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菜食者と交流したいと思い立って、とあるアプリを利用した。

私はもう7年以上菜食者だ。
菜食者、と自称するのは、「菜食主義者」「ベジタリアン」の響きにまとわりつく「主張が強そう感」が苦手だからだ。

私の身の回りに菜食者はいない。
正確には、もともとはいたのだけれど、私が田舎に引っ込んでしまったためにいなくなった。
そしてその菜食仲間達は、気軽にメールできる「友達」という存在でもなく、顔を合わせて話す時間以外に接点を持つことが難しい。

今後の人生を菜食者として生きていく以上、肉魚を食べる知り合いしかいないままでは、ちょっと窮屈だ。
気兼ねなく菜食の話ができて、お互いに気を遣うことなく菜食の店を選べる。そんな仲間を探しておいたほうが、きっと生きやすくなるはず。
今はネットでどこの誰とでも出会える時代だし、もしかしたら地球上のどこかにいる「私と気の合う菜食者」を探し出すこともできるかもしれない。

そう思って、とあるアプリで何人かの菜食者と話してみた。
プロフ欄以外、相手のことがほぼ何もわからない状態での初交流。
それなりに好意的なメッセージを送る私。
いやー。
人は第一印象で決まるって言うけど、一言目のやり取りで自分と合うか合わないかがはっきりわかることに、ちょっと驚いた。

TwitterやInstagramなどの発信型のツールだと、交流を続けていくうちに「ちょっと合わないかも」と思うことはあるとはいえ、最初のやり取りはけっこう無難にというか、お互い謙虚に会話できるものだと認識していた。
それがこのアプリでは、友達を募集している人でさえ、友達を募集しているとは思えないほど一方的なメッセージを送ってくることがある。
そのことに驚きながらも、「もしかしたらコミュニケーションが苦手なだけかもしれないし、会話を続ければ馴染んで変わって行くかも」と思ってやり取りしてみたけど、うーん、会話のキャッチボールができない。
何より相手から私への興味が感じられない。

そんな中、丁寧に返してくれる人に出会えると、神様かと思う。
友達になるなら、ぜったいこういう人がいいよね。
まずは菜食以外の条件をなくして広くいろんな人と交流してみよう、なんて思っていたけれど。
やはりつき合う相手は選んだ方が良さそう。話をするのに疲れてしまうようじゃ、きっとお互いにストレスになる。
いや、お互いならまだしも、一方的にストレスを受ける関係もあるってことを、これまでの経験で知っている。

その代わり、菜食に興味があってお互いを尊重しながら会話できるなら、菜食のタイプが違っても気にしないことにした。
理想は動物性と五葷をとらない人だけど、まぁ結婚相手でも無し、そこまでこだわる必要はない。

これまでやってこなかった、菜食者を探してみるという新境地。
これからの人生でどのくらいの「気の合う菜食者」と知り合えるのか、楽しみだ。

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