見出し画像

青木真也!「那須川天心研究家」としてRISE解説まで辿り着いたでござるの巻。

2月28日 RISE ELDORADO 2021 横浜アリーナ大会で解説の機会を頂き行ってきました。立ち技大会の解説は初で、そこにきてRISEは「本格派」の「セメント」大会なこともあって、やりがいを感じつつも緊張感を持って臨みました。

メジャー感があって行ってよかったし、MMAはと思ってしまった。頑張らねばです。こうして大きな大会があって、後楽園規模の大会も定期的にあると育成もできるし、物語も出来やすくていいなあと思います。

今の立ち技って話題は「あのビックマッチ」に行き着いてしまう面があって、その話題自体で盛り上げようとする風潮に対して、僕は見方の提案や意見論評する側の人間としては拘りがないように感じて、僕は好まないところがあります。そもそも迂闊に話すと綱引きの最中だったりするかもしれないし、誤爆の可能性があることを皆理解していない気がします。

画像1

さてさて肩書きが「那須川天心研究家」にしてもらっていて、これは嬉しい肩書きなわけです。凄い、面白いと思って追い続けていたら、好きなものを語る仕事ができるって幸せではありませんか。それもリングサイドの解説席で。

さてさて那須川天心さんについては試合前にお話しさせてもらっておりまして、多方面に気遣いしつつ、言いたい放題の芸風も板についてきました。

那須川天心さんの如何ともし難いやり尽くし感 

那須川天心のやりつくした感というか、もうやることがないのです。昨年末の大晦日のカードでさえ、テーマない中で那須川さんが「強い奴とやる」を掲げて、ならムエタイのチャンピオンや!!となったのがクマンドーイ戦なのですが、那須川天心対ムエタイも過去に何度もあったので新鮮味がない相当に難しいターンであると見ていました。

皇治戦(田中宏治さん)もあったのですが、あの試合に関しては語れる試合だし、突っ込みどころも満載の試合で僕は大好きなのですが、それでも那須川天心側から見たら、ここまでやって他に何やるんだって話に行き着くと思うのです。

果たしてどんなものを創るのかと思って、その一点のみに僕の興味があったわけです。このテーマが作り難い中で彼が何を作るのかは興味と自分自身の参考にしたかったのです。

徹底的に創り込む。ただただ創りこむ。真っ当な姿。

僕も事前の映像で話していたように、自身を完全に仕上げてきたように感じて、入場時の眼と身体の仕上がりで圧倒されました。

僕は他人の入場で怖さを感じるのはないのですが、昨日は研ぎ澄まされた目と身体に凄味を感じて、怖いなと感じました。なかなかない感情だったので、自分でも戸惑ったほどです。色気と殺気を同時に纏っているんだ。

自身が思う格闘技を徹底的に練り上げるのは僕はいいと思うし、昨日の試合で彼の試合の凄みが伝わり難いとしても彼は追求していけばいいと思うのです。同じ解説席に座っていた現役選手である直樹選手がただただ「凄い」としか言えない姿に真実を感じたのですよね。人は何か凄いものを見たときに凄いとしか言えないときはあるし、芸術ってそうだし、絵を見て、分からないけど何か凄いと思うことが僕は大事だと思うのです。凄さを感じることが大切な気がします。会場全体が気圧される感があるというか。

画像2

考えること。消費しない格闘技。やっぱり現場が大切。

皆が那須川天心を見て考えることをしていない気がするのですよね。
伝えるではなく、考えることをしたいと僕は思うのです。そこには消費されない格闘技があるし、試合を見て感じて、考えて、それを話して味わうことが大事な気がします。

那須川さんの試合を見て消費するだけではなく、「考える」が大切だと思うし、彼にはもっともっと考えさせるようなものを創ってほしいし、僕自身も考えさせるようなものを世に出したいなと思います。それが「何か自分を育ててくれるもの」だと思います。

しかし那須川さんの試合はあの入場とリングに立つ佇まいで仕上がってしまうのですよね。入場とリング姿だけで会場の空気を変えるのは理想です。ライガーの入場曲でテンションが上がるみたいな話です。那須川さんはもう縁起物の領域な気もしていました。猪木那須川くらいの話な気がします。

さてさてRISEの他の試合でも勉強になることは沢山あってですね。それをゆるーく書いていこうと思いますのでお付き合い頂けたら幸いです。

ガウンとかコスチュームは大事。キャラ設定とリング映え。

今朝の練習でMMA選手はガウンがカッコよく映らないみたいな話が出ていたのですが、僕はまったくそうは思わなくて、原口選手や白鳥選手のガウンは映えると思うし、派手な試合コスチュームもまたリング映えすると思って見ていました。

これはプロ選手としては大事なことで華やかに見えた方がいいと僕は思っています。プロレスから入っているから余計にそう思うのかもしれませんが、ボクシングっぽいガウンではなく、ド派手なガウンはいいと思います。シャツとパンツもいいけど、ガウンもまた個性で好きです。

試合のコスチュームで田渕選手が空手着の下履きをそのまま履いていました。これまた彼女の凛々しいイメージにぴったりでよかったんですよねえ。
キャラ設定とリング映えを考えてコスチュームは大事な気がしましたよ。

寺山選手の仕上がりの高さに驚く。あのマイク完璧すぎる。

寺山選手は昨年のトーナメントの辺りは苦しんでいる印象を持っていたのですが、今回は入場からマイクまで仕上がっていました。短期間でここまでの仕上がりを見せるのは若さもあるけれども、彼女の才能だと思うし、点が線になっていて、物語になっているのが凄い。

あの入場もプレッシャーに感じるだろうし、その上で試合後のあの多方面に感謝を述べて、映画のプロモーションまでするマイクは天晴れでした。先天的なもののようには思わないから、これは勉強とか教わればできるようになるんかなあ。那須川天心の存在が大きいようにも感じるけど。

キックボクシングの距離感。MMAとの違い。

セミファイナルの原口白鳥戦の試合の距離感が近く感じました。
キックボクシングからするともう少し近くてもいいと解説の直樹選手が仰っていて、この近い距離間で打撃を交換するのかと考えると背筋が凍ります。

これがK-1のようにキャッチが禁止されていたら、もっと近くなると思うのですが、この距離間でもダメージを貰うことは避けられないと思うのでキックボクシングって怖いよねって思います。組めないから打撃を避けられない。

RISEのこの距離間はキックボクシングの距離感なのを理解していかないとMMAファイターは大きな間違いをする気がします。8オンスでキックボクシングだからこその距離だし、オープンフィンガーで組がある打撃と距離がまったく違いますよね。MMAはもっと遠く設定します。

近い距離間で試合をしているのですが、原口選手のディフェンスが良くて、ほぼほぼ攻撃をもらわないのです。その上でボディを攻めて、堅実に攻略していくから、詰め将棋の様で、対戦相手としては嫌な相手ですが、格闘技選手として優秀です。攻撃よりも如何にやられないかで投手戦の様な試合を好むのはファイターならではですよね。

MMAに如何に打撃を役立てていくか。その練習は何がいいのか。
そんなことを考えていました。ルールが違えば技術も違ってくるのでキックボクシングがそのままMMAの打撃に応用できるわけではないのです。そこら辺は平本さんの試合のときの話でよくわかってもらえたとは思います。平本さんは打撃のスペシャリストであるけれど、それがMMAでそっくりそのまま出る話ではなかったですからね。

ここからようやく課金にしていきますね。よっこらせと。

ここから先は

1,430字

¥ 200

サポートありがとうございます。選手活動、表現活動の活動費用に当てさせていただきます。更なる良いもの、面白いものを創作する原資に大事に大事に感謝を込めて使わせて頂きます。