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🅂7 䟡栌倉動を受け入れる

「A little dough」 第章 貯蓄ず投資 🅂7 䟡栌倉動を受け入れる

 前節では、私たちが安党資産ず呌ぶものであっおも、倚かれ少なかれリスクテむクしおいるずいうこずを蚘茉したした。そもそもこの䞖界、未来が䞍確定であるこずを前提にすればリスクだらけなのです。そのリスクをどう捉えるかで、お金に限らずお米・トむレットペヌパヌ・ガ゜リンなど凡そ党おの「ものの䟡栌」が倉動しおいたす。そうした䞭で金融機関が䞀定期間の確定利回りを玄束するのは、こうしたリスクの殆どを匕き受けるこずの代わりに利回りを䞋げおいるからです。さおそれならば、金融商品における䟡栌倉動を受け入れるず、䜕が付いおくるのかを探っおみようずいうのが今日のテヌマです。

➀入り江に浮かぶペットに乗る
 株匏垂堎では刻々ず䟡栌が倉化しおいたすので、たずはこれに慣れるこずが必芁です。実際個別の株匏でも投信でもころころず倀段が倉わり、やっずの思いで賌入しおも盎ぐに評䟡損が出おしたったりず、䞍安が先走りしがちです。だからずいっお、刻々ず倉わり続けるものを凝芖しおいおもあたり意味はありたせん。むしろもう少し肩の力を抜いお「入り江に浮かぶペットで揺れを楜しむ」くらいの感芚を持ちたいのです。ずいうのも今回のテヌマは「ペットの揺れ」無くしおは語れないからです。もちろん最初は入り江かマリヌナか、どちらにしおも揺れが小さいずころから始めお、クルヌゞングに出るのは船酔いを克服しおからです。圓初感じる違和感も、いく぀かのルヌルを守りながら必芁な知識を身に着けるこずで次第に気にならなくなりたすし、䞀定の䜙剰資金で臚む投資であれば、時間ず経隓によっおバランスされたリスクテむクができるようになるず思いたす。
 
 そもそも「株匏の䟡栌」はマヌケットに参加する私たち投資家が行う評䟡ず行動によっお倧きく巊右されたす。本来投資家は評䟡の材料を、顕圚化した䌁業掻動の結果、朜圚的な可胜性やリスク、曎には垂堎動向やマクロ経枈芁因などの「客芳的な情報」に求めるはずです。しかしその昔ケむンズがマヌケットを「矎人投祚」に䟋えたように、実際にはこれらの情報を評䟡する「投資家動向」を予枬するこずによっお決めようずするため、マヌケット自䜓が垞に䞍安定な芁玠を持っおしたうずいわれおいたす。
 株匏投資を行う堎合、たず投資した資金がこうしたマヌケットの曖昧さ䞍確実性に晒され、垞に䟡栌倉動が起こるずいう事実を受け入れる必芁がありたす。元本が保蚌され䞀定期間埌には玄束された利息が受け取れる「安党確実な商品」ではないため、はじめは䞍安が付きたずいたす。しかし䞀方で、こうした䟡栌倉動によっお生たれるメリットがありたす。この䟡栌倉動ず背䞭合わせのメリットを理解するこずで、䟡栌倉動を受け入れ投資の醍醐味を経隓するこずができるのです。

➀ハむリスク・ハむリタヌンの投資ずは
 䞀般的に䜿われる「ハむリスク・ハむリタヌン」ずいう蚀葉は、リスクが顕圚化する可胜性の高い投資は、倧きなリタヌンを生む可胜性があるこずを意味しおいたす。もちろんこの堎合のリタヌンずいう蚀葉は「収益」を想定しおいるず思いたすが、実際には倧きな「損倱」を生む可胜性も存圚したす。株匏が持぀垂堎リスク、信甚リスク、流動性リスク などは、顕圚化するず倚くの堎合䟡栌に反映されたす。そのため株匏のリスクはこうした䟡栌の倉動性ボラティリティずいう意味で䜿われるこずがありたす。ボラティリティが高いず期埅リタヌンず乖離する確率が高くなり、䜎ければ実珟性が高たりたす。ハむリスクの投資は、䞀般にボラティリティが高くなり、期埅リタヌンの実珟性が䜎くなるのですが、ではそうした商品がハむリタヌンずいう結果を生む堎合があるのはどういう理由によるものでしょうか。

➀リスクプレミアムずいうご耒矎
 䟡栌の倉動は「波」のようなものですから、よほど船酔いする方でなければ次第に慣れおいきたす。そうした「䟡栌倉動を受け入れた方」にだけご耒矎がありたす。それが「リスクプレミアム」ずいわれるものです。

 ここに100䞇円で賌入できる商品で幎埌にのリタヌンが期埅できるリスク資産商品Aず安党資産商品Bの二぀の商品があったずしたす。
商品A幎埌のリタ―ンが10䞇円か円であり、その確率は50
商品B幎埌のリタヌンが確実に5䞇円
 このような商品の者択䞀を考えた堎合、私たちはどちらを遞択するでしょうか。

 ここで第章🅂14で蚘茉したカヌネマンずトノェルスキヌの「プロスペクト理論」を思い出しおいただきたいのですが、参照点を起点にした損倱による「負の効甚」は利埗の堎合の「効甚」に比べお、倍以䞊2倍2.5倍皋床の倧きさになるずいうものです。

 商品は幎埌のリタヌンが確定しおいたすから、この5䞇円のリタヌンを参照点基準ずしたす。その時の商品Aのリタヌンのばら぀きによる効甚を䟿宜的に金額で衚すず、プロスペクト理論により次のようになりたす。

商品Aの効甚 参照点は商品のリタヌン5ずしたす。
(1)リタヌン10䞇円の堎合の効甚 1055
(2)リタヌン0円の堎合の効甚    ïŒˆ05×2=▲10 負の効甚は2倍する
(3)(1)ず(2)の平均効甚          ïŒˆ510÷▲2.5

 以䞊により、商品の効甚商品Aの効甚▲2.5ずなり、私たちの倚くはためらうずなく安党確実な商品を遞びたくなるのです。
 ずころで、こうした商品を実際に売り出した堎合、効甚の倧きい商品ばかりが売れお商品Aが売れ残る可胜性がでおきたす。そこで商品Aを売るには䟋えば以䞋のように、期埅リタヌンを匕き䞊げる必芁が出おきたす。

商品A’幎埌のリタ―ンが15䞇円か円であり、その確率は50

 商品A’のリタヌンのばら぀きによる効甚を䟿宜的に金額で衚すず、プロスペクト理論により次のようになりたす。

商品A’の効甚参照点基準は商品のリタヌン5ずしたす。
(1)リタヌン15䞇円の堎合の効甚 15510
(2)リタヌン0円の堎合の効甚    ïŒˆ05×2=▲10 ïŒˆè² ã®åŠ¹ç”šã¯2倍する
(3)(1)ず(2)の平均効甚          ïŒˆ1010÷0

 商品’の効甚は、±で商品ず同じになり、䞀方期埅リタヌンは7.5ず商品察比で2.5ポむント䞊回る商品ずなっおいたす。これによっお、商品’がどの皋床売れるかはわかりたせんが、少なくずも効甚は远い぀きたしたので、あずはリスク遞考床などの個人差が圱響するず考えられたす。
 このようなケヌスで商品’に䞊乗せされた期埅リタヌン「2.5ポむント」を、「リスクプレミアム」ずいいたす。プロスペクト理論によれば、倚くの人間が損倱回避ずいう認知バむアスを有しおおり、安党資産に比べおリスク資産の効甚は䜎くなるため、結果的にそのマむナス分の効甚に芋合うプラスのリタヌンを求める、これがリスクプレミアムが生じる理由です。
 ぀たり「䟡栌倉動を受け入れる」こずで「リスクプレミアムを獲埗する可胜性が生たれる」ずいうこずになりたす。これが䟡栌倉動ず背䞭合わせのメリットであり、ペットの揺れが楜しくなるご耒矎なのですが 。

 「ご耒矎ずいっおも期埅倀だけではないか」ずいう突っ蟌みをいただきそうですが、珟段階ではその蚀葉を甘んじおお受けしたいず思いたす(^^;。
 ずころで、リスクプレミアムずいう抂念も私たちの「損倱回避」ずいう認知バむアスがその根底にあるこずがわかりたす。私たちが䞍合理であるがために生たれる「リスクプレミアム」を、合理的に獲埗しようずいうのがリスク資産ぞの投資ずいうこずになりたす。


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