見出し画像

「地方」には何があったっけ?


「東京」にはなにがあるのかを読んで、色々な思いがよぎったので書き殴ることにした。(元記事は有料記事です)

自分は、えとみほさんと同じ栃木に住んでいる。出身は宇都宮市だ。
今住んでいるのは宇都宮から20km弱ほど離れた場所だが、前にえとみほさんが書かれた地方移住4年目のリアルを「その通りだな」と思えるぐらいの場所には住んでいる。ちなみにえとみほさんとはSNSで稀にやりとりさせて頂くことはあるものの、実際にお会いしたことはない。たぶん、生活圏は少しかぶっているだろうと思うし、スタジアムですれ違いぐらいはしているのかもしれない。

とにかく、同じような地域で生活をしている地方在住者だ。

「地方」から「東京」を目指すということ


とりあえず、「東京」以外を「地方」として欲しい。

「東京」は「東京」だ。
上野なのか品川なのか、はたまた新宿か八王子か町田か、東京出身の人も地方から東京にいった人も異論はあると思うが、東京は東京とする。
こういう話になると渋谷で生まれて渋谷で育った人にはわからないなどと理不尽な事を言われるかもしれないが、地方の人が想像する東京はたぶん渋谷なので諦めて欲しい。

「地方」から「東京」を目指すということは、住んでいる街の大きさと最寄りの地方都市との距離、そして東京への移動距離(時間)などに大きく左右される。

東京までの移動距離(時間)が短いということは、その地域の中に東京に行ったことがある人が多いということだ。そうすると東京は怖いところではなくなる。幽霊の正体見たり枯れ尾花だ。ところが、ブラウン管の中の東京しか知らない人ばかりだと東京は怖いままである。

栃木から東京なんて在来線で2時間弱で対した距離ではない。栃木在住で通勤してる人なんてざらだ。でも、栃木に生まれても東京に住みたいと思ってしまうものなのだ。

東京に行ってみつけたこと

そんな栃木出身で栃木在住の自分も東京にいたことがある。

自分は、中学の頃から漠然と東京に憧れを持っていた。そもそも小学校4年生の頃から家を出る手段を模索(全寮制の中学を目指すしかなかったが)していたのだが、それに失敗した自分の欲望は中学から高校にかけて家を出ることだけに留まらず、東京に住むことになっていた。

ブラウン管の中に見える東京は華やかに見えた。

そして高校を卒業し代々木に住んだ。すごい世界だった。少し足を伸ばせばなんでもある。なにかと駅に出かけ山手線に乗った。すべてが新鮮だった!

と書きたかったところだが、ただの浪人生だったので都内の大学に進学してからが東京の本番だった。自分は行動力のあるほうではないが、それでも東京にいるだけで突き動かされるものがあった。例えば、土曜日の朝にぼーっと見てた王様のブランチで六本木のカフェが出てくれば、その気になれば30分もあればいけてしまうのである。開催されるイベントの数も種類も桁違いである。

東京は外界と関わりを持ちたい人にとって、無限にチャンスがあるのだ。

自分を高めるため、自分の利益のため、自分の満足につなげるため、東京にいるといくらでも手段がみつかると同時に関わりたくないことに関わる時間がなくなる。

東京にいるとなんでもみつける事が出来ると錯覚してしまう。そんなことはないのだが、地方にいるよりみつける事が簡単であり選択肢が多い。
しかし、常に歩み続けるのはやはり疲れるのだろうと思う。
そして、合わない人は合わない。

地元に戻った人の思い

あんなに恋い焦がれた東京生活は8年で終わり、自分は地元で仕事をする道を選んだ。地方での生活は、静かすぎて夜眠れないという考えられないような始まり方をした。大学時代に過ごした新宿が忘れられず、休みのたびに新宿へ戻っていた。結婚し子どもが生まれ回数は減ったものの、ことあるごとに新宿へ立ち寄った。行きつけのお店はなくなり、歌舞伎町も様変わりをした、バスターミナルも出来た。自分の知っている新宿は少しずつなくなっていった。そしてコロナ窩になり、しばらく行っていない。

今までなんで地元へ戻ってきたのかよくわからなかったのだが、「東京」にはなにがあるのかを読んで、なんとなくすっきりした。おそらく、東京で働いても地元で働いても自分の生活はもやは変わらないとひっそりと悟ったのだ。つまり、自分には東京は合わなかったのだ。

東京の生活は好きだし、収入が今の3倍ぐらいあって、労働時間がもう少し短ければ東京に住みたいとは思う。でも、そんなことはありえない。
自分のライフスタイルでは、東京に住む意味がもはやないのだろう。

「地方」にはなにがある?

こんなのは書き出したらキリがない。東京にないものが数限りなくある。

「地方」というとどこでも同じかというと当然そんなことはない。それは行ってみないとわからないもので、東京に行かないとわからないことがあるのとまったく一緒である。結局、どこに行こうがないものはないし、あるものはある。そして、そこにしかないものも当然ある。東京は極端なのだ。東京にしかないものが多すぎる。

一つだけ、どこの地方でも共通するものを思いついた。

「東京に比べて選択肢が少ない」ということがあるのだ。

選択肢が少ないことで、認知負荷がずいぶんと軽減される。きっと、これは東京から出るメリットだと思う。東京に住む理由が見いだせなくなっている人は、ちょっと勇気を持って地方へ出てもいいと思う。


あとがき

ちなみに使わせてもらった画像は地方都市のイメージである。自分やえとみほさんが住んでいる環境はこんな感じだ。郊外の幹線道路が発達しその両脇に大手のチェーン店が建ち並ぶ。色んな地方を見てきたが、車で移動するとどこにいっても似たような景色を見ることになる。
あくまで、こんな環境にいる人間の思いなのだ。
この風景が身近にない人は、また別の思いがあると思う。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?