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🅂20 そしお予枬は倖れる 

「A little dough」 第章 支出しお生掻する 🅂20 䜏たいにかけるお金

 前回から䜏たいに぀いお蚘茉しおいたすが、私個人は「賌入vs賃貞」ずいわれたら賌入を前提に考えたすし、たた「マンションvs戞建お」ずいうなら戞建おを遞択したす。それは、小さな平屋の家屋に芝生の庭䜜りたいず思っおいたからです。ただ、若い時にこうした個人的な願望を持っおも、これを実珟しようずするず数々の困難が埅ち受けおいたす。バブル経枈の最䞭、同僚たちが東京郊倖に56千䞇円ほどの戞建お䜏宅を賌入しおいくのを、私は少し驚きながらみおいたした。田舎育ちの私にずっおは、東京近郊での䞍動産取埗は考えにくいものだったように思いたす。それでも䜏宅には興味がありたしたので「リゟヌト物件情報」などの雑誌で那須や䌊東蟺りの土地を物色し、セカンドハりス暮らしを空想しおいた蚘憶がありたす。
 䜏宅を遞択する堎合のコンテクスト環境や状況は、様々です。私たちが䞀番優先したいのは䜕か、ずいう「必芁性のプラむオリティヌ」に立ち返っお、ゆっくりず将来を展望しおみる必芁があるようです。

➀超䜎金利時代、終焉の兆し
 バブル経枈厩壊のあず日本は䜎金利時代に入りたしたが、アベノミクス以降は曎に超䜎金利時代ずいっおも過蚀ではない状況が生たれたした。ただアベノミクスの「3本の矢」は金融・財政ずいうホップ・ステップに終始し、肝心の成長戊略ずいう倧きなゞャンプは達成できず、のむンフレ目暙も実珟できたせんでした。しかしロシアのりクラむナ䟵攻ずいう予想もしなかった出来事がトリガヌずなり、どうやら日本にもコストアップ型のむンフレが到来しおいるようです。曎にアメリカのむンフレず金利匕き䞊げがドル高を招き、結果ずしお円安の恩恵を受けた日本の茞出産業は奜調に掚移しおおり、このたただず無理だず思われおいた「GDP600兆円」も達成しかねない状況になっおいたす。
 こうしおみるず物事の予想ずは圓たらないものですが、珟圚の囜内物䟡や為替の状況から今埌の金利動向を考えるず、私は圓面の玆䜙曲折を経たうえでやはり䞊昇トレンドを想定しおしたいたす。
 さお䞀方で、これだけ長期間に枡っお䜎金利が続くずさすがに䞍動産䟡栌は䞊昇しおいたす。リヌマンショックのあず比范的リヌズナブルな時期もありたしたが、囜土亀通省が発衚しおいる䜏宅䞍動産䟡栌指数では、2010幎を100ずした党䜓平均が2023幎4月で134.9ポむント、特にマンションに぀いおは192.0ポむントず倍近くたで跳ね䞊がっおいる状況です。
 こうした䜎金利ずいう远い颚をベヌスに䞊昇した䞍動産を、今埌金利の䞊昇が予想される局面で賌入するずいうのも、やや勇気が必芁な刀断になりたす。金利が䞊昇すれば消費者の返枈額が増加するため、借り入れ元本額は枛少し高䟡な物件が賌入しにくくなりたす。高額物件の売れ行きが怪しくなるず、䜎金利の為に倀䞋げをしなかったデベロッパヌも、金利負担を嫌い物件の早期売华の為にやがお倀䞋げを始めたす。そうしたトレンドを予想するず私たちは「今は控え時」ずいう気にさせられおしたうからです。

➀人口ピラミッドが瀺すこず
 さお、䜏宅䟡栌を考える堎合にその需絊に倧きな圱響を䞎えるのが、総人口や人口構成の倉化です。
 総人口は総務省の統蚈によれば、2010幎の1億2千8癟䞇人をピヌクにその埌は枛少を続け2021幎珟圚で1億2千6癟䞇人を切っおいる状況です。将来予想では、2050幎頃を目途に1億人を割っおしたうだろうずいわれおいたす。
 たた珟圚の人口構成に぀いおはひょうたん型ずいわれおいたすが、䞋の総務省の図を芋るず、70歳代ず40歳台埌半に倧きな塊がみられたす。䞊が1947幎1949幎に生たれた団塊䞖代、䞋が1971幎1974幎に生たれた団塊ゞュニア䞖代ずなりたす。特に団塊ゞュニア䞖代は最近の䞍動産䟡栌の高隰を支えた局ですが、これからの10幎を芋通すずこうした局は枛少の䞀途をたどるこずになりたす。図では、15歳から64歳たでの生産幎霢人口の掚移を珟わしおいたすが、これもたた同様に䜏宅賌入局の枛少を予枬させる掚移ずなっおいたす。

総務省統蚈局人口掚蚈2021幎什和3幎10月1日珟圚結果の芁玄 より
総務省統蚈局人口掚蚈2021幎什和3幎10月1日珟圚結果の芁玄 より

 䞀方で「東京の人口は枛らない」ずいう意芋もありたすが、東京郜は2030幎の1424䞇人をピヌクに枛少に転じるず予想しおいたす。実際、江戞川区、倧田区、䞖田谷区、杉䞊区ずいった比范的人口が倚い区の枛少が目立っおいたす。江東区などのベむ゚リアや駅近などのマンション建蚭はただ続くず思われたすが、それでも東京の人口もたた今埌は枛少しおいくず考えられたす。

➀そしお䜏宅䟡栌はどうなる 
 金利は䞊昇し人口は枛少する、ずくれば䞍動産䟡栌は䞋萜するず予枬したいずころですが、実際予枬ずは珟圚たでのトレンドがベヌスになりたすから、ここで予枬できおいない芁因があるずすっかり倖れおしたいたす。䞍動産䟡栌に限らず「盞堎」のような耇雑系の産物は、いく぀かの芖点で捉えお予枬しおみおも、自ずず限界があるものです。
 それでも次の点は抑えおおくべきでしょう。䞀぀は䜎金利が20幎以䞊も続いたこずで䞍動産䟡栌、特にマンション䟡栌は総じお高隰しおいるずいうこずです。そしおもう䞀぀は、人口構造の掚移から個人䜏宅の需芁は今埌長期的には枛少するず予枬されるこずです。
 これを螏たえお、これからの䞖垯圢成局がずるべき察応は、じっくりず貯蓄をしながら個人のコンテクスト環境や状況を芋極め、自分なりの䜏宅芳を育おおいくこずだず思いたす。シンプルな生掻を実践する家蚈管理胜力ず䞀定の貯蓄胜力、そしお自分なりの䜏宅芳がある皋床定たっおくるず、その時々の刀断には必然性が生たれおきたす。
 しかしすでに賌入を怜蚎䞭ずいう方であれば、「そんなにのんびりしおはいられない」ずいうこずかもしれたせんし、今曎匕き返せない堎合であれば、タブン「根拠なくただ腹を括る」ずいう遞択に至りたす。自分なりの䜏宅芳がないたた家を持った堎合、この先「賌入した事実」に匕っ匵られるような思考を繰り返すこずになりたす。少し匷烈な満足ず埌悔が波のように打ち返すかもしれたせんし、その床に自分の遞択を正圓化するこずになるかもしれたせん。しかしそれは、「根拠なく腹を括る」ずいった遞択には぀いお回るものです。めげずにしっかりず矩務を果たしながら、幞せな家庭を䜜っおいくよう努力するほかありたせん。
 私が考える「䜏宅芳」ずは、この高䟡な買い物借り物の持぀盞察的なむンパクト地䜍財ずしおの䟡倀をやわらげ、䜏宅の持぀必芁䟡倀を理解するために必芁なものず考えおいたす。その結果賌入するか賃貞を継続するかは人それぞれですが、その刀断が私たちのベストチョむスになる可胜性は高くなる、ず考えられるからです。


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