今シーズンのEintracht Frankfurtはどうなっているのか

はじめに

この記事は、ドイツのブンデスリーガに所属するEintracht Frankfurtというクラブについて書いてます。筆者の備忘録的な意味合いが強いので、クラブを知らない人向けではないかもしれません。

自分はこのクラブが好きなんですが、なぜ好きなのかはわかりません。長谷部鎌田と日本人選手が所属していますが、そのせいで好きになったわけでもなさそうです。

サッカーに限らない話ですが、クラブ、チームなどを好きになって応援することは、不思議なものでなかなか説明ができず、説明しても理解を得ることがなかなかできません。個々の選手を応援するほうが他の人にとってはわかりやすいのかなと思います。

もし、興味を持ってもらえたらうれしいです。
フランクフルトでなくとも、まずはブンデスリーガに!!!

でなければ、ドイツ料理食べましょう!!



本編

さて、今季も欧州サッカーが開幕した。
昨シーズンのスケジュールはバタバタだったので、あれ?もう始まっちゃう?みたいな気持ちもある。

ちょうど移籍のマーケットを閉じられ、代表ウィークの時期にEintrachtの現状を備忘録として書いておこうと思う。

ちょくちょく関連する記事のリンクをいれます。

昨シーズン(2020-21)の振り返り

最終順位は5位。負け試合は6試合と王者バイエルンの4試合に次ぐ少なさ。引き分けの多さが祟り、チャンピオンズリーグに参加する権利を得ることはできなかった。今になって順位表を見直すと、あと2勝してれば2位のライプツィヒを上回ることもできたし、そもそも31節ぐらいまではCL圏内だったし悔しさが今でもにじみでる。

2021年4月のはじめ、ドルトムントヴォルフスブルクとライバルチームを蹴散らし、これはCLが見えてきたと多くのサポーターが思ったことだろう。しかし、その直後ボルシアMGに4-0で大敗してから歯車が狂った。そして33節、昨シーズン絶不調のシャルケとの対戦。正直なことを言えば、これはどうにかなると思った。しかし、シーソーゲームが展開され敗北。この時点でCL進出の芽は消えた。

後半の不調の原因に関して色々と推測される部分はあるにせよ、「こういう結果に終わるクラブだったのだ」と自分は受け止めている。一つ言うなれば、同じく監督移籍報道のあったヴォルフスブルクが4位になり、アイントラハトは5位だった。それだけだ。

2019-20シーズンが9位で終わり、2020-21シーズンは第5節にバイエルンに0-5と敗北し2020年内を3勝2敗8分で過ごしたチームとしては、5位で上出来なのは確かだった。しかし、あと少しで届いたCL。この結果は、夏の移籍市場に大きな影響を及ぼすのは誰の目から見ても明らかだった。

首脳陣の大きな変化

まず、監督とスポーツダイレクターが代わった。
ここに関しては、昨シーズンの結果にかかわらず決まったことである。

監督
オリバー・グラスナー

ボルシアMGの監督になったアディ・ヒュッターの後任。

オーストリア出身の47歳。2011年まで現役だったが、1年間を除きすべてのシーズンを母国のSVリートで過ごしている。現役引退の原因は、頭部強打による硬膜下血腫によるものとのこと。
2014年、SVリートの監督就任予定だった前監督のアディ・ヒュッターがザルツブルグに行くことになり、巡り巡ってグラスナーがSVリートの監督に就任。こうやってグラスナーの監督としてのキャリアが始まった。今回の監督交代と合わせると数奇な運命を感じところである。
なお、昨シーズンはブンデスリーガ4位だったヴォルフスブルクの監督を務めていた。


スポーツダイレクター
マルクス・クレーシュ

2019年からRBライプツィヒでラルフ・ラングニックの後釜としてスポーツダイレクターを務めていた。
パーダーボルンで活躍したMFで、引退後はレヴァークーゼンでアシスタントコーチを経たあと、出身であるパーダーボルンでスポーツダイレクターとしてのキャリアが開始されている。
どうやら、RBライプツィヒではうまくいかなかったようである。
ちなみに選手、スタッフとして5回の昇格を経験している。

中心選手の移籍

アンドレシウバ

ACミランからレンタルのポルトガル人ストライカーは、2020年9月にアイントラハトへ完全移籍し、シーズン32試合28ゴールとブンデス2位の実績を積み上げ、RBライプツィヒへと移籍していった。

余談だが、昨シーズン最多ゴールのレヴァンドフスキは怪我もあり29試合の出場だったものの、2021年8月15日に亡くなったゲルトミュラー氏が持っていたシーズン40得点を49年ぶりに上回る41得点というブンデスリーガ新記録を樹立している。すごいとしか言いようがない。

ルカ・ヨヴィッチ

中心だったかというと異論はあると思うが、様々な影響はあった選手。

2017年ベンフィカから来たセルビア人ストライカーは、2017-18シーズンに3位タイとなる17得点をマークすると、レアルマドリードへステップアップ。しかし、定着することが出来ずに昨シーズンはレンタルで復帰していた。
計18試合で4得点と数字の上では奮わなかったものの、アンドレシウバに加え、ユネス、鎌田、バルコクなど攻撃陣のオプションの一つとして力を発揮し、クラブも獲得を目指していたようだが叶わず。アンチェロッティのもとで再び輝くことが出来るか。もしくは、もう一回戻ってくる?

新しい戦力

イェンス・グラール

まずは一人目はゴールキーパー。シュトゥットガルトからきた32歳のドイツ人。冬ぐらいにユースから昇格した19歳エリアス・ベルドナーが3部のV・ケルンへレンタル、マルクス・シューベルトはレンタル終了でシャルケに戻り、フレデリク・レノウはウニオンベルリンへ旅だった。GKばっかりいてどうすんの!?と思ってた昨シーズンとうってかわり、ドイツ代表ケヴィン・トラップと2人体制。前年も公式戦は出場していなかったみたいで、よくわかりません。

ダニー・ダ・コスタ

マインツへのレンタルから復帰した右サイドのDF。昨シーズンは冬加入の割には15試合ぐらい出ている。今シーズンは4バックが増えそうなので出番があるかな。2019年はEL優秀選手賞にもノミネートされるぐらいだったのだけど、今年の1月にレンタルされていった。気のよさそうな選手。快足で守備面の貢献は非常に大きい。今年はWBとしての起用もありそう。


クリストファー・レンツ

ウニオンベルリンからやってきたDF。昨年は遠藤渓太とともに左サイドを主戦場としてきた。だいぶ前から決まってたなと思ってたら1月には決まっていた。コスティッチとの相性がどうかなというところ。クロスの精度はよさそうだ。

イエスパー・リンドストローム

デンマーク代表の21歳。デンマークからやってきました。浦和のキャスパー・ユンカーもデンマークです。こういった名前が多いんですかね。セルビアとかクロアチアだと「○○○ッチ」みたいな。あ、あっちはfamily nameか。2列目の真ん中として重宝されそうな印象。

クリスティヤン・ヤキッチ

ディナモザグレブからやってきました。クロアチア人です。レンタルです。年代別代表に選出された経歴があります。ポジションは、中盤の後ろ目。
昨シーズンは34試合に出場しており、主力選手だったことがうかがえる。まだ加入したばかりでどんな選手なのかはわからない。
怪我で休んでいるキャプテンのローデ、長谷部、昨年は前目の起用が多かったフルスティッチ、そして今のところスタメンとして安定したパフォーマンスをみせているジブリル・ソウ。さて、割ってはいることが可能か。


こっからFWです。アンドレシウバの抜けた穴を埋めるというか、実質ヨヴィッチでもそれは難しかったわけで、そもそもアンドレシウバがいなかったら前線が心配になるぐらいだったのが昨年のチーム事情。さて、どうなるか。

ラファエル・サントス・ボレ

コロンビア人ストライカー。以前はアトレティコからビジャレアルへレンタルなどスペインでプレーをしたものの続かず、アルゼンチンの強豪リーベルプレートで選手生活を送っていた。2019年のリベルタドーレス決勝で点とっていたらしい。たぶんシュート見たな、なんとなく覚えてる。今のところ出場はしているが、プレシーズンからうまくいってない雰囲気を強い。一発決まれば伸びそうではある。というか、頼むから決めて欲しい。

イェンス・ペッター・ハウゲ

こちらはノルウェー代表でミランからレンタルされました。絵に描いたようなイケメン。昨年は18試合で2ゴールでした。フランクフルトでは3試合で2得点と好調です。2列目での起用が多そう。

ゴンサロ・パシエンシア

シャルケからのレンタル復帰。元ポルトガル代表。昨年、ユニフォーム買ったらレンタルされてしまいしょんぼりさせられたあげく、怪我で長期離脱、結果は計15試合で1得点。今シーズンは途中出場で1試合だけ。タイプ的にはあんたしかCFいないんだ!頑張れ!今年もユニフォーム買おうと思ってるけど?大丈夫?

サム・ラマース

ぎりぎりで滑り込みました、アタランタからのレンタルです。昨年PSVから加入して14試合、2得点。今季も途中出場で2試合。ううーん、どうなんだろ、身長は高い。DAZNにボローニャとの第2節の試合が残ってたので観戦。87分から10分弱出ていた。クロスの際には真ん中に入っていくけど、サイドでボールを持ちたい感じだった。さて、どうなるか。

ここまでの今シーズン

プレシーズンマッチは、色々と選手を試していたようではっきりいってよくわからない。この時点でコスティッチのターゲット不足は明白だったし、夏の移籍市場にかけていたのは伝わってきていた。4バックと3バックで迷っている感じが強いが、第3節を見ると今後は4バックが濃厚。いずれにしてもボランチが2人の編成なので、フォーメーションで言えば3-4-2-1か4-2-3-1になる。

落ち着かない守備

ゴールキーパーはトラップで決まり。たぶん、あと一人ぐらいどっかで補強するとは思う。

守備の要はヒンターエッガーだ。昨年は3バックが主体で、ヒンターエッガーが真ん中、左がエンディカ、右はトゥタ、ボランチに長谷部を置き、ヒンターエッガーがドリブルで上がると長谷部がスペースをカバーしていた。もしくは、長谷部をリベロとして3バックの真ん中に据えていた。

今年も3バックをするなら昨年を踏襲すると思うが、4バックが今のところ有力である。ヒンターエッガーとエンディカをCBに、左SBにレンツを据えるようになった。右はドゥルムかダ・コスタなのだろう。

前掛かりになり裏をとられる、スピードで押し切られると今のところは後手後手の対応になっている。開幕のドルトムント戦は3バックでハーランドにボコボコにされてしまった。しかし、第2節からの4バックもうまく言っているとは言いがたい。CBが釣り出されSBが戻れない、こういった状況は改善していきたいし、そもそも本職のCBがあと1人欲しいところ。

先の読めない中盤の選手起用

中盤の底は選択肢が多いが、フルスティッチとジブリル・ソウのコンビは悪くない。怪我しがちなローデ、そして長谷部の出番が減ることは否めない。ヤキッチがどう絡んでくるかは気になる。DFとボランチの穴埋めはイルザンカーがこなすことになりそうだが、ボールの処理に不安が残る。

問題はコスティッチアミン・ユネスの存在だ。

コスティッチは絶対的な左WBとして君臨していたが、移籍を噂されたものの残留ということになった。4バックとの相性はいまのところ未知数。守備の負担軽減は朗報だが、後方から長いドリブルでの持ち上がり、中央から左のライン際でパスをうけてのクロスで勝負をしてきた昨シーズンと変わり、中に入るプレーも求められることになる。クラブは関係良好をアピールしてるが、代表ウィークが終わったあとの展開から目が離せない。

一方、中盤のダイナモとして活躍したアミン・ユネスは移籍が破談。執拗に相手をおいかける守備、細かいタッチのドリブル、そして威力のあるミドルシュートと縦横無尽にプレーしていたが、多額のサラリーを求め移籍、、、、、のはずが破談となったらしい。いない前提で戦力補強をしていたはずクラブとの関係が不明だが、ユネスが関係修復を求めれば応じざるを得ないほどの実力があるはず。

鎌田、リンストロム、バルコクの組み合わせにFW陣が2列目として入ってくることになる。そこにユネスが復帰すると、まったく先が読めない。ちなみに鎌田とリンストロムは安定した出場機会がありそう。

右サイドに関しては、DFと兼用でダ・コスタ、チャンドラー、ドゥルムが起用されるはず。今年は右からも攻めるのかどうか。

抜けた穴の大きいFW

アンドレシウバの穴は大きい。昨年からいるラフナール・アッヘに加えて、ボレ、ハウゲ、ラマース、そしてパシエンシア。それぞれタイプの違う選手だが、ハードワークもボックス内のプレーもそつなくこなしそうなボレと、ストライカーとしてパシエンシアの覚醒を個人的には期待したい。

シュート数はそれなりなので時間の問題というか、ラストの部分でまだ新戦力がかみ合ってない印象がある。


ここからの展望

今シーズンの振り返りは、だいぶネガティブな感じになってしまった。
仕方がない、公式戦1敗2分けだ。なかなかポジティブにはなれない。

守備は当面は4バックでいくはず。ネガトラに関しては、久々の4バックにDF陣が慣れる必要がある。基本的には奥深くのCBまでプレスをおこない、サイドで刈り取る戦略をとるような感じがしている。

攻撃に関しては、新戦力が多いのでまったく不明。ただ、アンドレシウバはおらず、コスティッチをどれだけ使うかはこれからの問題。ビルドアップは、GK、CBがボールを持った際にはボランチを経由して左中心にボールを前進させ、狙った位置でボール奪取ができればそのまま前線に駆け上がると思われる。昨シーズンは相手がプレスにこない場合はCBが前線までボールを運ぶことが多かったが、今年は減る気がする。

ポジティブな要素としては、

・新監督のオリバー・グラスナーはヴォルフスブルクを4位でフィニッシュさせている
・3バックでも4バックでもどちらも選択可能でDF陣は昨シーズンからの引き継ぎが多く、連携に大きな不安要素がない

上記の2点しか自分には思いつかない。
ただ、前線がどうなるか不明な分、楽しみなのは十二分にある。


現状では、左SBのレンツ、CBのヒンターエッガー、エンディカ、ボランチのジブリル・ソウ、左MFのコスティッチ、トップ下にリンストロムまでが確定で、あとは流動的になるだろう。

すでにカップ戦は敗退しているが、今年はヨーロッパリーグがあるので日程的な余裕はあまりない。人員は足りているように見えるものの、スペシャルな選手がいる状況でないのは辛いところ。


さて、まずは一勝してくれ!!

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