。もー。だって、冒頭のピアノの音からしてやばくない?LiSAさんの歌う前の集中力とかすべて含めて、表裏なく見せていくのが、いまの時代のエンターテイメントなんだな。

自分の仕事に照らし合わせてまとめると、言葉と音との関係をもう一度考えるきっかけをもらいました。カタリをやるうえで欠かせない感覚なのですが、いままであまりにも感覚的にやりすぎていたな、と反省する。この辺りはもっと戦略をもって、自分なりの理論を組み立てていきたい。

ヘッダーの写真は、空太郎たちがダンススクールで踊らせてもらった「鬼滅版よさこい」の写真です。ほんと、いろいろな層にきっちり響く作品、時宜に合ったテーマと的確なプレゼンテーション。勉強になりました。そろそろ漫画読むかな。

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黄色い少年の役をもらった空太郎さん。桜を背負って踊らせてもらうなんて、羨ましいです 笑


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