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エイブラハムをかじっただけの男と弟子 その72 望むことを語る

ソ ラ :先生、僕、お金に余裕がある人になりたいです!!

エス太 :そうか、よかったな!!頑張れ!

ソ ラ :・・・。

エス太 :このカフェオレうんまぁ。このミルクとコーヒーの絶妙な割合がまさに俺好みだわぁ。しかも無糖。俺、無糖のカエフォレが好きだもんなぁ。なぁ、ソラ。

ソ ラ :いやいやいや、「なぁソラ」じゃなくて!大事な弟子が、切実に相談してるんですから、それに答えるのがメンターのあるべき姿でしょう!?

エス太 :俺はべつにお前を弟子だなんて思ってね~よ。お前が勝手に先生って呼んでるだけだろ。

ソ ラ :だって先生、このシリーズのタイトル見てくださいよ「エイブラハムをかじっただけの男と弟子」ですよ!しっかりと「弟子」って入ってるじゃないですか!

エス太 :それは、マッキー(この話の作者)が勝手につけたタイトルだろ?俺は知らね~よ。

ソ ラ :そんな無責任なぁ。

エス太 :まったく、しょうがね~な~。相談って何だっけ?授業中に消しゴムを拾ってくれたあの子が気になるって話だっけ?

ソ ラ :全然違うわ!!なんじゃその、学校初恋あるあるはっ!僕はお金に余裕がある人になりたいって話ですよ。

エス太 :そっか。確かに、そんなんだったかもなぁ。ソラ、お金について望むことを語ってみろ。お前は何でお金に余裕がある人になりたいんだ?

ソ ラ :だって、今の僕はお金に余裕があるとはとても言えない生活で、もし、お金に対して自由になれたら、やりたくない仕事はしなくてすみますし。今は欲しくて我慢している物だって気にせずに買えるようになるじゃないですか。

エス太 :ソラ、俺は、望むことを語れって言ったんだぜ。

ソ ラ :だから、望みを語っているじゃないですか。お金に余裕がある人になりたいって。

エス太 :いいか、お前が語っているのは、いかに今、お金に苦労しているかという、望まない現状についてだ。同じ「お金に余裕がある人になりたい」という内容でも、望まないことを語るのと、望むことを語るのでは、引き寄せるものが全然違う。
引き寄せの法則というのは、フォーカスの法則だ。現状を観察して望まないことを語っている間、お前は望まないことにフォーカスし、それを引き寄せているんだ。
そして、望まないことを語っている間、お前は気分が悪いはずだ。

ソ ラ :ちょっと難しいですね。確かに気分はよくなかった気がします。現状への不満を語っている感じでした。

エス太 :ソラ、もう一度、望みについて語ってみろ。お前は何で、お金に余裕がある人になりたいんだ?

ソ ラ :それは・・・。

エス太 :使いきれないくらいの豊かさがあれば、お前は何がしたい?何ができる?そして何を感じる?

ソ ラ :自由を感じます。何でもできる気がします。行きたい所に自由に行って、素敵な景色を見ます。

エス太 :いいね。それはどんな景色だ?どう感じる?

ソ ラ :綺麗な海、綺麗な空、そしてゆったりと時間が流れ、癒しと安心感を感じます。

エス太 :そこで、何を食べたい?せっかくだから、めっちゃうまい物がいいな。

ソ ラ :そうですね。美味しいお酒なんかあれば最高です。

エス太 :隣には誰がいる?

ソ ラ :優しい彼女なんかがいれば最高です。

エス太 :そう、そして俺がいる。

ソ ラ :えっ?

エス太 :俺もうまい物を食べ、酒を飲んで、綺麗な景色を見て、自由を感じている。う~わ、めっちゃ自由だ~!

ソ ラ :ちょっとちょっとちょっと、人の妄想に勝手に入ってこないでくださいよ!何が悲しくて先生と綺麗な景色を見なきゃなんないんですか!彼女とだって言ってんのに。そこに入りこむなんて、デリカシーとかないんですか?

エス太 :いいじゃね~か。俺だって行きたいわ。

ソ ラ :自分で行ってくださいよ。家族とでもいいですし。

エス太 :何だよ。いいじゃね~か。まぁ、とにかくだ。望むことを語っていた時、気分はどうだったよ?

ソ ラ :とても気分よかったです。自由を感じました。先生が乱入してくるまでは。

エス太 :お前・・・。まぁいい。そう、それ。その瞬間、お前は豊かさや自由を引き寄せているんだ。

ソ ラ :そうなんですか!?

エス太 :これからも、望まないことではなく、望むことについて語ってみろ。これもまた、エイブラハムの教えだよ。

ソ ラ :わかりました。

エス太 :最初は望むことについて語ることが難しく感じるかもしれないが、まぁ何事も練習だよ。いきなりできなくても大丈夫だ。
望むことについて語っている時っていうのは、気分がいいはずなんだ。何を引き寄せているかは、お前の感情が教えてくれるよ。
ところでソラ、彼女できたん?

ソ ラ :いえ、まだです。

エス太 :そっか。まぁ、あの~、あれだ。消しゴムでも拾ってみたらいいんじゃないか?

ソ ラ :いや、それ学校初恋あるあるのやつっ!!落ちてないわ、消しゴムっ!!

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