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試合をしてきます。全てを置いてきます。

試合をしてきます。全てを置いてきます。

計量を通過して試合をする権利を得ると同時に、この「闘い」から逃げられなくなりました。観念するんだ。腹を決めるんだといくら自分に語りかけたって恐怖心は拭えずにいます。これを書いている今も試合が怖いし、何かがあって試合がなくなったらどれほど楽かと思っているけれども、試合がなくなったら落胆して涙するのだろうし、ファイターって人種は気難しい人種です。いや、ファイターではなく青木真也なのかもしれないけれど。

この試合に辿り着くまで色々なことがあって、たくさん考えて、たくさんの人に助けられて、支えられてなんとかやってこれました。毎回綱渡りでこれからもずっと綱渡りでしょう。僕の生き方、生きる形がそうなってしまったのだから仕方がない。何から伝えたらいいのか。誰から伝えたらいいのか。わからないままときが流れて、想いを伝えれずに試合に向かうのは悔いが残ってできない。想いを全て置いてから、悔いなくケージに入るためにも書き記していきます。

僕は扱い難い選手のように思われているかもしれない。
自分では扱い難いなどと思ったことはないのだけど、自分の思ったことを主張して、それが周囲の考えと違ったとしても、貫いて生きていくファイターは少ないから、扱い難い選手だと思われているところはあると思います。右へ倣えもしてくれないし、思い通りになってくれないのだから面倒だと感じてもおかしな話ではないとは思います。皆、聞き分けもいいし、バランスがいいからですね。

僕は23歳で格闘技を仕事にしていくと決めて、好きなことで生きていくと決めたのだから、右に倣えで自分を見失ったら、この仕事で生きている理由がないと思っています。だから自分自身を曲げてまで上に行こうとも稼ごうとも思わない。そもそもお金でも、名誉でもなく、好きなことをして青木真也として生きていく以外に自分を保つ理由が見つからないのです。自分でいられないのだったら、とっくに死んでいると思うし、僕が僕でいるために意地を張り続けないといけない。

オレよりもカネを稼いでいるヤツもいる。
オレよりも社会的地位が高いヤツもいる。

僕の友人たちは僕よりも凄い人ばかりでカネを物差しにしても、ステイタスを物差しにしても、僕よりも上の人ばかり。親父がよく「お前の友人は凄い人ばかりだ」と口にするが仰る通り。でも青木真也で一生懸命に生きて、意地張って生きていけてることだけが自分の誇りだし、皆が青木真也に託してくれる理由だと思います。オレより凄い人も青木真也を見て感情揺さぶられて嬉しいと感じてくれるから、今もなんとか生きられています。

皆にかっこいいと思ってもらえる青木真也で居たいから、今回も必死にやってきます。オレはオレをかっこいいと思ってるから。これまでも今もこれからも胸を張って言える「どうだ!羨ましいだろ!」。

今回もたくさんの人にプロモーション協力してもらいました。
業界外では従兄弟のザコシショウさん、紗倉まなさん、光浦靖子さん、呂布カルマさん、くっきー!さん、矢野了平さん、ニューヨークさん。プロレス界では高木三四郎さん、竹下幸之介さん、伊藤麻希さん、ケニーオメガさん。格闘技では平本蓮さんに平田樹さん。その他にもレスラー仲間の上野勇希さんや上福ゆきさんや岡田祐介さんがTwitterでコメントくれたりと気を遣ってもらえて感謝します。このご恩は必ず。

ザコシショウさんは母の姉の息子さんで僕が小学生くらいの頃には吉本に行くために大阪に旅立っていった。最初はジーメンズって名前だったはず。少しでもテレビに出るときはテレビをつけて皆で見ていた。そこから目にすることも話題に出ることもなくなって、普通に暮らしているんだろうなと思っていました。芸事の世界は途中で違う道に行くのが大多数で芸事を全うできる人は一握りだからそう考えるのもおかしな話ではない。そこで気がついたら一気に有名になってしまっていたから声をかけれなかったのですが、ここでは意地を張らずにお世話になりました。何が何でも生き残るために僕ができることはなんでもする決意の表れです。お互いに芸事してると頼らないぞって意地があるのですが、今の僕はそんなこと言ってられないのです。恥もない。

プロレス界では高木三四郎さんがコメントをくれて、竹下幸之介さんと伊藤さんまでコメントをくれました。最後にはケニーオメガさんまでコメントをくれたのだからプロレスをやっていてよかったし、DDTでプロレスをしていて良かったと心から思えます。これもまた僕の生きていく中で返して行かなければいけないし、返していきたい。

マスコミの方々にも試合前の記事でたくさんの記事を出して頂けて感謝します。話をこねくり回して面倒なインタビュー対象であるはずの青木に話を聞きにきてくれるのは、素っ気ない返事で突き放しつつも嬉しく思っています。

一生懸命に生きて一生懸命話したことを温度と形を変えずに出してくれたことを感謝しています。読まれやすくするために安易な質問をして記事にするのは簡単だと思うのだけど、そこに逃げずに青木真也の言葉をそのまま形にしてくれたことを感謝します。これもまた必ず返していきたいし、これに懲りずに向き合って頂けたら幸いです。

格闘技仲間にも当然のように感謝しています。
セコンドについてくれる北岡さん。いつもアドバイスをくれる宇野さん。打撃を全てお任せしている飯村先生。練習場所での練習してくれる選手と先生達。もう感謝しても仕切れません。今回もお世話になりました。皆様のおかげでなんとか立っていられます。

「好きなことで生きている」

好きなことでしか生きられないのだから、好きなことで生きているのは正確には間違いです。好きなことでしか生きられないのが青木真也です。好きなことで生きていくのは大変なこともたくさんあって、それでもその中で何にも変え難い喜びや感情を揺さぶられることがあります。青木真也でしか生きられないから、僕は僕の形で生きていきます。

今回もやれることは全部やってきました。あとは運に任せます。
ここまで全てやってきたから後の結果がどう出ようと知ったこっちゃない。
三浦、北野、鬼澤の面々にあとは任せました。任せれる人がいるから存在賭けてやってこれるんだ。全ての関わってくれた人に恥ずかしくない試合をする。そして青木真也を好きでいてくれる人が胸を張って生きていけるような試合をする。今回もあちらこちら命懸け。

今、伝えたいこと。好き勝手やってる37歳。
これでしか生きられません。でも必死に生きています。
これでしか、こうでしか生きられない青木真也を見てください。

逃げ出したい。もうやめたい。
何もせずに暮らしたい。
試合後には全く逆のことを話していると思います。
またやりたい。試合がしたいと。

踏み出してきます。闘ってきます。笑って会おう。

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