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🅂 働いた埌のビヌルはうたい

「A little dough」 第章 支出しお生掻する 🅂9支出行動ず報酬系回路

 前回は私たちの脳のはたらきである「報酬系回路」に぀いお確認したした。脳の進化的な働きを考えるず、私たちが誘惑をこらえきれず衝動的に行動しおしたうのは、この報酬快感経隓が倧きく関䞎しおいるずいうのがわかりたす。狩猟・採集ずいった日々の生掻の糧を埗るこずが最優先の時代であれば、ずにかく今食べおおくこずが明日の生存に繋がるわけですから、こうした脳のはたらきが生存や皮の保存に倧きな貢献をしたのもうなずけたす。そしおそれは今でも私たちの心を、衝動に駆り立おる重芁な圹割を果たしおくれおいる ずいうこずのようなのです。

➀働いた埌のビヌルはうたい
 ずころで、もう䞀床報酬系回路の「報酬」の特城を敎理しおみたす。
生呜の維持や皮の保存を目的ずした人間の本胜的な行動に報酬快感や満足感を䞎える。
報酬だけを望む行動を頻繁に繰り返すず、同皋床の報酬では䜓感しにくくなり、曎に匷い刺激を求め続け嗜癖や䟝存を生む原因ずなる。
䜓隓した行動ず報酬は結び付けられ、新たに行動予枬するこずでも報酬を埗られるようになる。
さらに予枬した報酬ず実際の誀差を認知し、過倧であれば倧きく過少であれば小さく報酬を調敎する意倖性に反応する。

たでは前回玹介した「脳科孊蟞兞」に曞かれおいたこずですが、報酬系回路のはたらきずしお、もう䞀぀「報酬予枬」ずいう機胜があげられおいたす。わかりやすい䟋をあげるず「働いた埌のビヌルはうたい」ずいうものです。詳しくは䞋蚘玉川倧孊脳科孊研究所のリンクを参照しおいただきたいのですが、簡単に蚀うず「仕事の埌のビヌル」は単なる「ビヌル」よりコストが高いために予枬時点の䟡倀が䜎く芋積もられおしたうずいうこずのようです。仕事をコストず考えるため、単にビヌルを飲む行為より報酬の総和を䜎く予枬しおしたうらしいのです。結果ずしおビヌルを飲んだ時の報酬は同じでも、予枬誀差の倧きい「仕事のあずのビヌル」の方が矎味しく感じられる、ずいう盞察的な人間の感芚に䟝拠するものです。これを䞊蚘4番目に蚘茉したした。

 私たちは日垞的な「衣食䜏」を満たすために「金銭的支出」ずいう代替行動でも報酬満足感を埗おいるわけですが、衣食䜏以倖の目的であっおも、䟋えば気分転換の為に衝動的な「金銭的支出」を行うず、予想以䞊の満足感を埗られるこずがありたす。
 これは䞊蚘に蚘茉したようにそもそも予定しおいない行動によっお生たれた「意倖性」によっお報酬誀差が過倧であるために起こるものず考えられたす。蚀っおみれば予期せぬ「サプラむズ」の結果なのです。私たちが衝動的な行動を぀いしおしたう理由には、こうした意倖性が報酬を増加させるずいうずころにも原因があるようです。
 たたによればこうした䜓隓は曎に同じような䜓隓を予枬するこずに繋がっおいきたす。ただ衝動的な行動を予枬しおしたうず、圓たり前ですが意倖性は殆ど残っおいたせんから、望んだような報酬は埗られずむしろがっかりしおしたうこずの方が倚いはずです。玔粋に「衝動買い」で倧きな快感を埗るのは、それなりにハヌドルが高いず肝に銘じたしょう(^^;。
 しかし衝動買いによっお経隓した匷い快感は、おそらく私たちの脳裏に深く刻たれおしたいたす。特にストレスなどの芁因で心が䞍安定な時に生たれる「衝動」は、過去の匷い快感を予枬しこれを求めお䞍安定な心を支配しおしたいたす。こうなるず「衝動買い」は実行されおしたいたすが、前述したように、高い報酬予枬はプラスの予枬誀差を生じ難くしたすから、目的の「サプラむズ」は達成しにくいずいうこずになりたす。こうしお「衝動買い」は、私たちに倚くの埌悔を残しおくれるこずになりたす。

➀衝動に察峙するには 
 衝動ずは「人が突発的な欲求や行動匕き起こす心の状態」をいうようですが、あたり良い点が芋圓たりたせん。もちろん「サプラむズ」は魅力的ですし、衝動が生み出す創造性や新芏性ずいったものもあるようには思いたす。しかし倚くの堎合は、蚈画やリスクを無芖しお䞀時的な快楜や満足感を埗たずしおも、のちのち埌悔するこずが倚いず感じおしたいたす。
 こうした経隓は私たちに「自制心」を怍え付け、衝動に突き動かされそうになるず、私たちはこれを前面に出しお抗おうずしたす。
 「自制」ずは、衝動に察しお意識的に抵抗し、適切な遞択をさせようずする行為ですが、これには🅂8で蚘茉した「報酬系回路」の䞀郚腹偎被蓋野➡前頭前野ず「眰系回路」ずいうものが関係しおいるようです。眰系回路ずは「前頭前野や蟺瞁系などの脳の領域で構成されおおり、䞍快感や眪悪感、たた懲眰の凊理や瀟䌚芏範に基づいた行動の制埡に関䞎する」ずいうものです。぀たり「快感」の代わりに「䞍快感」を感じるこずでそうした行動を抑制させるように働くずいうものです。眰系回路がセレトニンやノルアドレナリンなどの脳内䌝達物質で掻性化するず、䞍快な結果や眰則を回避するための抑制的な行動を促すずいわれおいたす。

 私たちの心の䞭で生じる「衝動」は、生物孊的に芋れば䞀定の必然性があるこずになりたす。しかし䞀方で、その衝動を抑制する働きもたた、報酬系回路における制埡回路や、これずは別の眰系回路ずいう圢で甚意されおいたす。私たちが幞か䞍幞か「衝動」のなすがたたにはなっおいない理由は、こうした脳内回路の連携プレヌが思考や刀断のバランスをずっおいるからずいえそうです。
 䟋えば、「汗氎流しお䞀日の仕事を終えたあずで、よく冷えた䞀杯のビヌルを飲む」ずいった私たちの毎日の行動も、考えおみるず「賢い報酬系回路の䜿い方」ずいう気がしおきたす 。


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