エイブラハムをかじっただけの男と弟子 その4 エス太からの質問
こんにちは。僕はソラと言います。
普通の会社員として毎日働いています。
最近、人生に疲れ、自分の将来に対してこのままでいいのかなと不安を感じるようになりました。
だけど、どうしたらいいのかもわからず途方に暮れている時、ある人に出会いました。
その人は、いつも、ぐーたらで、やる気があるのか、ないのかわからないけど、素敵な家族がいて、いつも幸せそうで、それでいて、とても豊かに日々を過ごしてているんです。
この人がなぜそんなに幸せにあふれた生活を送れるのか、僕はその秘密が知りたくて、勝手にこの人を先生と呼び、この人のもとで人生の成功について学ぶ日々を送っています。
ソ ラ :先生、今日も来ましたよ~。今日こそはいろいろと教えてくださいよ。
僕も先生の様な幸せな生活を送れるようになりたいんです。
エス太 :よし、俺は今、絶賛昼寝中だ。帰れ。
ソ ラ :そんなこと言わず、昼寝なんてしてても時間がもったいないですよ。ていうか、毎日昼寝してるじゃないですか。よくそんなに寝れますね。
エス太 :もはや昼寝は俺のライフスタイルの一部だ。この時間だけは誰にも邪魔はさせない。そして、それは俺のポリシーであり、そ・・・
ソ ラ :コンビニでカフェオレ買ってきたんですよ。一緒に飲みましょう。
エス太 :オイッ!!仮にも先生と慕う人の話を食い気味でかきけすんじゃね~よ。
ソ ラ :え?あ、すいません。なんか話してました?では、黙って聞いてますので続きをお願いします。
エス太 :・・・いや、大丈夫だ。なんでもない・・・。
ソ ラ :そうですか。カフェオレ、飲みます?
エス太 :はい、飲みます!!
ソ ラ :先生、先生はなんでそんなにのんびりしてるのにいい生活を送れてるんですか?
エス太 :お前の口ぶりだと、いい生活を送るには、のんびりしていたらいけないと聞こえるが。
毎日あくせく働いて、苦労して、大変な思いをすれば、その対価としていい生活が送れるようになると、そう信じてるってことか?
ソ ラ :まぁ、お金をいただくにはそれなりの苦労は伴うと思っています。実際、昔からそう教わってきましたし。今だって実際にそうです。
エス太 :そうだな。俺も昔は周りの大人からそう教わってきた。んじゃぁさ、お前は、毎日やりがいのある楽しいことをして、豊かな生活を送っている人って見たことないか?
ソ ラ :先生がそうだと思います。他にも何人かそんな人を知っていますが、そんな人は極めて少数の例外だと思います。
エス太 :えっ?もしかして自分はそうはなれないと思ってる?
ソ ラ :できることならそうなりたいですけど。どうやったらいいのか・・・。だから、こうして先生のもとに通っているんです。
僕はどうしたらいいんですかね?
エス太 :ソラ、ここでいくつか質問させてくれ。俺がこれから言うワードに対して普段ソラが考えている言葉を返してくれ。
ソ ラ :わかりました。
エス太 :人生とは?
ソ ラ :難しい。大変。
エス太 :仕事とは?
ソ ラ :大変なもの。辛いもの。
エス太 :お金とは?
ソ ラ :めっちゃ欲しい。手に入れるのは大変。
エス太 :両親とは?
ソ ラ :安心させたい。喜ばせるもの。
エス太 :人間関係とは?
ソ ラ :苦手。気を使う
エス太 :健康とは?
ソ ラ :今のとこ元気。
エス太 :彼女とは?
ソ ラ :欲しい。
エス太 :目玉焼きには?
ソ ラ :ソース。
エス太 :エス太とは?
ソ ラ :無。
エス太 :そうか・・・ん?無?え、無?マジで?
無って、あの、感情が動かないっていう、あの無?
何とも思っていませんよ~っていう、あの無?
キッツいなぁ~。俺たち、今まで出会いからいろいろあったよ~。
ソ ラ :冗談ですよ、冗談。もちろん「尊敬」です。
エス太 :いやぁ~。ほんとそうかな~。さすがに結構いいパンチ食らってるよ~。なんかもう、足にきてるよ。
立てる?俺。立ち上がれる?ヒザが笑ってるよ。俺、ここから立て直せる?
ソ ラ :もちろん「尊敬」ですって。ウソじゃないですよ。
エス太 :だとしても、あぁ~、一回シバきたいわ~。
ソ ラ :いやいや、先生がいつもユーモアが大切だって言ってるじゃないですか。
ちょっとしたボケですよ。
エス太 :ま、まぁな。確かに、ユーモアは大事だわ。まぁ、いいか。でもキッツいな~。
ソ ラ :めちゃくちゃ引きずってるじゃないですか。ところで、今の質問がどうかしたんですか?
エス太 :あのな。今、いくつか質問に答えてもらったろ?
ソ ラ :はい。
エス太 :その答えこそが、今のお前の人生を創っているんだ。
ソ ラ :えっ?
つづく
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