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<王者>上野勇希 vs 青木真也<挑戦者> 中嶋遠藤における解釈の相違が根底にあるのではないか説

8月は8月25日の上野勇希戦に懸けて生活しているのですが、青木真也と上野勇希さんの試合のピントがいまいちあってこないこともあって、どこにどう向かってどう叩き潰せばいいのか、未だ解像度が高まっていません。

上野勇希さんの発するものと触れる中で「中嶋遠藤における解釈の相違」が僕と大きく異なることを発見しました。中嶋遠藤とは2022年6月12日のサイバーファイトフェスにて、中嶋勝彦さんが放った序盤の張り手で遠藤哲哉さんをノックアウトしてしまった試合で、この試合をどう捉えるかがプロレスに対する向き合い方が透けて見えてくるのです。

中嶋遠藤に関しては現状では「なかったこと」になっています。DDTのどのレスラーも触れないし、誰もやり返そうとしないのは不自然だと僕は思います。それが会社の意向なのか、個々の選手の立ち振る舞いなのかは僕の知るところではありませんが、あれだけの事態がなかったことになっているのは不自然に感じるし、起こったことを転がして面白くしていくのを真骨頂だとする僕の流儀からは離れたところにあると感じています。まあそれはそれとして。

中嶋遠藤戦を改めて掘り起こすことに僕の真意があるのではなく、中嶋遠藤戦の解釈をどうするかが分かれ目であって、僕は中嶋遠藤戦を闘いである以上はアクシデントではなく負けだと受け取っています。序盤戦での張り手での決着をアクシデントとして捉えてしまうことで、闘いではないことを認めてしまうことになるし、張り手だってヘッドロックだって抑え込みだって、ノックアウトもギブアップも3カウントも奪える技なのだから、張り手でもノックアウト負けは負け以外の何ものでもないと僕は思います。

勝敗にこだわらない勝負の価値は薄いですが、どんな結果にしろ徹底して勝敗にこだわった先に出た結果の価値は揺るがないので、負けたら負けたで勝ったら勝ったで話を紡いでいくのが「プロ」であって、プロレスラーもプロ格闘技選手も共通する大事な要点だと僕は思います。競い合いの中で徹底して勝敗を競い合うことで勝敗を超えるのが「プロレス」だと僕は考えていて、僕が憧れたケンドーカシンも藤田和之も桜庭和志も徹底して勝負にこだわることで勝敗を超えたモノを築き上げてきました。プロレスもプロ格闘技も徹底して勝敗にこだわって存在を賭けることで勝敗を超えるものになるのは共通したところです。

青木真也の代表作を挙げると「秋山成勲戦」が出てくるのですが、あの試合も徹底して勝敗にこだわって存在を賭けて臨んだからこそ、負けはしたけれども代表作で悔しいけれど僕が定義する「プロレス」となりました。僕の格闘技戦は秋山戦に限らず、存在を賭ける試合なので「プロレス」になっていて、その意味では僕が憧れたケンドーカシンができています。格闘技戦でプロレスができているけれど、プロレスにおいての世間に伝わるような代表作は出来ていないのはプロレスの中での僕の力不足を認めるところです。

青木秋山戦が代表作と言われるように青木真也は格闘技選手の枠から出れず、プロレスラーの完全なる立ち位置を得られていません。そこに関しては良し悪しでもあって、青木真也の個性でもあります。ただ青木真也としてプロレスの枠の中で、徹底して勝敗にこだわって存在を賭けた試合をしたいです。いや。しなくてはいけません。

青木真也と上野勇希は互いに勝利を欲しています。

僕は何がなんでも初戴冠をしたいです。今回が3度目の挑戦で今まで竹下幸之介、樋口和貞に苦杯を喫してきました。3度目の正直。所属でないからこそ、チャンスは少なく是が非でも力で取りたいです。青木真也としての存在も価値、プロレスラーとしての存在も評価も賭けています。

上野勇希さんはDDTを背負う意味でも上野勇希を上野勇希とするためにも負けられない試合でしょう。上野勇希さんの方が僕よりも失うものが大きいのではないかと感じるほどに今のDDTは上野勇希さんにおんぶに抱っこの割合が大きいです。20代の一番頑張らなくてはいけない時期に一番頑張れている姿は幸せなことだとは思うけど、苦しさもそれを成し遂げるだけの情熱と莫大な練習量と仕事量もわかるだけに彼も彼で負けられないでしょう。

僕は一発のエルボー、一発のサブミッションの一つ一つで潰しにいきます。上野勇希さんも同じ気持ちでくるでしょう。序盤戦での決着も互いに覚悟をして、最初からフルスロットルでいくでしょう。そのくらいに価値にシビアに貪欲に攻めるでしょう。今の上野勇希にはそれができるだろうし、僕は今の上野勇希にはそうしないと勝てないとさえ思っています。潰す気で殺す気でやらないと勝てない相手が上野勇希なのです。

上手な試合とか、評価される試合ではなく、互いに勝敗に徹底的に拘って、
潰し合うような試合になるでしょう。上野勇希さんもそれを望んでいるんだろうし、僕もそんな試合を望んでいます。勝敗に関係なく、互いに物語を転がして紡いでいくだけのプロの腕があるかを競い合いましょう。上野勇希が存在を賭けて闘う腕があるのか楽しみです。

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