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【小学校受験note⑧】クリスチャン流願書講座・立教女学院小学校編

+主の平和


今回のnoteは

立教女学院小学校

こちらの学校の願書について解説していきたいと思います!



発達に応じた「自由」の教育

立教女学院小学校は、東京都杉並区久我山に所在し、女子の一貫教育を提供する伝統校です。運営母体は聖公会(英国国教会)の学校法人立教女学院です。

聖公会は「カトリックとプロテスタントの中間」という立場をとっています。例えば、毎朝全校児童と教職員の方々が集まる礼拝堂には「聖マリア礼拝堂」という名がついており、聖人信仰がある点ではカトリックと同じです。一方、チャプレン(学校付の聖職者)は「牧師様」ですので、この呼び方はプロテスタントと同じです(カトリックは「神父様」とお呼びします)。

校地が綺麗! 私の最初の印象はそこに尽きます。学校内どこを写真に撮り納めても絵になる学校、THE・私学! これよこれ! 私が思い描く私立は! という、私立女子校のお手本のような学校さん。校地の雰囲気は東洋英和女学院に似ているかな、と個人的には思いました。

もうひとつ、立教女学院小学校の特徴といえば! 私立女子小学校としては珍しく、制服が存在しません。毎月学校から発行・HPに公開されている「小学校だより」に掲載されているお写真を拝見すると、児童それぞれとっても素敵なワンピースをお召しになっています。個を尊重すること、TPOに合わせた服装を自分で考え決める力を養うためという目的のもと、創設当初から制服は設けていないそうです。

娘の幼稚園時代のママ友達に、立教女学院OGの方がいらっしゃいました。それはもう!飾らない佇まいから溢れ出す温和さと気品と知性。「え? 私そんな感じなの?」と、あっけらかんとして笑う所作までも美しい。まさに、女子に好かれる女子、というママでした。しかしながらそのママは、お嬢様を母校に入れることはまったくお考えではなく、その理由は

「(学校が家から)遠いから」

というシンプルなもの。実際お嬢様は、自宅から徒歩3分の場所にある公立小学校に入学されました。

それと同時に教えていただいたことは「立女は周りが言うほど自由ではない。細かい規則がいくつもあるから、特に低学年の頃は自由意志で決められることは実はあまりない」ということでした。

まだ自由と無法の区別があやふやな幼少期ですから、年齢や経験を重ねていきながら、徐々に手を離していく=裁量権を与えていく、と考えると、発達に応じた教育が保障されているということでもあります。

教育方針も実際の教育内容も魅力的であることは、お受験の世界ではあまりに有名です。何がなんでも娘を立女に! というご家庭が多いのも納得です。


3日校の狭き門

立教女学院小学校の試験日は、毎年11月3日に設定されています。私立小学校の試験日が11月1日に集中していることを考えると、他校と併願しやすい学校といえます。

とはいえ、これは11月2日が試験日の東洋英和女学院小学部にも同じことが言えるのですが、併願しやすいということは本気で受験しにくるご家庭が多いということでもあります。

加えて、立教女学院小学校は元々第一志望のご家庭が多いので、1日校は併願校と捉えて試験慣れした上で、3日に万全の状態で試験に臨むという作戦の受験生も多数いらっしゃいます。

近年、中学受験の世界では大学附属校の人気が高まっており、その影響で立教大学への推薦枠がほぼ100%となった立教女学院中学校の志願者も上昇、そこへほぼ確実に進学できる立教女学院小学校の人気もさらに高まる、といった図式が出来上がりつつあります。

狭い門から入りなさい。滅びに通じる門は広く、その道も広々として、そこから入る者が多い。しかし、命に通じる門はなんと狭く、その道も細いことか。それを見いだす者は少ない。

マタイによる福音書7:13~14

小学校受験界隈では、試験に合格することを「攻略」と称する層が存在することを私も知っています。ですが、1校としてまったく同じ学校が存在しない中で、いわゆる学校の序列ができ上がってしまうことには違和感があります。

そのご家庭のナンバー1の学校は同時にオンリー1でもあるはずです。

特に立女は3日校だから、併願者は抜けて実質倍率は下がる、とお考えのご家庭も少なからずお見受けしますが、立教女学院小学校の門の広さを見誤るのは危険です。歴史も伝統もある魅力的な学校ですから、本命校と併願校の区別なく、全力で対策するべき学校であることは間違いありません。


検索で拾える文言は避ける

さて、元来人気の高い立教女学院小学校。願書の志望理由記入欄は600〜700字程度でまとめるスペースになっております。罫線はないので、ご家庭の判断で文字の大きさなどを決める必要があります。←この辺、立女らしくてグッときます。

有り余る立教女学院への愛を叫びたいところではありますが、先生方の読みやすさも考えた文字数でまとめましょう。

繰り返しになりますが、入試倍率が高いのは11月3日が試験日だから、とおっしゃる方が少なくありませんが、それは裏を返せば「確実に合格を取りに行くご家庭が多い」ということです。立教女学院が第一志望のご家庭、1日校からご縁をいただけず次こそはと燃えるご家庭。この点は前回までに記事にしました横浜雙葉小学校、東洋英和女学院小学部と同じです。

面接では面接票と願書を元に結構突っ込んだ質問もありましたので、600〜700字という文字数を有効利用して面接も有利に運びたいところです。

さて、まずは冒頭の文を書いていきます。

私共は貴校の、キリスト教の愛の精神に基づいた教育に共感いたしまして、志望いたしました。

↑これ、実は整っているようで中身がすっからかんな一文ですので、決して書かないようにお願いいたします。キリスト教学校でなくとも、愛の精神に基づいた教育は日本のすべての国公私立学校で行っています。

感じの悪い表現を使って申し訳ありません。ですが実はこれ、願書をお読みになる先生方がお感じになることでもあるのです。

特に、スクールモットーをはじめ、教育目標など、学校案内パンフレットやHPなど至る所で目にする言葉を使うのは避けるべきです。

学校の建学の精神に賛同しました

我が家の教育方針と一致しています

子供を更に伸ばすために御校を志望しました

この流れはとても書きやすく、そのため大多数のご家庭がこのフォーマットで書く(書いてしまう)のです。

しかし、毎年何百という願書をお読みになっている先生方にとってみれば目新しさはありません。

学校に対する本気度が伝わりにくいのです。

では、本気度が伝わる願書にするには、どうすれば良いでしょうか?

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