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K-1武尊さん試合見るぞ!企画対談。強さはもちろんだけれど、座長としての偉大さを感じます。

3月28日のK-1武道館大会観るぞ!企画の一環で武尊さんと対談させてもらいました。武尊さんのやっていることの凄さを青木真也だから分かる形で聞いて、世に出すことで、また違った見方を持ってもらえるのではないかと思って、緊張と楽しみを持って臨んだ対談でした。格闘技ファンであり、K-1ファンの青木としては久々にドキドキの仕事です。

練習の凄さとK-1の凄さは別途書いたのでどうぞ。練習は練習で物凄い。僕が10代で血気盛んなときだったら、この練習を見たらK-1やりたいと思うはずです。そのくらい純粋で誤魔化しがきかないのがK-1です。今の僕は誤魔化しに面白さを感じているから、この練習を見ても寒気しかしないんだけどさ。

K-1の面白さは色んなところで話していますし、僕でなくとも話している人は多数います。武尊さんの強さは多くの選手が語ってくれているし、ある程度伝わっているとは思うのですが、武尊さんの凄さを「強さ」の面以外で引き出しているものがなくて、歯痒い思いでいました。見方の提案がされないから、損してる部分が多いし、理解して見れたら凄さが分かるし、今よりも多くの人が好きになると思っていたのですよね。

K-1ファンで武尊さんの凄さを分かっているサブカルおじさんとして、見方を提案できたら、サブカルおじさん文脈の拗らせた格闘技ファンも武尊推しになって、地熱が上がると思いました。地熱が上がるのが良いか悪いかはまた別の話ではありますが、30代後半の昔熱狂した格闘技ファンにも見てもらいたいじゃないですか。まあK-1の箱推しが強いのは武尊さんの功績は大きいですし、武尊出現で跳ねた面は大きいと思います。オラつかない格闘技選手が出てきて、跳ねたというか。

武尊さんはK-1の座長なのだ。稀代の座長。

武尊さんが座長の意味を説明するにはK-1の構造を説明する必要があります。

K-1の構造は箱庭を作って、その中で周って(闘って)行くことで、勝者にも敗者にも物語ができる構造です。これを僕は宝塚のようなものと表したのですが、これを可能にするのは格闘技界的には否定的な意見が多い独占契約での箱作りであります。

K-1=リーグなので、K-1リーグに参加しながら、他のリーグに自由に行き来はできません。K-1がやると否定的にとられて、独占契約を敷いているUFCやONEは否定的にとられないのはイマイチよくわかりません。皆さんが大好きな武尊那須川が実現しないのもリーグが違うからで話は終わります。

K-1はリーグであり、契約選手の一座でやっているので、選手同士はライバルではあるのですが、同じ団体を盛り上げていく演者であり一座です。この構造ができているのがK-1の他団体との違いですし、物語を創っていける最大の理由だと思います。負けた選手の物語も創っていけるから、選手に優しい構造だし、あまり考えていない選手でも形にしてくれる素晴らしいシステムだと僕は思っています。

その一座を率いてまとめているのが武尊さんなのです。
一座の座長として、大会をメインで締めるし、自分に利益の少ない試合でも彼はやってのけます。何故ならば座長だからです。DREAMで座長の仕事をしたことがある身としては、武尊さんの試合や立ち振る舞いにただただ圧倒されています。凄さがわかるからこそ、化け物だとわかるのです。

K-1への献身を感じる。

K-1への献身を感じます。彼はずっと追われる立場でやってきて、彼には勝って得るものは少ないけれども、対戦相手にとっては得しかないような状況でずっと試合をしています。むしろ武尊と試合をするだけで得を感じるくらいでしょう。

その上、彼が試合のプロモーションを担うわけでして、武尊の名で客を呼んで、時に相手を立てて、メインイベントを仕立てます。僕も昨年の9月はそんな試合でストレスが溜まったのですが、彼はそれをずっとやっています。

チャンピオンであり、K-1の顔である武尊さんが皇治さん(田中宏治)のホームである大阪で防衛戦をしたときに、「武尊さんはすごいな」と思って、見なくては行けないと会場で試合を観させてもらいました。地元を背負った田中さんとK-1を背負った武尊さんのぶつかり合いは観に来てよかったと思わせてくれましたし、何よりも学びが多かったです。

そんな試合をずっとこなしてきた武尊さんの精神状態は常人には理解できないものがあるし、少しだけ似たような役回りをやったことがある僕からすると超人にしか思えません。普通の格闘技選手だったら潰れているでしょう。

武尊は「格闘技を盛り上げる」と声にしても説得力がある。

僕は「格闘技をメジャーにしたい」とか「格闘技を盛り上げたい」と軽く口に出す選手が嫌いです。なぜ嫌いかと言えば、格闘技を盛り上げたいのではく、自分がいい思いをしたいのだろうし、自分がよく見られたいのが透けて見えるからなのです。

泥水啜る覚悟はないけれども、いい思いをしたい選手が多いのは仕方がないけど、それなら見え方気にせずにいい思いしたいと言ってほしいし、その方がすっきりします。

武尊さんが「K-1をメジャーに」と言ったときに彼の献身があるだけに説得力が増します。格闘技を盛り上げると言っていいのは武尊さんや那須川さんや堀口さんの限られた人のように思います。

何故、僕が格闘技を盛り上げると言わないかは最後に書きますね。弁えてますよ。僕は。

感情を揺さぶられる闘いを今回もしてくれるはず。

1年ぶりの試合で緊張がいつも以上にあるだろうし、1年溜めた分だけ感情の爆発が見れると思います。それにここまでやってるんだから、負けられないと試合前に掻き立てられるはずです。

僕は武尊さんの試合がフィニッシュした瞬間に開放されて、爆発するのが好きで何回か見てしまうのですが、今回も感情の爆発に期待します。会場でもabemaでも、その時間にライブで見てもらえたらより伝わるはずです。


青木真也が「格闘技を盛り上げる」と言わない理由。

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