2020栃木SCの“感想” 17節を終えて

むらやっちです。医業に従事しながらパパコーチとして指導者をしています。J2の栃木SCとBundesligaのEintracht Frankfurtを応援しています。

このnoteは、以下の内容で構成されています。

1, 栃木SCについて
2, なぜ感想なのか
3, 今年の栃木SCの感想
 ①栃木SCの特徴
 ②あえて言うなら注目の選手
 ③栃木SCの戦術
 ④みどころ
4, 初めて見る人のために

1, 栃木SCについて

栃木SCをざっくばらんに表すと、

「去年ギリギリで残留したのにも関わらず、今年は例年になく強い!」

と一部の人達が驚きを隠せない活躍をしているチームです。

さて、栃木SCというチームを知っていますか?
栃木って県は知っているとして、場所はわかりますでしょうか?
その昔、栃木県がどこにあるかと聞いたら、様々な答えが返ってきたことがあります。四国?九州?関西の隣のごちゃごちゃしたところ?大人になっても栃木の場所がわからない人がいるほど、栃木はマイナーな県です。様々な都道府県ランキングがありますが、だいたい33位から40位の間を探すと栃木が入っているなと勝手に思っています。

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はい、探してみてください。

探した栃木にあるプロサッカークラブが、栃木SCです。
栃木SCは、日本プロサッカーリーグの2部にいます。つまり、日本プロサッカーリーグ=Japan Professional Football League、Jリーグの2部ということで
J2にいるのが栃木SCです。

J2リーグには、2009年から2015年、そして2018年から今年までいます。
2016,17年は、J3リーグにいました。
J2リーグは22チームで行われています。

そして、栃木SCはそんなJ2リーグを、去年は20位で終えてなんとか残留したチームとなっております。

今回は、そんな栃木SCの今年のチームついて感想を書いていきます。

2, なぜ感想なのか

と、本題に入る前になんで感想なのかって部分を書きます。

これは正直に言えば、栃木SCのことを書きたかった!につきます。コーチをしてるのでね、かっこよく戦術について書いてみたよ!と行きたいところですが、なかなか力が養われません。これはですね、次の本を読みながら勉強をしています。

この本の一番いいところは、コンパクトなところです。コンパクトだとすごく良いですよね、分厚いと大変。5年ぐらいたったら続編が出るかな?10年ぐらいたったらかな?どうかな?と思っています。
サッカー観戦をするのにも、とても良い本だと思っています。

戦術ブロガーという言葉があるように、最近のサッカーに関する発信は「戦術」にfocusしたものが多いです。少なくとも自分が目にする範囲では、そうなんです。「戦術」という言葉自体の定義で議論されるぐらい、戦術論に偏っているような気もしてます。もしくは、いわゆる運動学だったり、心理学だったり、様々分野から深掘りされています。これはこれでいいんです、サッカーを学際的に取り扱う、これは非常にいい事だと思います。

ただこれは、サッカーの発信をする上でのハードルが爆上がりしてるのではと思ったりもしています。

例えば、
「久保建英選手がドリブルで3人抜いてパスして受けた選手がゴールした!すごい!スペインで!こんなに活躍してる!」
こういった事は、そこそこ書きにくい世の中になっています。テレビや新聞ではこう書かれてるのに、ネット上でこう書くと「なんかよろしくない」みたいな空気が流れているのを感じています。

その前の状況はどうったの?、ポジションはどうなの?、チームのゲームモデルは?、抜いたときの足はどっち?、ディフェンスはどんな動きしてた?、パスする前に首を何回振った?、足の速さは?、サポートの動きはどうだったの?、最近のチームの状況は?などなど、あげればキリがありません。ちなみに、列挙した中で「こんなのどうでもいいだろ」と思う点もあるかもしれませんが、こういった事を気にしてる人もいるんだよ、という事で理解していただければと思います。

そんなこんなで感想という、まさに小学生でも書けるような!というと語弊が生まれるかもしれませんね。本屋さんにいくと、「読書感想文の書き方!」みたいな本がたくさんあります。感想を書くのも体裁を求められます、これは一苦労です。

どうせ書きたいことを書くんです。よほど公序良俗に反するような事を書かない限りは、好き勝手書いていいんではと最近は思っています。

というわけで、本題にうつります。

3, 今年の栃木SCの感想

① 栃木SCの特徴

栃木SCは、順位の割に失点が少ない!という特徴があります。

2018年は22チーム中17位でシーズンを終えています。48失点なので少なくはないですが、もっと失点しているチームは10チームあって、同じ48失点のチームは他に2チームあります。

つまり、失点数ランキングで言えば真ん中ぐらいでした。
この年の大分トリニータというチームは、17位のチームより多い51失点もしながらも76得点というリーグトップの得点力でJ2の2位になっています。一方、ジェフユナイテッド市原・千葉は72得点72失点というリーグ2位の得点を誇りながらリーグワースト2位の失点数で14位でした。


2019年になると、53失点で20位でした。ギリギリの、本当のギリギリのとこで残留したんです、あぶなかった。でももっと失点したチームは11チームあります。
つまり、失点数ランキングで言えば2019年も真ん中ぐらいでした。
この年は、昨年度J1からJ2に降格してきた柏レイソルが85得点33失点と得点数失点数ともにリーグトップという驚異の強さを見せつけてJ1に戻っていきました。なんできちゃったんでしょうね。

ここの2年を見ると、順位の割に失点が少ないということは、明らかに得点力不足があることに気づきます。

さて、今年はというと、17試合終えて8位です。22チームいますからね、半分よりちょっと前ですよ。頑張ってるじゃありませんか。ちなみに22チームあるとリーグ戦では42試合あります。なので、まだ半分も終えてません。
4位から17位ぐらいまでは2,3節たったら順位がぐちゃぐちゃになるぐらい団子状態になっていますので、順位はなんとも言えません。

そんなこんなで好調気味の栃木SCの失点数は12と、リーグで一番少ないです。一方、得点数も14リーグで二番目に少ないです。まだ序盤ですしね、ここで結論を出すのは早計というものですが、傾向としては例年通りな感じがします。
近い順位にいる町田ゼルビアさんと大宮アルディージャさんも似たように、少ない得点数と少ない失点数で頑張っています。

得点力不足になるとどうしても派手さが足りないので、一般的には魅力不足になりがちです。サッカーが好きになれない方の意見として、「あまり点数が入らないから面白くない」というお言葉も頂いたことがあります。その方はバスケが好きでした。仕方がない。

ということで、栃木SCの特徴は、

順位の割に失点が少ない!

になります。

② あえて言うなら注目の選手

つづいて、注目の選手です。
大人のサッカーでは試合に出てる選手は1チーム11人なんですが、ベンチにも選手はいるし、当日にベンチ外の選手もいるし、「この選手が注目だよ!」というのは難しいところもあってあまり好きではないんです。所属してる選手全員で成り立っているわけなので。
でもプロモーションとしてはありだと思うし、ある意味見やすくなるので注目の選手をあげることにします。

自分のチームでは、試合のときに相手チームの注目選手を一人か二人あげて選手に伝えて対策を練っています。その日のキーマンってのは、実際にいると思います。

田代 雅也選手 背番号30 DF

一人目は、DFの田代選手です。田代選手がいなかったら、今年はJ2にいなかったかもしれません。去年の夏までは出たり出なかったりで、試合前のサッカー教室にいることもありました。息子はそこで田代選手とサッカーをして以来、大ファンです。昨年の秋口から栃木SCのサッカーは大きな方針転換をして、田代選手は31節から最後までフルで活躍しました。今年も欠場は一回のみです。気迫溢れるプレーでチームを支えています。身長185cmと高いですが、高さで圧倒してというよりポジショニングでヘディングする場所を奪っている選手と思ってみています。ゴール前にボールが放り込まれたときの跳ね返しが見所です。

明本 考浩選手 背番号8 MF

もっとあげたい選手はいるんですが、一応公式でDF、MF、FWと分けられているので一人ずつ出しましょう。

ということで、今年の栃木SCのキーマンといってもいい明本選手です。栃木SC育ちで国士舘大学を卒業したルーキーです。開幕当初はMFで主にサイドハーフを努めていましたが、ここ最近はFWとして活躍をしています。特徴的なプレーは、止まらないことです。どこまでも相手を追いかけていきます。ややラフと言われてしまう部分もあるかもしれませんが、試合の終盤まで守備をして走ってボールを奪い、攻撃をする姿は見ている側にも勇気を与えてくれます。ちなみにユース時代はFWだったようです。

矢野 貴章選手 背番号29 FW 

そして最後、元日本代表の矢野選手です。もともとすごく点を取るタイプのFWではないです。が、とにかく競り合いに強い。前線にボールを放り込むときにターゲットにするなら最適です。あと、走ります。36歳でこれだけ走ると、他の選手はサボりにくいこと間違いないです。

③ 栃木SCの戦術

途中でも書きましたが、昨年の後半から栃木SCのサッカーは大きく様変わりしています。正直なこと言えば、昨年の前半までは何をしているのかわからなかったと言っても過言ではないです。去年のホームヴェルディ戦とか、ずっとヴェルディがボール回してて意味不明でした。(スミマセン)

それが、昨年の後半から相手を追っかけていくチームになりました。
ボールを持っている選手をとにかく追い回します。相手のGKがボールを持っても追っかけていきます。奪われたらすぐに奪い返すように追いかけ回します。そして、自分達がボールを握ったらどんどんボールを前に進めます。ドリブル、パス、ロングボール、ありとあらゆる手段を使ってボールの前進を試みます。

細かく言えば、相手のパスコースを切りながらボールの行き先を限定しつつはめ込んで奪っているわけなんですが、それはひとまず置いときます。

ということで、今年の栃木SCの戦術は

ボールを持っている選手を追いかけ回す。
ボールを持ったらすぐに前進させる。

以上の2点になります。

④ みどころ

これはですね、

ボールを奪うところです。

先の戦術の話から続きになります。
ゴールを奪うところです!とは言えないんですよ。得点少ないし。でも、少ない分、ゴールを奪った瞬間のエモさはやばいです。
でもね、なかなか両チームの点が入らない中、栃木SCのボールを奪い取るシーンは見ていて非常に面白いです。一方で、かなり荒っぽいシーンもあって、対戦相手のチームからするとちょっと辛い場面もあるかと思います。

ファールはね、ファールですからね。特に相手を危険に晒すファールは良くないですよね。戦術的なファールもありますけど。

でも、今年のボールを奪うシーンは、一番の見所だと思います。

4, 初めて見る人のために

さて、今年になってからサッカーみはじめたよ!栃木SCの試合見るようになったよ!という方もいると思います。なかなかね、DAZNとか入ってないと観戦できない事も多いから、サッカー観戦はハードルが高いですよね。

サッカー観戦は、野球よりは短いはずなんですが、割と長丁場です。
そんな中で、見ててずっとドキドキするような試合を今年の栃木SCはしていると思います。

是非、栃木SCをよろしくお願いします。



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