【MIL】次世代のローテはこいつらだ【プロスペクト紹介】
ブルワーズ担当のあなんです。
今回は2025,2026年のブルワーズローテを担うであろうプロスペクトを3人紹介します。
○ Robert Gasser
◇ プロフィール
スリークウォーターのサウスポーは2021年アマチュアドラフトの戦力均衡ラウンドB(全体71位)でパドレスに指名され入団しました。
プロ1年目はルーキーリーグと1Aで計6試合に登板すると、翌年は開幕をA+で迎えます。ここでGasserは7月までの先発18試合で90イニングを投げ、防御率4.70 / 115奪三振。K/9は11.51、BB/9は2.79、FIP3.22とハイレベルな数字を残します。
評価を上げたGasserは8月のトレードデッドラインでHaderの見返りとしてブルワーズに移籍。移籍後は2Aに配属されましたが、わずか1カ月で3Aに昇格。オフのプロスペクトランキングでは傘下10位にランクインしました。
3年目の昨年は3Aでさらに高い成績をおさめます。26試合で135イニングを投げ防御率3.79 / 被打率.233 / WHIP1.22。リーグ最多の166奪三振でリーグ最優秀投手に選ばれ、さらに先日発表されたプロスペクトランキングでは左投手部門の9位にランクインしました。
◇ 特徴
Gasserの球種は速球(フォーシーム / カッター/シンカー)のほかにスイーパーとチェンジアップの計3つ。2023年は平均92mph / 最速95mphに達する速球と平均80mphながら鋭い変化のするスイーパーで三振の山を築きました。右打者には平均87mphほどのチェンジアップも投げます。
フォーシームをゾーン高めに投げ込む強気のスタイルが売りですが、それと引き換えに昨年はLD率がリーグワースト。3A内での打球管理指標は悪くないですが、MLBレベルではシンカーやカットボールでバットの芯を外す術が必須と思われます。
ちなみにブルワーズはGasserと因縁があります。Gasserの父James Gasserは1986年のドラフトでジャイアンツに指名され入団しているのですが、その2年前のドラフトでブルワーズが指名していました。当時は指名を拒否して大学に進学。結局、肘の手術でMLBデビューすることなく引退しましたが、40年の時を経て息子がブルワーズのユニフォームでメジャーのマウンドに立つかもしれません。
○ Carlos F. Rodriguez
◇ プロフィール
Carlos F. Rodriguez(以降、CFR)は2021年アマチュアドラフトの6巡目(全体177位)でブルワーズに指名され入団しました。ドラフトイヤーは米国大学野球サマーリーグ(collegiate summer baseball)の公式戦にCharlotteville Tom Soxの一員として出場していたため登板はなし。プロデビューはドラフト翌年の2022年でした。
Low-AからスタートしたCFRはリリーフと先発両方こなし、8月にHigh-Aへ昇格。26試合(先発20試合)107.2イニングを投げて防御率3.01、WHIP1.06、K%29.3、BB%9.3という傑出した成績を収めます。昨年は1年間2Aでローテを張り、25試合123.2イニングで9勝6敗 / WHIP1.09。防御率2.77とK%29.5(156奪三振)、被打率.183はリーグトップの数字で、サザンリーグ最優秀投手に選ばれました。
また、春には母国ニカラグア代表としてWBCに出場。プエルトリコ代表と対戦しています。スター揃いの打線相手にCFRは4イニング2安打1失点の好投を見せました。
◇ 特徴
CFRは奪三振こそ多いですが、速球で制圧するというよりは豊富な球種で打者を交わすタイプ。力感の抜けたフォームから、90mph前半のフォーシームとシンカー、80mph中盤のカッターに加えてスライダー、カーブ、チェンジアップを投げます。ベストピッチは82-85mphほどのチェンジアップで、次点は80mph前後のスライダー。ともに空振りを奪えるだけでなく弱いゴロを打たせることもできます。一方で、その球速のわりに与四球率が高いのが課題(10%前後)。
ゆったりとした投球フォームで様々な球種を操る姿は、かつてレッズやジャイアンツなどでプレーしたJohnny Cuetoを想起させます。相手打者を交わして打ち取るスタイルは、ブルワーズでは久しぶりでしょう。Jhoulys Chacin以来のワークホースぶりに期待です。
○ Jacob Misiorowski
◇プロフィール
Misiorowskiは長身でロングアームの右投手。2022年アマチュアドラフトの2巡目(全体63位)で指名されました。契約金は235万ドルで、ドラフト1位のEric Brown Jr.よりも高い額で入団しています。ちなみにクラウダー大学の卒業生には同じくブルワーズのAaron Ashbyがいます。
プロデビューの2022年はLow-Aで2試合投げ、昨年はLow-Aで開幕を迎えました。すると6月にHigh-A、7月には2Aという凄まじいスピードでマイナーを駆け上がり、フューチャーズゲームにも選出。100mphを超える直球で話題を呼びました。また、先日発表されたプロスペクトランキングでは右投手部門5位、全体33位にランクインしました。
◇ 特徴
彼の持ち味は圧倒的なスタッフ。ローアングルから100mph近い直球と鋭く曲がるスライダーで打者を制圧しています。昨季のK/9は13.9。スカウティングレポートではこの2球種は20-80スケールで70と評価されています。またプロに入ってからカーブとチェンジアップも習得しています。
最大の課題はコントロール。ストライクが入らないことが多く、与四球率は3階級でいずれも13%前後を推移しています。また持久力にも乏しく、昨年20登板中5回以上を投げた試合は3回。素人目に見ても、投げ続けたら怪我しそうなメカニクスで投げており、先発としてキャリアを進めるのであれば常時100mph投げても耐えられる体づくりを求められるでしょう。実際、昨年8月夏に腕の疲労(arm fatigue)でIL入りしてからは一度も登板していません。
24年オフがルール5ドラフト対象になるMisiorowskiは早ければ今シーズン終盤にリリーフデビューする可能性も考えられています。ただ個人的にはまだマイナーで先発の実戦経験を積んでもらいたいところです。
以上です。
もうここ何カ月も綱渡り状態で投稿していますが、そろそろやばい。
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