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仕事の報酬は仕事。闘いにご招待される。

23時25分。床に着いたところでに電話が鳴る。

これは居留守だと思ったら、yuji kitano と画面に出るので何かと思い反射で受ける。ABEMA のプロデューサー北野さんからの電話は大事な仕事の話だ。選手と放送局の関係は互いに意識しているようで、親密にはなれど友人とはまた違った関係を互いに大事にしているのか緊張感がある。

殺しのある格闘技業界関係者は仕事への向き合い方が断然違って、それは僕の師匠筋である加藤浩之さん(DSEの専務でDREAMを指揮していたボス)も北野さんにも共通している。真っ直ぐさと必死さの熱量を兼ね備えていて、いい歳をして青春しているのだから、周りは大変だろう。熱狂は近いところには迷惑を掛けるのが定例だ。

電話の内容は試合の話。最近の試合オファーはメールで打診がきて「yes」と答えたら試合同意書が送られてきては返しての作業で、よく言えばシステマチックだけれども、悪くいえば無機質というか、機械的な味気ない試合オファーなのだ。こうして試合の意味や経緯を話してくれての試合オファーはレスラーとして嬉しいものだ。

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思えば加藤さんは毎試合試合のオファーは直接説明をしてくれたし、口説いてくれた、何よりも熱量があったから、僕は好きだったし、親密だけれども友人ではないを絵に描いたような関係だったと思う。

北野さんから「相手、場所、日時」のどれから説明しようか定まらず、それでも熱意だけは電話越しから伝わってくるのだから、こちらも暖まってくる。一通り聞いてから、いつも試合は「客観的に」、「人ごとに」受けるようにしているから、「いいんじゃないですか」と答えて北野さんが肩透かしに合う定番であった。

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さて何が青木真也の周りで起こっているのか。現状話せる範囲で記していきます。

仕事の報酬は仕事。そうしてここまできたんだ。

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