好きなことで生きていく。好きなことで生きてくのは、めっちゃ辛いけど、楽しくてやめられません。

2021年3月8日 18:01

『好きなことをして生きていく』意識高い系の極みのような言葉からの書き出しになったのですが、僕も好きなことをして生きている一人です。僕は果たして本当に好きなことをして生きているのか。好きなことをして生きるとは何かを考えることで、『仕切り直し』をしようと考えました。

そう。仕切り直しなのです。
コロナ禍においてありとあらゆるものが『仕切り直し』となって行く流れの中で（オリンピックだってまさに仕切り直しだ）、格闘技だって仕切り直しでしょう。コロナで止まった物語は止まったどころか解消されてしまって、当座を凌ぐのに精一杯で、とりあえず大量生産大量消費をしたのはいいものの、この先に繋がって行くものが見出せないからこその『仕切り直し』です。

仕切り直しについては『まっする』のは坂井さんが仰っていて、まっするのテーマとしてお話を伺ったときにしきりに仰っていて、坂井さんの創るものは社会と握りあっています。前回のまっするでも『労い』をテーマに感じたし、まっするの世界観が格闘技で出来たのであれば、格闘技が根を張ったものになるし、消費されない格闘技ができるのに毎度影響と嫉妬を感じています。

好きなこととは何でしょうか。
人それぞれ好きなことはあると思います。人によっては格闘技かもしれないし、料理かもしれないし、勉強かもしれません。それは人それぞれです。好きなことの定義として僕が大事にしていることはいくつかあります。

何もかも忘れて没入できること。

格闘技をしているときは嫌なことを全て忘れることができます。
これを強く感じたのは家庭崩壊時でして、家で嫌なことがあっても格闘技をしているときは何もかも忘れて楽しめるし、プロレスしているときも嫌なことは全部忘れられました。今も嫌なことがあってもプロレスや格闘技をしていたら、忘れることができるし、汗をかけば前向きな気持ちになれます。

格闘技さえあれば他は何もいらないと思っていたし、今も変わらずに思っています。好きの次元も色々とあるとは思いますが、僕は家族も何もかも失ってでも格闘技が大事です。格闘技＝青木真也であるから、青木真也が一番大切で家族は格闘技に勝るものではなかったです。非道徳で人でなしだったとしてもそれが事実だから仕方がない。

やらないと生きていけないこと。

格闘技をやっていないと生きていけません。これは経済的にではなく、格闘技をやっていないと生きている気がしないのです。これはプロレスや仕事もそうでやらないと生きている気がしません。

北岡悟さんが試合後にプロ練習に来てくれました。
大きな試合だし、節目になる試合だったので別に練習をしなくてもいいし、ジムの長として、やることもやらなくてはいけないこともあるはずなのに練習に来るのです。やらないと生きていくことができないのはわかるし、これこそが好きで格闘技選手だよなって思います。彼のそこは信用できるのです。

救われているか。

闘うことで救われているか。
見城徹さんの言葉で小説家は書くことで救われる人といった主旨の言葉がいくつか出てきます。まさに格闘技選手もその通りで、闘うことで救われているかが格闘技選手かどうかだと思っています。

僕の格闘技は救いであって、格闘技をすることで救われているし表現することで救われています。闘う場がなければ死んだも同然だし、生きていけないと思います。

格闘技選手はなるものではなく、仕方がなくこれしかできなくて、これがなければ生きていけない人がなるものだと思っているのですが、僕がそう思う理由に上のことがあるのです。かっこいいものでも偉いものでもないです。

好きなことで生きていくって苦しいんだぞ。

好きなことで生きている人。やりたいことをやっている人。
僕の周りには沢山います。格闘技選手だけでなく医者だって、クリエイターだって、カメラマンだって、プロレスラーだって、仕事が好きで好きなことで生きている人は多いです。

好きなことで生きている人は例に漏れず苦悩していたり、必死にやっていたりと何かと闘っています。そんな仲間で会うと近況報告と情報交換という名の苦しいぞーって話が始まりますが、皆揃っていい顔しています。

僕の友人である杏クリニックの鬼澤さんは「診療は癒し」というほど仕事が好きですが、如何に組織としていい医療を提供するかで会うたびに考えているし、葛藤しています。２人でサウナに入って近況報告して互いの持ち場で頑張ろうってなるのが毎回です。

僕も試合前は怖いし、試合はしたくないし、練習では息が上がって苦しいし、本当に辛いです。メンタル的にもフィジカル的にもこれで終わりにしようって思うのは毎回だし、今もそう思っています。好きなことをやるって楽なことばかりじゃないし、辛いことの方が多いと思うけど、それでもやってしまうし、やりたいと思えることが好きなことだと思っています。