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🅂20 ゞコチュりか思いやりか

「A little dough」 第章 自分をどこたで信甚する 🅂20

▜再び筒井矩郎氏に登堎いただきたす。※本セクションは筒井矩郎氏ず山根承子氏がおよそ10幎前に曞かれた「図解雑孊行動経枈孊株匏䌚瀟ナツメ瀟」の「第章利他性」の内容をベヌスにしおいたす。 

●自分の利益だけを远求するず最適な資源配分が実珟する
私は料理に手を぀けお、それがおいしければ䞀人でパクパク、たずければ、家族に勧めおみたす。これが家族に評刀が悪い。「お父さん䞀人で食べないでよ」ずか、勧めるず、「たずかったんでしょう」ずか蚀われたす。劻や子䟛たちに蚀わせるず、私はゞコチュり自己䞭心的であるずいうのです。
 しかしゞコチュりずいわれおも、経枈孊者である私はぞっちゃらです。経枈孊は、人々が自分の利益だけを远求するもずによっお、最適な瀟䌚が実珟するこずを蚌明したのですから。
 食事の堎合なぜゞコチュりがよいかは、以䞋のように説明できたす。人々の奜みは倚様です。たくあんの奜きな人もいれば嫌いな人もいたす。だから自分の奜きなものを積極的に遞んで、呚りず競争し぀぀確保しおいくこずで、それぞれの人の奜みに合った料理の最適配分が達成されるはずです。自分がおいしいず思ったものを他人に譲ったずころで、その他人が自分ず同じようにおいしいず思う保蚌はどこにもないではありたせんかしかし、この説明に私の家族は口をあんぐり。党く説埗される颚はありたせん。
 私の家族に蚀わせるず、おいしいものに圓たったずき、その喜びを他の人に分かち合いたいず思うのが、人間ずしお圓然だず蚀うのです。私みたいなのは動物的であさたしく、瀟䌚が私みたいな人ばかりだず、匱肉匷食の殺䌐ずした䞖界になっおしたう。瀟䌚を豊かにするのは、他人を思いやる心だずいうのです。
 ゞコチュりず思いやり、あなたはどちらが瀟䌚を豊かにするず思いたすか

筒井矩郎・山根承子著図解雑孊行動経枈孊株匏䌚瀟ナツメ瀟刊

▜この本の筒井矩郎氏は、ナヌモアたっぷりに曞かれおいお楜しい文章なのですが、ややホモ・゚コノミクス合理的経枈人のようになっおいたす。実際私たちは、䜕もかも自分本䜍に考える「利己性」ず他人のこずを考える「利他性」を持っおいるずいわれおいたす。その点、ホモ・゚コノミクスは完党ゞコチュりですから、利他性は持ち合わせおいたせん。
 ずころでこの「利他性」にも通り存圚し、䞀぀は利他的に芋えおいおも結局は自分自身のための行動である堎合ず、もう䞀぀は人間ずいう皮ずしおの存続も個䜓の䞭に埋め蟌たれおおり、その為に他の個䜓の利益を図っおいる、ずいうものです。前者は䟋えばお瀌を期埅したり、名誉心や正矩感を満足させたりしたす。埌者は、人間ずしおの皮の保存など「生物の本胜」に埓ったものなどが考えられたす。

▜さおこの利他性を芋分ける「最埌通牒ゲヌム」ずいうのがありたす。
内容プレヌダヌはさんずさん、さんは䞇円を貰っおさんず二人で分けたす。金額はさんが決めたすが、さんもこのこずを知っおおり、さんが分配額に了解すれば、はれお䞇円は二人のものになりたす。
経枈孊的解さんもさんも合理的経枈人なら、さんは99,999円を取り、さんに1円を枡したす。さんは分配を前提にした最倧額をずり、さんに拒吊すれば円ずなる遞択をさせたす。さんは円タダでもらえるのを断らない、ずいうのが合理的経枈人の解です。
実際の結果実際はご想像の通りですが、䞊のような解は成り立たないようです。詳しくは前掲曞をご芧いただきたいず思いたすが、抂略は以䞋のようになりたす。
・䞇円のうちさんに䞇円半分枡す人は党䜓の匱いるが、これをさんが拒吊した䟋はない。・䞇円未満䞇円以䞊を枡す人は党䜓の皋床で、拒吊した割合はこのうちの皋床。・䞇千円未満を枡す人は党䜓の皋床だが、拒吊率は%。
 この結果から、私たちはある皋床公平な配分を求めおいるずいうこずが蚀えそうです。「決める暩限はさんにあっおも受け取るにはさんの承諟が必芁」ずいう条件から、ほが五分五分だず刀断しおいるようにも思えたす。

▜さお、経枈孊的解ず実際の結果では倧きく異なりたしたが、こうしたギャップの原因を぀ほどあげおいたす。
(1)さんはいくらなら拒吊しないだろうかず考え䞊乗せする
(2)芋蟌み違いを恐れお䞊乗せする
(3)埌で顔を合わせた時のこずを考慮する
(4)他の人にケチだずおもわれたくない
(5)さんの喜ぶ顔が芋たい本圓に利他的
さお、あなたはどれに該圓したでしょうか。

▜曎に利他性を限定しおいくためのゲヌムに「独裁者ゲヌム」ずいうのがありたす。
内容プレヌダヌはさんずさん、さんは䞇円を貰っおさんず二人で分けたす。金額はさんが自由に決めるこずができさんには拒吊暩がありたせん。
 この問題ではさんが独裁者で、さんの承諟が必芁ないこずから䞊蚘(1)(2)の怜蚎の必芁性がなくなりたす。曎に(3)(4)に぀いおも、実際にゲヌムを行う時に条件蚭定すれば排陀するこずも可胜になりたす。そこたでやれば、玔粋に利他性を枬るこずできそうです。
 因みに実際の結果は、最埌通牒ゲヌムでは割から割がさんに配分されたの察し、独裁者ゲヌムでは配分が割から割に枛少したようです。この芁因は䞊蚘の(1)(2)で説明ができそうです。それでは、残りのうち正味「利他性」はどれくらいかずいうず、残念ながらその答えの蚘茉はありたせんでした。

▜どうもい぀ものこずではありたすが、「ゞコチュりか、思いやりか」ずいう択はあたり意味がなさそうです。実際私たちは所謂「合理的経枈人」ではないので、倚かれ少なかれ思いやりを持っおいたす。これは私たちの人間瀟䌚が、アダム・スミスがいうような「共感」をベヌスにおいた瀟䌚であるずいう点からも説明が぀きそうです。人間の行為に共感するこずで、やがお倫理芳や瀟䌚芏範を圢成し、曎にはそうした瀟䌚の枠組みの䞭で経枈行為を成立させおいるのだずすれば、それは「ゞコチュり」だけをシンプルに突き詰めた結果ずは考えにくいでしょう。

▜「他人の行為に共感する」こずは「思いやりに」に通じおいきたす。私たちの行動の倚くは自己䞭心的な行為ですが、他人もそうであるこずによっおは私たちは安心しお自己䞭心的な行為を継続できたす。぀たり「ゞコチュりを継続する前提には、思いやりや共感によっお぀くられた䞀定の信頌瀟䌚がある」ず考えられたす。蚀い換えるず、䞀定の利他性を前提ずした瀟䌚だからこそ、利己性を継続できるのかもしれたせん。そのバランスが我々の行動遞択に倧きな圱響力を持っおいるこずを理解しおおく必芁があるようです。
 因みにこうした前提を逆手にずった「ゞコチュり」至䞊䞻矩が、善良な家庭で奜たれないのは冒頭に蚘茉した通りです。


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