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1日店長の雑記

玉ねぎをみじん切りにする時間が好きです。ひとり黙々と刻むときも、誰かと一緒に刻むときも。穏やかな時間が流れているような気がします。刻むのはあまり上手でないので、作業速度はゆっくりです。でも、今回は時間に追われていて、業務スーパーで冷凍の刻み玉ねぎを買いました。ちょっと寂しい気持ちもありつつ、おかげで営業開始までに作り終えることができたので良い判断でした。

2年ほど前からスパイスカレーを作り始めて、そのうちカレー屋さんになるのもいいなと思い始めて、それから友人を招いてカレーを振舞うようになり、先日初めてお店でカレーを提供しました。慣れない環境で最初は味がまとまりませんでしたが、経験豊富なお店の方に手伝ってもらいながら、なんとか納得できるものができました。大きな1歩であると同時に、まだまだ修業が足りないなとも思いました。

カレー屋さんにはいろいろな人が来てくれました。高校同期。ゼミの後輩。葛尾村の方々。大学の先生。サークルの友人たち。復興創生インターンシップつながりの大学生。月並みですが、いろんな人たちに支えられて大学生活を過ごしたんだなと感じました。

自分は集団への所属意識が希薄の方だと思います。実態としてはたぶん嘘なんですが、人の集まりに馴染めた記憶があまりありません。プロジェクトっぽいものには比較的適応できるのですが、なんとなくの集まりで上手くやっていくのが苦手です。人と旅行するのとか難しいなと思います。それはよくないなと思い、大学生活では表層的に取り繕い続けていた感じがしていたのですが、4年も続けていたら別に表層でもないような気がしてきました。人付き合いが苦手なことには変わりないですが、そんなことは関係なく友人に恵まれた大学生活だったと思います。

今回はカレー屋さんと一緒にトークセッションをしたのですが、友人の提案で、登壇者それぞれが数冊ずつ本を持ち寄ることにしました。前日に自宅で持っていく本を選ぶのも、当日にみんなが持ってきた本をパラパラめくるのも楽しくて、もしいつかカレー屋さんをやるなら、ブックコーナーを作ろうと心の中で決めた1日でした。特に大学後半は輪読会をたくさんしてきたので、1冊1冊に個人的な体験が宿っていて、そういう話をするのも面白かったです。

記憶が新しいうちに、トークセッションについても書くことにします。正直まだ消化できていないので、ちゃんとした議論はいつか公開されるであろう同人誌に期待してください。とりあえず、現在の自分が持っている感触を自由に書き残すことにします。

今回のトークセッションでは、友人にグラフィックレコーディングをお願いしました。録画を見返したんですが、なんだかすごかったです。こんなことができる人がいるんですね。僕も進行時に議論構成を整理していたんですが、自分とは視座が違うなと思いました。イメージですが、彼女は面的に全体を整理している一方で、僕は一方向にアウトラインを構築していたような感覚があります。

明日の卒業旅行に寝坊したくないので、今回のトークセッションに関連して考えたいことを書き残して、雑記を閉じることにします。

  • (主に探究学習の文脈において)自分の意図を説明することと、相手に意図を理解されることと、「主体的」であることの関係について

  • 「相互的な主体性」に関する議論における他者との関係とコミュニティの位置づけについて

  • 関係から逃れ続けようとする姿勢、あるいは社会に対する捉え方について

  • 異なる関係に同じ名前をつけることについて

  • 「主体性の要請」あるいは「一貫性への執着」を自覚した上で手を動かし続ける方法について

  • このような議論を私たちがしている社会的背景について

またどこかに振り返りをちゃんと書きます。

最後に短く。地域での仕事に携わったり、プログラミングを始めたり、カレーを作るようになったり、あるいはこのようなイベントを企画したり、何をこんなに生き急いでいるのだろうと自分でも思います。探究学習的なものに背中を押された勢いのまま、大学卒業まで来てしまいました。でも、そのことを自覚して、主体性を飼い慣らそうとして、手を止めないでここまで来たことで、いろんな出会いがあったことは幸運だったと心から思います。

またカレーを食べ来てください。

余田大輝

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