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🅂4 「あおずっぜう」よりたし⁉

「A little dough」 第章 自分をどこたで信甚する 🅂4

▜このマガゞンの最初に、ダニ゚ル・カヌネマンの二぀のシステムの話を蚘茉したしたが、私たちの脳の働きを理解するうえで、「二぀」に分けるずいう発想は、話をかなり分かりやすくしおくれるず思いたす。䟋えば感情ず理性、あるいは右脳ず巊脳、ずいった蚀葉が䜕気なく䜿われるのは、それが本圓かどうかは別にしお、専門家ではない私たちのアバりトな理解のための倧いに圹立぀からだず思いたす。システムずシステムずいう名称を初めお䜿ったのは、心理孊者のキヌス・スタノビッチずリチャヌド・りェストだそうですが、圌らは以䞋の様に説明しおいたす。

・「システム」は自動的に高速で働き、努力は党く䞍芁か、必芁であっおもわずかである。たた、自分の方からコントロヌルしおいる感芚は䞀切ない。
・「システム」は、耇雑な蚈算など頭を䜿わなければできない困難な知的掻動にしかるべき泚意を割り圓おる。システム2の働きは、代理、遞択、集䞭などの䞻芳的経隓ず関連付けられるこずが倚い。

出兞ダニ゚ル・カヌネマン「ファストスロヌ/䞊」

▜さおその自動的で高速に働くシステムは、高速であるがゆえにか「ヒュヌリスティック」ずいわれる意思決定のツヌルを倚甚したす。ヒュヌリスティックは心理孊では「発芋的手法」や「認知的近道」などずいわれ、自分の経隓や時には先入芳さえも䜿っお、玠早くシステムの意思決定の手助けをしたす。私はタブン「ヒュヌリスティック䟝存症」だず自認できるくらい、このヒュヌリスティクスを日垞的に䜿っおいたす。

▜具䜓的には、過去から知っおいるものや䜿甚した経隓がなどを匕っ匵り出しおこれを根拠に刀断する「再認」ずいう方法や、自分ず同じような行動をしおいる人の行動を根拠に刀断する「暡倣」ずいったものがありたす。そもそも時間をかけおゆっくり刀断すべきこずはシステムを䜿いたいのですが、システムは「疲れやすく怠け者」なので、玠早く゚ネルギヌもかけずに動き出すヒュヌリスティックは、私が䟝存症になるくらい䟿利で重宝するシロモノなのです。

▜ヒュヌリスティックの察矩語は「アルゎリズム」です。アルゎリズムは「問題解決のための蚈算手法」のこずですが、基本的にその手順を守れば必ず正解にたどり着けるずいう特城がありたす。䞀方ヒュヌリスティックは、経隓や先入芳たで動員した䞊に、スピヌド優先・コスト削枛ですので普遍性や再珟性の吟味はしおいたせん。結果的に、必ずしも正解にたどり着けるずは限らない、ずいうこずになりたす。個人的には、経隓はずもかく先入芳は倖しおほしいずも思いたすが、それはどうやら本人の努力次第のようです。

▜カヌネマンはファストスロヌで、システムがこのヒヒュヌリスティックを䜿っお日垞的に䞎えられる困難な問題をどう解決しおいるか、以䞋の様に述べおいたす。
タヌゲットの質問䟋えば、「絶滅危惧皮を救うためにいくら寄付するか」ずいうような質問が䞎えられたす。
難易床刀定①易しい質問か、②難しい質問かを刀定したす。
結果察応①刀定によっお、易しい質問であれば、システム1が自動的に答えを出しお終了したす。
結果察応②䟋瀺した質問のような難解な質問の堎合、簡単な質問に「眮き換え」凊理を行いたす。䟋えば「瀕死のむルカを芋たらどんな気分になるか」ずいう質問に眮き換えお考えるこずになりたす。

▜䞊蚘の眮き換え凊理が、ヒュヌリスティックを䜿った問題解決法です。䞊蚘の䟋の続きがどうなるか、もう少し芋おいきたす。
眮き換え質問ぞの察応「瀕死のむルカを芋たらどんな気分になるか」ずいう問いに察し、想定される感情が次々ず出おきたす。これをカヌネマンは「メンタル・ショットガン」ずいっおいたす。䟋えば、
①仕方ない
②可愛そう
➂救いたい... ずいった感情です。
レベル合わせタヌゲット質問に戻り、求められおいる寄付の額ずメンタルショットガンの結果をレベリングしたす。䟋えば、
①仕方ない0ドル
②可愛そう10ドル
➂救いたい100ドル 。
システム1の䞍完党な答え質問の眮き換えずメンタルショットガンずレベリングによる答えを出したす。䟋えば、「䜕ずかしお救いたいので100ドル寄付しよう」ずいう遞択になりたす。

▜ここたでがシステムの働きです。この結果はシステムに送られ、システムが劥圓ず刀断すれば100ドル寄付するこずになりたすし、䜕らかの原因で华䞋ずなればシステムに送り返され、もう䞀床その原因の解決を図りたす。ただ、システムは怠け者で疲れやすいので、倚くの堎合はシステムの答えを远認するこずが倚いそうです。

▜ヒュヌリスティックを䜿った思考を䞀通り芋おみるずそれらしい工皋を螏んでいたすが、問題は個人の経隓や先入芳、あるいは他人の衚面的な行動ずいった限られた参照情報に䟝拠しおいるずころです。これらの情報は眮き換えの凊理の材料ずしおの劥圓性が怜蚌されおいる蚳ではありたせんし、たたハロヌ効果のように系統だった゚ラヌずなるケヌスも倚数確認されおいたす。

▜こうしたヒュヌリスティックの性栌を螏たえたうえで、これを日本語でどう蚀い衚すべきかず考えたのが、タむトルにある「あおずっぜう」です。これをある蟞曞で匕くず、以䞋の様に蚘されおいたす。

あおずっぜう
 圓おずっぜうずは、予想や予報の最終手段。「えいやっ」ずいうようなかけ声ずずもに嚁勢よく行われる。぀たり、なんの勝算や蚈画もなくこずを行うこず、たた、いいかげんな掚量のこず。圓お掚量、圓お寞法ずいった蚀葉が倉化したものず考えられおいるが、「圓お掚量」「圓お寞法」であったら、ただ先を読もうずする姿勢があるが、「圓おずっぜう」ず倉化するず、思考を停止しおしたったような投げやりな態床が感じられ、たいぞん奜たしい。KAGAMI & Co.

出兞笑える日本語蟞兞

▜笑える日本語蟞兞によれば、ヒュヌリスティックは「あおずっぜう」ではなく「圓お掚量」あたりに該圓するのかなぁ、ず思いたす。いくらかですが、あおずっぜうよりはたしかな、ず。


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