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プロ格闘技選手の仕事論。浮いた頑固おじさん。

仕事論のお話。

ホワイト化する社会の中で僕の論や理屈はややもすればパワハラやブラックと言われるのだろうと思います。成果物に対する対価で生きている創り手や職人として生きていこうとするのであれば、全てを芸に献身するのは当たり前です。権利だの待遇だのはおかしな話だと僕は思っています。

優先順位がつかないほどに芸事を優先するのは当たり前です。ケガをしても練習をするし、何があっても試合に穴は開けないし、仕事があれば断らずにはい喜んでと駆けつける。仕事をしていればこんなのは当たり前の話です。他の仕事に置き換えても夜だろうが呼ばれたらいくとか、返信が早いとか、仕事を飛ばさないとか、基本的なことで差がつくから、格闘技も他の仕事も同じだと思います。力のある人ほど基本が強いのはどこも同じです。

友人のクリエイターは尊敬する重鎮からの献本された本を届いてすぐに読んで感想を伝えていて、名を挙げても変わらずに足腰がしっかりしているなと安心するとともに自分の身を引き締めました。誠意とは感想と速度でもあるのだ。確かに僕もすぐに感想を送るようにしています。まあそれはそれとして。

僕の父は町工場を経営していたけれど、休日も仕事が間に合わなければ出勤して一人で仕事をしていたし(よく手伝っていた)、常に仕事のことを考えてよく働いていました。幼少の頃から父の姿を見ていたから、格闘技界に入っても身内の不幸では試合を優先するし、仕事に対する位置づけが潜在意識に染みついていたと思います。

僕が格闘技界でプロ格闘技を教えて貰ったのはPRIDEの専務で制作を取り仕切っていた加藤浩之さんに師事したところです。興業論、演者論と何から何まで徹底して教えて貰いました。当時は理解ができなくて悩んだことも一度や二度ではないけれども、あのとき教えて貰ったことがあるから僕はここまで生きてこれて、青木真也を立てることができました。

藤田和之さんが2013年に43歳で石井慧選手とIGFで対戦した試合前に「試合に穴を開けてはいけない」と仰っていました。加藤さんの教育があったからこそ、すぐに理解できました。試合前の練習をやり過ぎて欠場してはならないからコンディションを第一に練習されていて、あの当時の藤田さんを見れたことは今の僕の選手生活を続ける上での財産になっています。

プロの格闘技をやっています。芸事をやっています。
アスリートではありません。プロの格闘技選手でプロのレスラーです。
他の選手と同じことをやってると思われたら困る。

2006年に加藤さんに師事して、諸先輩の仕事を見て学び、たくさんの経験をして2022年の青木真也は胸を張れるものになれたのだろうか。青木真也は2022年どうですか?あのときのDREAMメンバーに問いたいが為に26日に試合をします。

映像を見て青木真也はまた浮いたなと感じました。完全に浮いた。

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