トルコ旅行記2日目 1月25日後編
ダーダネルス海峡を渡ったバスは、そのまま港近くの住宅街につっこみ、信じがたい小道をぐいぐい走っていきます。そして、ランチを食べるお店に到着。
トルコはイスラム圏としては唯一の世俗国家(国が国民にイスラム教を強制しない)なので、割とどこでもお酒を飲めるし買えます。そんなことを全然知らなかった私は、ここのレストランでガイドさんから「ビールもワインもありますよ〜どうします?」って言われてめちゃくちゃびっくりしたのでした。
どうするかと聞かれれば、飲みます。
グラスについているEFESのロゴはエフェスビールのものです。私が飲んだのは違うメーカーのビールでしたが、エフェスビールを頼んだ隣の席のおっちゃんが少し飲ませてくれまして、どちらも非常に爽やかな味でした。沖縄のビールっぽい気もした。
サラダはオリーブオイルとワインビネガーと塩で食べるスタイル。ドレッシングはない。この店が、というより、トルコではついぞドレッシングを見ることがなかったです。サラダと一緒についているのはレンズ豆のスープで、こういう豆スープは違いが分からないくらい同じ味のものがほぼ毎食出された気がします。日本の味噌汁的なやつだろうか。
3枚目はスズキの塩焼き。ちっちゃいスズキを丸焼きで食べるのはじめて。お箸欲しかった……。一緒に乗ってるのがお米なんですけど、混ぜ込んであるちっちゃい柿の種みたいなやつは、なんとわざわざお米の大きさに合わせて作ったパスタなんだって。うっすら塩味。春巻きの中身はチーズだった気がする。
ランチ後はトロイア遺跡であります。ようやくトルコ初観光。
赤:イスタンブール新空港から370キロ走り抜け、ついに青:トロイア遺跡に到着したのです。
街は高台になっててめちゃ見晴らしいよくて、古代ギリシャ時代には目の前まで海が来てて、植民地支配のとっかかりとして要所でした、みたいな話 確かにロケーションは最高 pic.twitter.com/LhXW5xtX6a
— ざべす (@a_r_c_t_i_c) January 25, 2020
トロイアという街は海峡沿いの小高い丘の上にあり、遺跡の上に立ってみると、防衛上重要な拠点であったことがコンマ3秒で理解できます。黒海沿岸の植民地開発の足がかりとなる拠点でもあり、経済的な観点から見ても外せないポイントだったというわけです。
現在はダーダネルス海峡が運んでくる土砂によって、海岸線はかなり遠くなってしまいましたが(ってことは昔のダーダネルス海峡はもっとガバガバだったってことか?)、少なくとも古代ギリシャ支配の時代までは街の崖の下まで海が来ていたそうです。海岸線が遠のいた今でも、あたり一面なだらかな低地で見晴らし最高。
トロイアは過去9回街が建って、X、つまり10の層が今ここ pic.twitter.com/H593XDXqiW
— ざべす (@a_r_c_t_i_c) January 25, 2020
現在も発掘作業は続いており、過去5000年の間に9回街が作られたというこの台地の遺跡は、まだ土の中に埋もれている部分も多くあります。
発掘が済んだ場所には木製の足場が組まれ、遊歩道のようになっていて、遺跡全体が広い公園になっていました。
死ぬほど遺物出てくるからしょうがないと思うんだけど、意味わからんほど雑な感じでギリシャ時代の柱とかローマ時代のレリーフがそこらに置いてあって、発掘品のインフレが起きています。
↑の写真はバラをモチーフにした古代ローマ時代のレリーフだそうです。
かつて一度でも立体的な作品の制作をしたことがある人には分かってもらえると思うんだけど、凹の造形って凸の造形に比べて遥かに難しいんだよ。それを石で…しかもこんな正確な直線で…。ちなみにこれも、落ち葉が積もっていることから推察できるように、めちゃくちゃ適当にそのへんにおいてあります。
遊歩道沿いにはかつての町並みがはっきりわかるような石積みの壁や道路もあり、野良犬(クソでかい)が一緒に歩いて回ってくれました。
↑の傾斜がついている坂道は、古代ローマ時代に馬車を走らせるための車道だったそうです。立派な街だわ〜。
個人的には同じ場所に街が9回作られたことよりも、街が9回滅んだことのほうが衝撃でした。そんなにも争いが絶えないほど、魅力的な立地だってことなんだなあ。
トロイアと言えばトロイの木馬の伝説も有名です。ていうかさ、普通に現代日本で生きてたらさ、トロイの木馬って言えば伝説的な戦争のエピソードよりも、圧倒的にパソコンウイルスとしての認識になるわけじゃん。まじのトロイに来れるとか、想像できるわけないじゃん。そうなると、はしゃがない理由がひとつも見つからないの。
いやーはしゃいだ。はしゃぎすぎちゃった。ぼかしの下の我々、お年玉もらった直後の小学生並のご機嫌スマイルをキメています。
これは「トロイの木馬ってこんなもんだったんじゃねーの?」っていう適当な想像に基づく妄想度高めの再現だそうですが、こんだけデカけりゃさすがに当時の市民も「この中に敵兵が潜んでいるのでは…?」って気が付いちゃうんじゃないか、という気もしないでもありません。
お土産屋さんも「今ここで木馬売らないでいつ売るんだよ」っていう勢いでめちゃくちゃ木馬売ってます。
おまけで、トロイア遺跡で見かけたフリーダムドッグとフリーダムキャットを置いておきます。
たっぷりトロイ遺跡(赤)を楽しんだ後は、なんとさらに2時間半かけて150キロ先のホテル(青)へ移動します!トルコでけえ〜〜〜〜〜〜!
地図じゃ全然分かんないけどこのへんえっっっっぐい山岳地帯で、山と海の狭間のかろうじてなんとか平らと言えなくもないみたいな部分に家屋がひしめきあっている pic.twitter.com/7QgxAWIgWS
— ざべす (@a_r_c_t_i_c) January 25, 2020
途中でトレイ休憩も兼ねて売店に寄ったんですが、陽が暮れていく地中海美しすぎんだよな。ここは本当に札幌と同じ星ですか?
休憩で止まったガソスタでツラ買いした pic.twitter.com/tC8I0rZ414
— ざべす (@a_r_c_t_i_c) January 25, 2020
本日の宿泊先はアイワルクのGRAND HOTEL TEMIZELという、地中海に面したリゾートっぽいホテルです(なんせ冬だったので…リゾート感がよく分からず…)。ホテルの庭から浜辺に直行できて、部屋のベランダからも地中海が見えます。非常に美しかった。トルコで5泊した中で1番眺めの良いホテルだった。
ホテルがマジモンの地中海 pic.twitter.com/Y68Lzf8q4y
— ざべす (@a_r_c_t_i_c) January 25, 2020
ホテルに付いたのが17時半くらいで、ご飯が19時からだったので、オイルマッサージをお願いすることにしました。これがめちゃくちゃすごかった。
案内されるまま更衣室につれてかれて「服脱いでブラ外してパンイチになったらガウン着てこっち来い」みたいな説明を受けます。言われたとおりに着替え、呼ばれるままに私とタケユキ2人それぞれ別の部屋に入ったら、私の部屋の方には子供300人生み育てました系のマッスルマダムが腕まくりして仁王立ちしてるわけ。
とっさに私の頭には「リトルマーメイドでこんなシーンなかった…?なんか、エビだかサカナだかがお城の厨房に迷い込んじゃって、料理しようとするコックさんに追い回されるやつ…タケユキ大丈夫か!?」みたいなことが浮かんだんですが、混乱の極みにあり、しかもほぼ裸という完全丸腰スタイルでいるため、事実を確認することはできません。
6畳くらいの部屋の中はオリエンタルな内装で、中央に施術用のベッドが置いてありました。マダムが「アオムケ!」と言うので仰向けで寝たら、「Oh...ウツブセ...、私、日本語チョットデキナイ…」ってめちゃくちゃはにかまれました。突然のデレ。いや、別にここまでツンだったわけじゃない。ひたすらマッスルだっただけ。
うつ伏せになって寝てしまうと、背後で何が行われているかわかりません。マダムが私のガウンを剥がしてオイルを垂らし始めたので、オッそろそろマッサージ始まるかな〜なんて思って目をつむったら、マッサージなんていう甘いもんじゃなかった。マッサージじゃなければなんなんだっつー話なんですけど、もしこのマッサージをマンガで描くとしたら、デデデデデデデデ!!!!!っていう効果音が付いてたと思います。
マッスルマダムはスピードとパワーを兼ね備えているので、尋常じゃない勢いで上半身を揉みまくってくれます。あまりにも強烈なスピードとパワーを兼ね備えているので、右腕を揉まれているのにその衝撃波がデデデデ…と小刻みな揺れとなって左足の小指まで伝わってきます。
衝撃波を全身に浴びながら、私の脳裏に次に浮かんだのは圧力鍋でじっくり煮た鶏肉の手羽元でした。ちょっとお箸を刺すだけで、骨と肉がきれいに剥がれるやつ。このスピードとパワーでデデデデ揉まれ続けたら、私もあんな風になってしまうのでは…?骨から肉が離れて、私の肉部分は施術台から落っこちてしまうのでは…!?!??
恐怖を覚えはじめた私は、万が一に備えて、肉離れした場合のことを想定しはじめました。ここでネックになるのが、私の致命的な英会話スキル不足です。痛いことは身振り手振りで伝えるとして、具体的に肉離れってなんて伝えればいいんだ…?肉離れ…肉……ミートグッバイ……だから、えーと、マイ・ミート・イズ・グッバイ・フロム・ボーン!!よし!!!!!!これだ!!!!!!!!!!!!!!!
…と、確信を得たところでちょうどマッサージが終わりました。幸いにも私の肉はちぎれることもはがれることもなく、正しい形状を保っていました。凄まじいスピードとパワーだったにも関わらず、痛みは全然感じなかったし、終わったあとすーっごいすっきりしたし、さすがマダム…300人の子を生み育てただけある…(?)。
値段は多分40分200リラ(約4000円)とかそんな感じだったと思います。13時間のフライト後、7時間バスに乗り、更に2時間半バスに乗って、爆発寸前だった私の肉体疲労は一気に回復しました。ありがとうマダム。
マッサージ後はホテルでディナーバイキングです。
オイルマッサージを終えたあとシャワーを浴びる時間がなかった私とタケユキは、ヌルヌルテラテラのままバイキング会場のレストランへ向かいました。
謎だらけのディナーバイキング pic.twitter.com/aZPiskw6hI
— ざべす (@a_r_c_t_i_c) January 25, 2020
何かをよく煮てペーストにしたやつがいっぱいありました。
食後はホテルのバーで、地元のジンの炭酸割りをひっかけました。後からガイドさんから聞いた話ですが、トルコでウォーターと言えば普通の水が出てきて、ミネラルウォーターって言うと炭酸水が出てくるそうです。
そう言えばわたしたちがトルコに向かう飛行機に乗っている間(おそらくイスタンブール新空港に到着する数時間前)、トルコ東部で大きな地震があったとかでテレビが湧いてました。
飛行機から降りてtwitter見たら、その心配をしてくれてる人たちも何人かいました。でも、地震があったのはトルコのかなり東側だったので、観光で行ったルートにはなんの影響もありませんでした。日本で言えば、九州で地震が起きたけど札幌は特に影響ない、みたいな感じかな?
晩飯を済ませ、1杯ひっかけ、シャワーを浴び、日本でお布団に別れを告げてから48時間後、ついにベッドにたどり着きました。長かったぜ〜〜〜!
普段から世間一般とは5,6時間ずれた生活をしているせいか、もともと小刻みに昼寝を取る習慣のためか、まったく時差ボケがありません。6時間程度なら誤差の範囲として身体がうまいことやってくれるみたい。
次はエフェソス遺跡です!じゃねー。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?